年末年始タイ旅行三日目前半 12月29日(日)
シリキット王妃公園 裏口入園、鳥、リス、鳥、鳥
早々に起き出した。実質1日目なので体力が有り余っている。あと、2時間の時差のせいもある。
朝ごはんはポメロ。
9時半にKさん家族とMo Chit駅で待ち合わせしているので、それまでの間シリキット王女公園をうろつくつもりだ。
スクンビットラインでMo Chit駅。すでに人が多い。チャトチャックマーケットに向かっているのだと思う。
公園はおそらくマーケットの逆、と当たりをつけて出口を出たけど、公園はすぐそこに見えているのに入り口がない! 結局チャトチャック方向に歩いていく。
ところでBTSとはバンコク・スカイ・トレインを指す(じゃあBSTだろうと思ったけどバンコク・トランジット・システムの頭文字らしい)。その名の通り空を走る高架鉄道で、駅も高架にある。したがって出口を間違えることが大ダメージにつながる。道路が巨大で交通量が多く、向かいに渡るのも簡単ではない。日本で適当な出口から出て地上をさまようことに慣れている自分も、正しい出口を意識する習慣がついた。
最終的にチャトチャックマーケットの手前に至り、ジュースの屋台と麺類の屋台の隙間に、ひと一人が通れる入り口を見つけて入った。絶対これ裏口だろう。裏口入園。
公園。ぶっ飛ばす車たちの走行音は木々の隙間を縫って余裕で届いているが、負けじと鳥が鳴いている。ヒュー↓イー↑と鳴く声が特に印象的で旅行の間じゅう真似していた。みなさんにも披露したいところだ。
その発生源を探しながら歩いていると、視界の端に素早く動く影が。
模様が意外だったがリスだろう。ものすごく素早い。欧米の公園や井の頭公園にいるのとは比べ物にならないほどでシュンシュンと風を切る音も聞こえたかも。
あっ、またいるな。
鼻先が尖っていて意外だったがやはりリスだろう。
(1月10日追記 こいつ、ツパイじゃないか!?と思い至って検索したらやはりそうらしい。まさかあんな街中の公園で見られるとは思わなかった。バンコクへの愛着が増す気づきだった)
いや、でも鳥、鳥を探しにきたんだ。まさかあまり鳥がいないということはあるまい、と思っていたがバズーカのようなカメラを持っている紳士を見かけたので安心する。鳥探しにおいて、バズーカのようなカメラにはいつも助けられてきた。
途中、道を挟んだ向かいの公園に移動して探し続けると、
鳥、鳥、鳥!
ヒュー↓イー↑の他、ピピコピコピコピコピとファミコン的な声も聞こえた。正体不明。脳内で8ビットと呼んでた。
当初は鳥を見るためにカオヤイ自然公園まで足を伸ばそうか悩んでいたけど、案外バンコクの街中だけでも色々な鳥が見られそうで嬉しい。
しかし、こうして鳥を見て回るだけで汗ばむくらいには暑い。まだ朝なのに! 最も暑いだろう12〜14時が恐ろしい。
チャトチャック市場
Kさんと合流してチャトチャックマーケットに。
魔窟。
everything is here all at once。
前日、ムーガタをつつきながらKさんご家族の話を聞いていて「えっ20000店もあるんですか!?」と声を裏返らせた記憶がよみがえる。
服。服。服。
お土産。ジュース。ヤードム。食器。
服。かご。服。スカーフ。飯。服。ヤードム。服。
他にも、アロマ用品の店、生花も造花も入り乱れる店、文具屋、謎の道具屋、古本屋、マッサージ屋が無限に連なり、歩いても歩いてもものが売られていて、この世の全てがここにある! と叫びそうになった。自分はここで何か商売できるか? と謎の自問も始まった。
夏服や夏の靴を買うのがなぜか苦手で、2024年の夏はほぼサンダル一足で過ごしていた。そしてこの旅に持ってきたトップスはタンクトップなどを除けばアロハシャツ一枚だ。したがってここで大購入を許すことにした。
と、自分を納得させなければいけないくらいには購入した。現実に向き合うのが恐ろしいが、それだけ持ち物を増やし金銭を消費したのは事実なので、向き合う義務がある。箇条書きしてみようと思ったらあまりにも長くなったのでこの記事の末尾にまとめます。
いくつか目当ての店はあったけれど、9時半時点でまだ開いていない店が多かったのは誤算だった。市場と名が付けば早朝にオープンするものと決め込んでいた。
したがって脈絡のない買い物が急にスタートしてしまう。途中、早速現金が心許なくなってキャッシングで追加する場面もあった(おそらく両替の方が割りがいい。この件は後ほど書きます)。
救いのタイ・ティー、憧れのクイッティアオ
買いに買い、疲れ果てたところでタイ・ティーを目にする。
これが、噂の!
以前、Kさんからお土産に粉のタイ・ティーをもらったことがあって、美味しいミルクティーだなあとは思っていた。でも暑さと消費と脳内レート計算に消耗しかけた身体に流し込むと、容赦のない甘みと烏龍茶に似た舌の奥に残るような味わいと濃厚なミルクがガツン!と響いて眩暈がするほど美味かった。
穴の開いた氷もこの時点で確認する。旅行の下調べを文字でする癖があるので、まさか穴の開いた氷が円筒状とは思わなかった! 寒い日にホースから水を出そうとするとニョロニョロと押し出されてくる氷を思わせる形。
またしばらく買い物したのち、軽く食事をしようということになる。
チャトチャックの敷地内に、屋台というかフードコートのようなエリアがある。店頭にいた人が「パッタイ、トムヤムクン?」とおそらく人気のあるだろう料理名を言いながらメニューを差し出してくれる。でも、タイ語かその料理の内容を英語で説明したものだったのでパッとどの料理かわからない。
「クイッティアオ……?」
絶対食べたいと思っていた料理名を尋ねると、「あるよ!」というふうに頷いて案内された。
憧れのクイッティアオ!
結構衝撃だったのは豚肉メインの麺でも魚のすり身ボールが入っていたり、鶏……?というものが入っていたり、タンパク質大盤振る舞いなことである。おでんとかボリートミストとかそういうものを連想する。絶対飽きない。途中で味変もできるし、飽きっぽい自分のような人間にタイ料理はかなり相性がいいかもしれないと思った。
Kさんは確かカオソーイを頼んでいた。美味しそうだった。
チャトチャックで購入したもの もの もの……
◇レザーサンダル
こちらのお店。https://www.instagram.com/bigfoot_jj?igsh=MWZqY3NsZW44YWUyYg==
チャトチャックで初めての買い物。買ったその場でストラップに穴を開けてくれた。うちの店は別のところで買うともう少し高くなるけどチャトチャックだと990バーツだよ、的なことを言っていたと思う、多分。こちらがあまり理解していないのを察して電卓まで叩いてくれた。すごく履き心地が良くて、残りの旅程では半分くらいこのサンダルで過ごした。足裏に色がつくんだけど、おすすめです。
◇ゴムストラップのサンダル 2足
1足確か250か280バーツだったけど3足で600バーツになるというのでKさんと一緒に買った。数本のストラップを編んだだけなのにデザインが多様で圧倒される。サンダルの山の中にちんまり座る店員さんにサイズを伝えると山をひっくり返すようにして出してくれた。履いて歩いてごらんと言い、そのようにするとイラスティックだから一つ小さいサイズでいいはず、とアドバイスしてくれた。実際そうだった。目利き。
◇室内で履くための、繊維を編んだサンダル
すごい陽気な店員さん。うんうん、試しに履いてみなよ〜♪と常に語尾にメロディがあった。スリッパを持ってこなかったので室内履きをどこかで買うつもりではいたが店員さんの愛想の良さに即決してしまった。
◇シャツ(総柄、グリーンの2着)
もともと目をつけていた店で、当初は開店前だったから後から再訪問した。セール中だったみたいで値札の金額から値引きしてくれた(セールなのに値引き額喧伝しなくていいのか?)。
◇麻のシャツジャケット
ここもあらかじめ調べていた店&初訪問時は開店前。やはり執念で再訪問した。1500バーツほどでこれが一番高い買い物だった。ちょうどいいサイズ感で旅のうち3回くらい着ていた。
◇シャツ(総柄、襟刺繍の2着)
2着買ったら象のポーチをくれた。全体的に予告なしで施してくれるサービスが多いです、この街。
◇シャツ
ボタンダウンシャツを縦に裁断して縫い合わせた、おそらく古着のアップサイクル。日本でも見るけど組み合わせがポップで気に入った。
◇シャツ(総柄)
モノトーンの蓮柄がいいなあと思って買った。
◇飲み物をぶら下げられる繊維を編んだバッグと同じ素材のドリンクホルダー
即使ったところ店員さんが笑みこぼれていた。即使うんかいという笑いだったのではとKさんと意見が一致する。
◇レザー製のiPad miniのケース。その場で名前を入れてくれる。245バーツ。
こちらのお店 https://www.instagram.com/fantom_handmade?igsh=MXQxZWMzdTVmeXB6YQ==
写真を撮っていい?と聞いたらもちろん!とすごくいい笑顔だし、名前を入れた革をお店のロゴを隠すように入れるか、ロゴを残しとくか、尋ねられて、もちろんロゴを残したいと言ったら「ナイスチョイス!」とまたもやいい笑顔。嬉しい買い物体験だったし、ものも気に入っている。携帯のケースや財布やカバンや色々あったと思う。もう一度行きたい。
◇籐を編んだようなトレイ
旅先で日用品を買うことには常に憧れがある。15、6歳?という子が売ってくれた。特に日用品系の店は家族で経営していそうなものが多かった。
◇ヤードム6本 100バーツ
絶対欲しかったヤードム。ここで買わんでもと我ながら思ったけど結局見かけた中で最も安かった。
◇ビニールひもを編んだトートバッグ
網目が粗くて中が見えるので自分のような粗忽者によかろうと眺めていたら「この色最後なんですよ〜」と言われて、なんかその売り文句ってどこの国もあるんだなと面白くなって買った。
◇スカーフ、お土産
◇オリジナル柄の布を使ったバッグと象、お土産
一番向き合いたくなかった現実だがここでサンダルを4足買っているしシャツを6枚、バッグを4つ買っている。怖い。脳に癖がついてしまったように同じものばかり買っていた。
さて、チャトチャック最後の買い物はパンツだった。
前後で紐を結んで穿くタイプで、全てほどくとぺろんと一枚の布になる。マーケット到着当初に別の店で見かけて、心惹かれていた。こんな構造の服は絶対面倒だとわかりきっている、でもデザインがどうしても気になる……
300バーツと言われて、それも引っかかった。他の店だともっと安かったのを覚えていた。
買い渋っていると、駆け引きが始まったと思われてしまったのだろうか、「280にするよ」とうなずかれる。NO BARGAINってあんなにいろんなところに書いてあるのに。
「いやいや、やっぱりいいや」
「わかった、250にするよ」
間髪いれずそう言われ、それで他の店と同額だったので、結局買ってしまった。この時点で思考の働きがいまいちになっていることに気づいて、潮時だ、と判断して、マーケットを後にした。
この日は滞在中、唯一丸一日使える土日だったのでどうしても内容が濃くなってしまった。後半へ。