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1月12・13日 コウノトリとの遭遇 真冬の金刀比羅宮に何を着ていこう

タイ日記の途中だけど、三連休にまた遠出をしたので書いておくことにした。

帰省を兼ねて香川のこんぴらさん(金刀比羅宮)に行ってきたのだ。

金刀比羅宮は、2017年に参拝したのが最後だ。そのときは本宮まで(帰りに裏道を通ってやや道に迷い、ムササビ?を見た思い出話で家族とひとしきり盛り上がる)。奥社までの1368段を踏破しようと数年前の1月2日に挑んだが、初詣の大混雑で入場規制がかかっていて、本社の前ですごすご引き返したという悔しい思い出がある。
リベンジを、ということで今回臨んだのだけど、連休中日の日曜日狙いで行ったらどん曇り、からの雨模様でまたも断念。
東京に住むようになって冬がド晴れること、また空の真っ青なことに毎年新鮮に驚いている。四国や関西に暮らしていた頃、冬といえば曇天で、朝晴れていてもじわじわと雲が空に広がっていくものだった。

でも予定変更のおかげで日曜には渡りで訪れていたコウノトリを見ることができた。20羽規模の大きな群れだ


猪熊弦一郎現代美術館で企画展「ホーム・スイート・ホーム」を滑り込みで見られたのもうれしかった。帰省に際して見るにうってつけのテーマ。少し前にシャガールのタペストリー作品を見て以来、テキスタイルや刺繍と絵画の関係性には関心があるので竹村京「はなのいろ」は興味深かったし、アンドロ・ウェクア(上写真)という、これからを追いかけたくなる作家を知れたのは大きな収穫だ
2022年に神楽坂・柿の木荘「メディウムとディメンション:Liminal」で見た鎌田友介の映像作品「Japanese  House」を別の形で見られたのもうれしい偶然だったし、今年もできるだけ展示に足を運ぶぞー!と思える出来事だった。本展では部屋の中に日本家屋の骨組みが作られている。あえて部屋全体と角度をずらして組み上げているので、ここにあることの違和感が掻き立てられてる感じがして、題材と一致していて良い

さて明けて13日(月・祝)。曇りではあるが雨の気配はない。10時25分ごろに金刀比羅宮参道入り口。三度目の正直。

装備にはかなり頭を悩ませた。前回は無計画に500mlのコーラを買い、ミラーレスを持ったせいで、正直言って本宮の入口時点で背中が限界の痛みを訴えていた。そして厚着しすぎて汗をかいて、結果的に体が冷えていた。
車の中でジャケットを脱いだり着たり直前まで逡巡しながらも最終的な服装は以下。

◉インナーダウン
TAIONとGramiciのコラボレーション商品。この冬はほぼ毎日着ている気がする。いざとなったら折りたためる

◉パッカブルパーカー、防風シート入りのトレーナー、メリノウールの肌着、厚手のソックス
ワークマンでことあるごとに購入してきた装備がここで集結

◉スウェット素材で厚手のパンツ
伸縮性を最重視

◉登山用タイツ
伊豆大島に行った時、三原山に身構えるあまり購入。役立った記憶があったので今回も投入。膝をしっかりサポートしてくれる。歩き方を正してくれる装置として活用

◉SORELのショートブーツ
秋冬の旅ならこれ、ともう何年も決めている。タウンユースに全く支障のない見た目だけどちょっと足元が悪くてもがしがし歩ける心強いやつ

◉カメラはタイ旅行に引き続いてDMCーFZ5、Osmo  Pocket、iPhone。*印の写真はDMC〜で撮影

◉食料として300mlくらいのお茶と焼きそばパン、低血糖対策の飴

ネオデジ以外の持ち物はすべてトレーナーのポケットに入る。
なのにうっかりローソンでメガサイズのカフェオレを買ってしまっていた。まあどこかで捨てるところあるだろう、と片手に持ったまま参道を歩き始める。

入り口。なかなかの階段に見えるが、ところどころ踊り場があるので意外ときつくはない。でも傾斜している*


参道の入り口からすでに緩やかな傾斜、途切れ途切れの階段だ。姿勢を保持することにも筋力を使っている実感がある。途中、杖を貸し出していたので念のため借りた。

竹、枝、角材を揃え、長さも太さも多様。オリバンダーの店、と思う*


本宮までは785段。というとぶっ通しの階段を想像しがちだけど、お土産物屋や喫茶店、昔ながらの道具屋、新装開店のホステル、クラフトビールも出すような食事処、そしてもちろんうどん屋が軒を連ねる門前町から行程はスタートする。周囲をあちこちと眺めながら足取りはまだ軽い。
だんだんと店がまばらになり、甘酒などを売る茶屋のような店を抜けると、その先で商売が許されるのは、五人の飴売り、いわゆる五人百姓のみだ(したがって杖が借りられるのもこの辺りが最後)。でも資生堂のパーラーがこの先にあるので定義不明。

専用の収納庫まである


途中ででっかいプロペラがあった。こんぴらさんは海の神様として知られている*

半ばまで来ると心臓がばくばく鳴っているのがわかる。結構急で長めの階段も続く。杖を3段上に突き、腕の力で駆け上がる、という歩き方を発明したけどかえって疲れたのですぐにやめた。とはいえ脚だけの力で上がらなくていいので杖があるとやはり幾分か楽だと思う。
それにしてもどこにもゴミ捨て場がない。飲み終わったカフェオレのコップが邪魔になってきたのでトイレの手洗い場でゆすいで畳んで上着のポケットにしまった。買い食いできるようになっているけど、ゴミの扱いに困ると思うのでゴミ袋を持っていくか帰りに食べるほうがよさそうだ。でも多分その場で食べるのがいいですね。転びかねないから。

へろへろのタイミングで見たので助かった!あと少しだ!と思ったけどよく考えたらマンション6階分くらいある

要所要所で休憩を挟み、その度に最初はパーカー、次にダウンを脱ぎ捨てた。単純に暑いというのもあったけれど、それ以上に汗をかき始めていて、体が冷えるのが心配だった。畳んだのはいいがカバンを持っていなかったのでしまえない。杖に引っ掛けて登り続けた。
段のひとつひとつの高さにバラつきのあるせいで、地味に体力が削られる。さらに、鳥居が見えてきて活力が戻ってくる。最後の階段は長く、やや急だが、ようやく、登り切った!

本宮! 色々な意味で輝いて見える
身が引き締まる但し書きがあった
本宮からの景色。一筋だけ光が差していてファンタジーっぽい。あの区画を希望の野と名づけよう*

本宮の写真撮影時刻によると、到達時点で11時6分。40〜50分程度ということになる。
しかし、ここで終わりではない。本宮を正面に見て右側に、道は続く。奥社、もとい厳魂神社へ向かう道だ。

ボーナスステージへ*

本宮までの参道が、基本的にまっすぐ、上へ向かってのびる石段だったのに対して、奥社への道は山を横切るような格好で続く。多分そうしないと勾配や階段があまりにも急になってしまうのだろう。
とはいえ道は山道というわけではなくしっかり舗装されていて、足元に不安はない。

途中橋があったりして、割と階段以外の、インターバルといえそうな部分が長い*
と油断していたらこの階段が目の前に現れてちょっと絶望した*

総じて本宮への階段よりは奥社への道のりのほうが歩きやすい。そのままのんびりと歩き続けて…


到着!思っていたよりもずっと賑わっている。

やや曇り気味だけど1368段登り切る、という目標を達成できた爽やかさの前では気にならない。


奥社限定のお守りと御朱印を買った。お守りは緑色の糸がきらきらしてかっこいい。御朱印帳はしょっちゅう持っていくのを忘れるけれどこの機にまたしっかり集めようかなと思う。ちなみにここは書き置きなので持ってこなくて大丈夫です。

奥社境内は混んでいて長居する感じでもなく、いざ下山。意外と下りが厳しく、段を踏み外しそうになる。途中で本宮をじっくり眺めたり、道草食いながら下山した。

あばら…
下りでしか入れない旭社には一円玉を浮かべる謎の水瓶がある*
2017年1月2日に行ったときの写真が出てきた。iPhone5sで撮影したらしい
加美代飴は五人百姓で買うのを見送ったけどその後参道で見かけたお土産物屋さんで買った。そしたら偶然製造してるお店だったのでうれしい


射的でお菓子と、一番欲しかったあひるを得た。飛行機はきょうだいが獲得
これから旅行記に登場してもらおう

さて、真冬の金刀比羅宮に何を着ていくか問題、最終的には上記の装備で結構ちょうどよかったなと思う。ただし、今回は曇り、かつ最高気温9℃、午前中という条件。晴れていたらもっと暑くなったと思う。

結論としては、
脱ぎ着できる服装がベターだけど通気性があればその限りではないかも
杖は多分あるほうがいい
ゴミ箱はないので気をつけろ
の3点。

あと、奥社行くべき?という話題をちらほら見かけるけど今回登ってみて圧倒的に本社までの道のほうが厳しいと感じた。「奥社まで行ったよ〜」といえば話の種にもなると思うのでせっかくこんぴらさんを訪れたときにはぜひあと一息がんばってほしい(無理のない範囲で!)。

おでん&うどん。灸まんのうどん屋があるなんて知らなかった*

無事に成し遂げたのでうどんで腹拵えをしたのち、丸亀で温泉に入り、しゃぶしゃぶを食べる。うどんタスクをクリアし、酷使した体を熱い湯でいたわり、大量のタンパク質をとって損傷した筋肉を修復する。いいプラン、いい休日だった。
これを書いているのは2日後。特に筋肉痛の気配もない。登りに自信のない同志であれば登山用タイツの投入もおすすめです。


火曜早朝便で帰京。出張勢と観光勢が入り混じる、連休明けっぽいフライトだった

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