英語なんて

僕は多分平均的な日本人より英語が得意だ。
中3の時に英検準1級を取ったし(筆記で2回落ちた)、高1で受けたTOEICは865点だった。
別に特別努力したわけではない。たまたま小学校の時に1年半だけアメリカのウィスコンシン州というところに住んでいて、たまたまそこが田舎で日本人学校がなかったから現地の学校に通っていたから、というだけだ。小学生2年生という言語習得が大人よりしやすい時期だったせいか、発音を真似できるようになるのも早かった。父がそれを喜んで、褒めてくれていたのも嬉しくて、中高でも英語だけはそこそこマジメに勉強していた。

ただ僕はあまり「俺は英語ができるんだ」と胸を張って言えない。というか言いたくない。

僕はアメリカが好きではないのだ。英語ができないことで現地の学校でアメリカ人の教師にバカにされ、軽んじられたことをいまだにかなり根に持っている。「あいつ母国語を喋れるってだけなのにえらそうだったな」とずっとムカついている。たまたま母国語が世界で広く話されている言語だったというだけで、他の国の人間をバカにしたりする精神性が嫌いだ。偏見だとは思うが実際に結構嫌な目に遭った経験があるからということで大目に見てほしい。

そういった理由で、あんまり胸を張って「英語が得意です!」みたいなことが言えないのだ。もし僕が英語が少しできることを鼻にかけて調子に乗ってしまったら、アイツらと同じになってしまうことになる。それが嫌だ。

無論僕はしょうもない人間なので得意なことについて褒められたい、みたいな感情も心の中にある。だからたまに自慢してしまう。

前に友達に、
「お前英語かなりできるのに『そんな大したことないよ…』とか言うな、腹立つから。」
と言われた。慌てていろんな言い訳をしたがたしかに彼の言うことももっともである。多分僕は「別に英語できてもなぁ…あんま役に立たないし…」みたいな言い方をしていたのだろう。そら腹立つよね。

ということで最近英語を勉強しようとちょっとだけ思っている。なにから始めたらいいかわからなさすぎてとりあえずシャーロックホームズの英語版を読みはじめた。

マジで全然読み進められない。わからない単語がめちゃくちゃある。こんなんで「英語が得意だ」なんて言えないので、やっぱり引き続き「俺なんて全然…」みたいなスタンスでいようと改めて思った。「ちょっと話せるくらいで洋書は読めるレベルじゃないから…」とか言っていこうと思う。嫌われそうだが。



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