残暑お見舞い申し上げます。飛行機から見た雷雲の写真で、少しは涼しくなれるかな?
山口県まで行ってきました。とても濃密な4泊5日だったのですが、その話は追い追いするとして、行きの飛行機から見た雲がすごかったので、まずはそれだけ紹介しておきます。
行き先は山口宇部空港。羽田空港から乗る時は、バスで空港の最果てまで運ばれて、タラップから乗るんですね。このタラップってキライじゃありません。飛行機を間近で見ることができるので、もっとじっくり眺めてみたかった。
羽田空港の第一ターミナル北側サテライトは増築工事中とのこと。木造を取り入れた構造で、2026年に供用開始。なるほど。いずれにしても、この工事によって、しばらくの間はタラップを楽しめるというわけです。
中国地方に向かう便では、左側の席を予約。
なぜなら富士山を見るためです。
ほんの一時間くらいの飛行であれば、僕は窓側を選びます。わかるとは思うけど、上空からワガクニの地形や集落の成り立ちを観察する、これほどいい機会は無いからです。
そんな子どもみたいなことには興味が無い、と、いつも通路側の席を予約してさっさと眠ってしまう人には、この富士山を見てもらいたい。
普通、国内線で羽田から西日本方面に飛ぶときには、行きは右の席から富士山が見えて、帰りは左の席から遠くに見えるものだけど、中国地方便は行きも帰りも左側です。特に、真上を飛ぶのは行きの便です。離陸して、10分もすれば湘南海岸が一望できますが、その5分後くらいに、左の奥の方から見えてきます。
僕は岡山、広島に行くことが多いのでこうしていますが、大阪とか出雲、あるいは高松、松山など、ほかの瀬戸内方面がどのルートを飛ぶのかは知りません。
ところがその日は、かなり北に向かっていました。
そして、その日も離陸。
普段よりも、横浜の手前でグイッと右に大きく旋回しました。これが何を意味するのか、後になって気づきます。いずれにしても雲が多い。僕は神奈川県の自宅を出るときにも曇っていたので、湘南海岸は見えないかな、とは思っていましたが。
それでも、富士山だけは雲の上に見えているはずです。
それにしても見たことが無いほど爆発的な雲が続く。天気予報は「太平洋沿岸では大気の状態が不安定となり…」という、例の決まり文句を繰り返していたけれど、実際に見るとこういうことなのか。
とは言え、時間から言えばそろそろ富士山が見えてくる頃。しかし、なかなか見えてこないし、たまに見える地上の眺めも、なんだかいつもと違うようだ。
富士山は見えてこないけれど、爆発的な積乱雲の間を抜けるスリルもなかなか。とは言え、飛行機は全く揺れないし、CAさんはいつものように飲み物を配っているし。
何とまぁ、機長からの粋なアナウンス。
富士山をあきらめて、しばらく経った頃だった。少し雲が切れて、どうにか見分けのつく地形が現れた。なんと、すでに琵琶湖の上空にいた。
琵琶湖であれば、普段は大津の辺りを通るものだけど、やはりだいぶ北を飛んでいたことがわかる。
などと気づいた頃に、敦賀市上空で、機長からアナウンスが入った。雑音で聞き取りにくかったけれど、およそ以下のような内容だった。
「本日、太平洋岸に多く発生している雷雲を避けるために、大幅に航路を変更しております。あれほど大きい雷雲を見る機会は滅めったにないと思いますので、ぜひご覧ください」
なんとまぁ、普通、そんなことを言われたら怖くなるはずなのに。て言うか、乗る前に言われたら乗るのがイヤになるかもしれない話なのに、めったに無い機会である、と。見物してください、と。
じっくり見物してください、と機長が言っているくらいだから、きっと怖くないのだろう。かなり粋なアナウンスだと思う。しかもこの間、飛行機は全く揺れなかったし。
ここまで来ると、雷雲は見えなくなっていた。どうやら、僕がこれから過ごす山口県は、天気に恵まれていそうだ。
この、何ごとも無かったかのように、という到着を、航空会社は目指しているのでしょうね。無事に行けて当たり前。当たり前だけに褒められることも無いけれど、それにはかなり、プロの技術が必要とされる。どんな世界でもそうかもしれませんが。
そして、初めて降り立つ空港でレンタカーを借り、ナビをセットして、初めての道を走り出す。僕は、この瞬間がとても好きなのです。
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