プロダクトづくりに役立つUXリサーチをするには?🤔
🗓こちらはUX Research Advent Calendar 2022の10日目の記事です🎉
こんにちは!IT系の事業会社でUXリサーチをしているOMです。
UXリサーチの仕事をしていると、開発が大方終わったリリース前に「使ってくれるか知りたい!」のような『え?開発終わってるよね?今更それ知ってどうするの?使ってくれないって結果が出たらリリースしないの?全部作り直すの?』とドキドキするような依頼がくることがあります。開発前や開発中にあれだけUXリサーチしましょうっていったじゃーん!なんでこのタイミングー!ってやつです。
今回は、こんな依頼を受けた時にふと思ったことを書いてみようかなと思いました。
リリース前の「使ってくれるか知りたい」
リリース直前の「使ってくれるか知りたい」っていろんな思いの集合体だなーと思っていて
サービスが使いやすいか
良い体験か
課題やニーズを満たす体験か
使い続けたいと思ってもらえるほど魅力的な体験か
良いアイデアか
ニーズを満たすアイデアか
課題を解決するアイデアか
使ってみたいと思ってもらえるほど魅力的なアイデアか
ニーズや課題はあるのか
などなどのように、すごくたくさんの要素に分解できるんじゃないかと思っています。
そして、これってそれぞれ関係あるよねと思っていて
とたどっていくと、サービスが作りやすいんじゃないかと思っているんですねー。
仮説のミルフィーユとの出会い
こんなことをぼんやりと考えつつもアウトプットすることをサボっていた訳なんですが、今年の春頃、ぼんやり考えていたことがめちゃめちゃわかりやすく図になっているものを発見しました。
ご存知の方も多いと思います、「プロダクトマネジメントのすべて」に『プロダクトの4階層』として載っている仮説のミルフィーユです。
『仮説のミルフィーユ』の詳細については、小城さんの記事をご覧ください。
この構造を一度理解すると、UXリサーチ(ユーザー調査や仮説検証などなど)がめちゃめちゃ取り組みやすくなるんじゃないかと思います。
例えば、インタビューをしていて「使いにくい!」とフィードバックいただいた時に
使い勝手が悪いのか(How)
アイデアが悪いのか(What)
アイデアをもとに設計したユーザー体験が悪いのか(What)
ユーザー理解が間違っているのか(Why、What)
想定しているペイン・ゲインがない人なのか(Why)
と、「使いにくい」原因の切り分けができます。
つまり、どこに原因があるのか、どこまで戻ればいいかの判断がつくわけです。
UXリサーチしないプロダクトづくりって。。。
ここで冒頭の話に戻ります。
プロダクトのリリースまで何もUXリサーチを行わないままプロダクトづくりをした場合、『そもそも想定していた課題やニーズがありませんでした』のような、仮説のミルフィーユでいうCoreやWhyまで戻って検討しなければいけない(それって最初からやりなおしじゃん!)なんて、最悪の事態も起こりかねません。
しかし、『ターゲットユーザーはこんな人だ、こんなペイン・ゲインがあるんだ』というところまでUXリサーチをしていれば、そこまで戻ってアイデア出しや体験の構想を始めれば良いですし、プロダクトのユーザー体験までは検証ができているのだったらUIからやり直せばいいといった判断ができます。
もちろん、プロダクトづくりはこんな簡単に切り分けられることばかりではありませんし、単純に判断できることばかりではありません。だけれど、五里霧中で進むのと、目安をもって進むのとでは全然違うのでは?と思います。
ちなみに、一度のUXリサーチで仮説が検証できるなんてことはまれで、何度か検証のUXリサーチすることになるのですが、仮説検証のUXリサーチって「ここまでは検証できた」とマイルストーンを刻むようなものだなと思いました。
おわりに
UXリサーチを実施することが、プロダクトにとっても開発している人にとっても有益なものだとの認識が広がってきているなと感じています。
その一方、UXリサーチやっておけばなんとかなるといった、UXリサーチをすることが目的になってしまうようなことも出てきているのではないかなぁと思います。
でも、そんなリサーチをやってもプロダクトのためになるでしょうか?
自分たちがプロダクトづくりのどの段階にいるか認識した上で、今知るべきこと・調べるべきことは何なのか、10分でも15分でも少しでいいので時間をとって整理するだけでも、プロダクトづくりに役立つUXリサーチができるようになるんじゃないかなーと思います。(そんな情報整理する時に、フレームワークってめちゃめちゃありがたいですよね)
また、UXリサーチの計画とプロダクトマネジメントはとても密接な関係にあるものだなーと、最近ことに実感しています。
他にも密接に関係している分野がありそうだなと思っているので、皆さんが感じていることも教えていただけるととても嬉しいです!!!
サポートをいただけたら、美味しいビールをいただきます