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インチアップ

こうやって見ると17インチの主張はよくわかる。でもミニという車種に似合うと言えば16インチで、ゴムの幅が広い方が可愛らしい見た目になると思います。というわけで195/55 R16のホイールに雪でも夏でも使えるタイヤを履かせたのが3月19日のこと。それから10.5週間後の今日、購入時のオプションタイヤ、205/45 R17に戻しました。195だとホイールアーチから内側に、タイヤが引っ込んで見えるけれど、205ならツライチに近く、正面方向から見たときの違和感がありません。

この車は昨年の8月に23000km程度使われた2年落ちということで買いました。その経緯を書こう書こうと思いながら、詳細を思い出すのが面倒なので延び延びにしていましたがそろそろ着手したいと思います。忘れちゃうので。MTであることを優先して決着しました。それまでの迷いが中々のものでしたので、「中古ミニ」という妙手を思いついた時には、タマを見つけて一回の試乗をし終え、その場で契約しました。諸条件を緩めてみても、これ以上の結果は望み得ないことはわかりましたし、パズルの最後のピースが見つかった手応えをしっかりと感じました。

ボルボのV40、2.0Lのディーゼルを使っていましたが、6万キロ以上を46ヵ月で走行し、乗り換えのウィンドウに入ったと思いました。引っ越して平置きの屋外駐車場に変わり、その区画が5ナンバーでも実用上ギリギリの狭さに切られています。乗り降りのドアの開閉が厳しく、1800mmの車幅よりもとにかくスリムな車に乗り換えたくなったのが一義的な理由です。ですが元々、V40の乗り味に良い点数を付けられず、今でも最高だと忘れられないインテリアのデザインを別にすれば、お気に入りとは言えませんでした。女性に例えてもいいですか? 今までそういう風に形容したことはありませんが、つい思い立ってしまったので考えてみます。

一緒に居て居心地自体はいいです。身につける物のトーンが優しさと、慎ましいけれどすっきりとした清潔感を与えるセンスの良さです。インドアでゆったり過ごすには、お互いの存在を気にせず、楽でいられます。贅沢を言うなら、声があまり好きではありません。見た目にそぐわない要素を、その声の中に、申し訳なく思いながら感じてしまいます。あと、行動を共にするとリズムが合いません。ちょっと神経質なほど、こちらに注意を与えます。またそれでいて動きは機敏な方ではなく、歩幅や歩くスピードを合わせるのに気を遣います。最新の情報には明るい方ですが、若々しさを振りまく様子は無く、年齢なりに衰えたところを隠しません。しかし旅の相棒としては心強さを与えてくれます。

いかがでしょうか。リスペクトは持ちながら、相性的にちょっと合わない、みたいな。2016年に成り行きで出会いました。それを運命と言うこともできるかもしれません。貴重な時間を共有した相手ですが、日常を過ごすうちに、正直に言えば、長くつきあいたい気持ちは早くに失していました。それでも欠点を補う努力は、私なりにしてきましたが…。

あの時、1.5Lのガソリンにしていたら、クルマの動きに関する不満点は無かったかも知れません。とにかく鼻先がキャパを超えて重いのが全てに及ぶ悪影響の根源だと考えられます。しかしディーゼルで、という選び方をしていましたし、実際その恩恵に預かりました。思えばプジョー309で、当時の1.5Lディーゼルより、1.2Lの3気筒ガソリン車の方が乗り較べたら全然良くて、車両の価格差は燃料費差とトントンだからどっち買っても同じ、という試算にはなりました。ですがV40のガソリン車の試乗はしておりません。どの車種もガソリン/ディーゼルの価格差はだいたい40万円ほどで、6万キロ走ると燃料代で埋まります。ディーゼルはトルクが強大で加速性能に優りますが、重量が嵩むため走行性能を悪化させます(FFは特に)。

それとは別にマツダがアクセラの後継車としてMazda3を海外のモーターショウで発表したときから、その存在がずっと気になっていました。考えてみればフォード傘下にあった時代に生まれたアクセラが、フォード・フォーカスとも、ボルボV40ともシャシーを共有していましたので、ディーゼルに積極的なマツダ車を、なぜV40を検討したときに選択肢に加えなかったか、これもまた一つの敗因だった気がします。アクセラには2.2Lディーゼルで4WDというスポーツモデルが存在し、今回(昨夏)の候補の一台でしたがMTで乗って非常に気に入りました。V40検討の時期に、きちんと見極めていれば、もっと幸せなストーリーを作れたかも知れません。

ボルボに決めた時の話はこれくらいにして、BMWミニの中古(なぜならMTは廃番になっていたから)に決着する紆余曲折は、まずはマツダ3に興味を覚えたことに端を発します。ちょうどSkyactive-x搭載車が出てきた頃でした。ディーゼルとガソリンのいいとこ取りを謳う新しいシステムのエンジンにも期待がありました。ただ、かつて長く乗っていたAudi A3が4駆で満足度が高かった記憶から、今回は4駆ディーゼルを組み合わせたいと考えました。これは経験からくる論理的な帰結のような気がします。

マツダ3にもそのような組み合わせが選べ、一度乗ってみようということになりました。昨年の8月に入ってすぐのことです。





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