非常に楽しいハロウィーン仕様合同ライブ
衆院選挙に行ってきました。この地に越してきて自宅から投票所まで1.7km(徒歩24分)になってしまい、前回の都知事選は車での仕事帰りに、近隣で駐車場を見つけられず断念しましたが、今回は貴重な一票を放棄するわけにはいきません。で、同じく仕事帰りだったので、一番近いファミレスに置いてみたものの、それでも480m(徒歩7分)あり、しかも投票所を出るや雨に降られました。濡れ鼠でファミレスへ入り、夕食を頂いて帰宅したのが先ほど、というわけです。食後には雨が止んでいました。ツキがない。
ただいま9連勤中の8日目で、明日を凌げば1日の休みが来ます。明日は11時スタートで終日教室におります。現時点では三菱電機トーナメントもメキシコGP予選も(竜王戦も)見ることができておらず消化すべきコンテンツが溜まっていくばかり。しかし充実感という意味では、コロナ以前のペースで推移するのは活力が湧くというもの。
この期間中に出身高校では全期対象の同窓会があり、初めて出席しました。私も所属していたジャズ系のクラブは、現役生のみと、OB/OGによって構成される曲ごとのメンバーにより1時間のコンサートを行い、かつての部活在籍者を中心に大勢の出席がありました。私が学生だった頃の恩師お二方が15分ずつ講演を行い、120分の会は、その他の時間を寄付金募集の告知に費やされました。それは決してネガティブではなく、学校の歴史と共に経営基盤をどのように確保してきたかを紐解かれ、いずれもこの年齢になって初耳でしたが興味深い話でした。
17名、フルバンドによる演奏は聴き応えがありました。この学校の特徴なのか、例えば演目の紹介で"Birdland"などと聞けば会場が賑わうといった嗜好は、あまり他校に無いものと思います。しれっとプロミュージシャンも混ざり、私も参加の打診を受けていましたが、ビッグバンドともなれば、あまりにも職業的に近似ですから、ゆっくり考えた末、固辞しました。観客に徹して正解です。
かわって今朝は、高校軽音部支援の一貫で、何度目かの合同ライブへの訪問でした。8月には3年生の「しきり」が完成度の高いイベントに導き、感嘆したことを、以前ここにも書きました。彼/彼女等は9月の文化祭で引退し、現活動は1、2年生のみとなり、スタッフワークのリーダーシップもバトンが渡っています。
過去にPA講習は2回行っており、その成果が8月のそれでしたが、2年生以下の「しきり」デビューにあたって、昨日、設営からサウンドチェックまで、音楽芸能スタッフ部門を持つ専門学校の先生方がいらしておりました。私自身にも学びの機会であるからと、時間のあった午前中のみ専門家の指導現場を見せていただきました。非常に的確でわかりやすいことに感心しましたし、何より、ステージセッティングに違和感を持たれると、ことごとく指摘されているのをありがたく思いました。当初、これは?と思う点も、その制約の中で上手くやらねばと勝手に自制してしまったところがあり、それらの発案に対して、学校側が応えることができ、結果として音場が一段と向上するのを見るにつけ、やはり感じたことは正直に伝えてみるべきだと反省しました。
そこまでチューニングが済んだ状態から、本番当日の朝、再びサウンドチェックを進めました。彼等は直近の指導を受けておりますので、私は遠目に監督していましたが、幾分の不慣れさは露呈しており、顧問の先生からも厳しい声が飛んでいました。ひとつ気になったのは、お迎えする他校のバンドにキーボーディストがいるのに、その準備が皆無に見えたことです。流石にこれは問題が起きかねないので指摘しました。
実際は小型ミキサーとDIが結線されており、前者がキーボード、後者がアコギという使途かと思い、確認するとアコギは無しとのことで、本日はDIの使用を勧めます。ファンタムで電源をとっていることを確認し、キーボード前提なのでPadを-10dBにしておき、接続した楽器の出力がマッチしない場合0dB側や-40dBへ切り替えるよう指示しました。ミキサーを使いたいか、DIを使いたいか、奏者に尋ねるといったことを言っておりましたので、その必要はないと断定しました。仮にステレオで出したいと要望が出た場合に限りミキサーで対応するように言いました。大半はモノラルで出しますから1台のDIで大丈夫です。同時にアコギが居るならばキーボードはミキサーで受けますが、それはDIが1台しか無いためです。いずれにせよPA側が決めれば良いことです。
朝のサウンドチェック時にキーボードがありませんでしたので、その近くにスタンバイされているエレキギターを借用しました。ギターからBoss GT-1というマルチエフェクトからアンプに挿さっています。そのプラグを抜いてミキサーとDIそれぞれに入力し、問題ないかチェックします。その時、気付いてしまったのです。
GT-1はアウトプットを、どのような機器に入れるのか選択肢があり、中にはRoland JCのインプットだとか、そのリターンといった「親切」機能が含まれています。デフォルトが何になっているか存じませんが、たぶんこのギタリストはラインアウトを使っているのでしょう、ミキサーからでもDIからでも素晴らしいアンプトーンが聞こえたのです。
推測するにプリセットから音色を選んでおり、それらは大抵「プリアンプ」や「キャビネットシミュレータ」といったエフェクトタイプがオンになっています。するとこのように、ギターアンプを鳴らさずともPAから、キャビにマイクを立てて拾うリアルなアンプトーンがもたらされるのです。反面、本来この方がセットしていたようにギターアンプの入力に繫ぐ場合、不要なエフェクツが数珠つなぎになっている状態でもあります。
以前にもギターサウンドについて少しだけアドバイスを行ったことのある生徒さんで、ご自身が分かってないことを吐露されていましたが、実際バンド内でのギターが埋もれがちであるのは、もしかするとマルチエフェクター・アルアルかもしれません。パラメータを見て、適切な設定を一緒に探りたいと思いました。
ベーシストも同じようなことがありました。転換の際に音が出ないとお困りの方が2名いらして、助け船を出そうと近寄ると、お二人共がエフェクターのインとアウトを逆に挿していました。使い慣れていないことが伝わりますが、使用しているZoom B-3はアンプシミュレータが売りで、出音が相当な歪みサウンドでした。エフェクターでハイゲインにしていて、且つアンプヘッドのピークインジケータが点きっぱなし。恐らくこれはご自身の狙い以上のクリッピングですので、音量そのままでゲインとマスターのバランスを(勝手ながら)改善しました。幾分クリアになりましたが、それでもB-3のセッティングは(個人的には)過剰なものだと感じます。いえ、意図的ならば全く問題ありません、ですが…。
夏に神奈川県大会、都大会を見て、ベースが一様にピッチ感を失わせる音色設定で、PAが下手なのかなんなのか訝っておりましたが、それがエフェクツの上手いセッティングが見いだせていないことに起因するのではと思い至りました。
今日の出演者でも、とあるベーシストがエフェクターを見てくださいと言うのでボードを観察するとZoomのマルチ、その後サンズアンプ、さらにもう一台ドライブペダル、先頭にはコルグのピッチブラック(バッファードアウト)といった並び。でマルチはヘビー系のシミュレートで5台のエフェクツ直列オン、後段プリアンプ2台も両者歪み設定。何故このようにドライブペダルを数個重ねて使うのか、全く理解できませんが、それで誰も聞いたことがないような凄いサウンドを作ってみせると息巻いておられました。ちなみに彼の曲では時折スラップを交えるのですが、プルは完全に潰れてしまって、まったくやっていることが聞こえてきません。残念だなぁと思いますが…。
12人のベーシストの中で、ひとりアン直の女子がいて、その方だけディテールまで伝わる鮮度でした。入学して楽器を始めた1年生、ということで自信はないようではあるものの、ライブでは勢いが、その荒々しさも含め音に乗っています。ちゃんと弾いているし、何をやっているか(どの音を鳴らしているのか)普通に聞こえます。エフェクツを1台噛ますだけでも、その設定を誤れば弾いている音楽的内容が伝わりません。その代わり、本人は粗隠しができるのか、アクションや煽りにかまけていることも可能。と、私はちょっと不機嫌にならざるを得ないのです。まぁ、老害と言うなら言わせておきましょう。
帰り際に、その子には良かった、一番良かったと伝えました。そして、エフェクターを「使わなくてはならない」と思ってはいけないよ、と加えます。必要ならば使えばいい。でも本当に一番いい音だったのですから、それを確信もなく汚す必要はありません。というのは願いでもあるのでした。
一昨日の仕事では、ホール側の用意で昭和の名器、Roland Studio Bass 100が置かれていました。製品のデビューは、私が高校生になるかならないかの頃です。しかし2000年代に10年間くらい週1〜2で使っていました。Ken SmithやらF-bassやらMTDを際限なくとっかえひっかえしていたような、私にとってのバブル期です。その頃のリファレンスがまさにこのアンプ。バックロードホーンで量感たっぷりな低音。それでいてパイオニアの技術なのか大口径でも高域に不足のないスピーカーを、今なら400Wクラス以上に思える100Wアンプが、めちゃくちゃクリアーでフラットな再生を果たします。それでいてパワフル、以前からホールで使ってもボリュームは"2"程度までしか上げられません。控えめに言って最高、もしかすると究極かも知れません。
バッファーとボリュームペダルを通したクリーンサウンドの私のベースは、SB100においては、不満無いトーンが苦もなく鳴ります。なんで今、これが作れないのでしょう。不思議なことです。
というわけで歌伴(あるいはジャズ、またはビッグバンド)をやっている私の感覚ではアン直のベース、仮に歪ませたいのならばアンプヘッドで行う、が至高だと感じるし、エフェクツの利用は減算にしかならないと思っています。それでもツアーミュージシャンが、一日20曲超の演目に対し、様々なオリジナルレコーディングを再現すべき時にこそ、頼りがいのあるツールと言えます。スラップ中心であれコンベンショナルなピチカートであれ、自身の選び抜いたベース本体と信頼できるベースアンプさえあれば、基礎となるトーンが創出できて当たり前と思うのですが、どうにも世界はペダル数珠つなぎに分がある時代に入ったようです。それを「佳き」とする耳の持ち主が主流を占めるのでしょう。
ちょっと愚痴っぽくなったのはお許し願います。若い人達がガジェットに凝るのは別に問題ではなくて、使い方本当にわかってる?っていうのが疑念の全てです。ヘッドフォンでモニターして作ったマルチエフェクツのトーンセッティングをアンプに入れても予定した音は出ません。そして使用楽器が何であっても著名アーティストのレコーディングサウンドに変えてしまうプリセットのどれかが自分たちのオリジナル曲にマッチするとも言い難い。それ以前に、なぜコンプレッサーを使うのか、といった概念を知らなくてはなりません。PAでもコンプ、EQ、リバーブは不可避なパラメータであり、それらの使用法も理解すべきです。機会が有れば実践的なエフェクツ操作術を、ギタリスト、ベーシスト、PA班を対象に講座を設けたいものです。音色のレベルアップへ向けて。
10月最終日曜日はハロウィーン直前とあって、本日はホスト校が仮装で迎えました。悪魔やメイドや怪我人や動物(バニー男子)などがステージをこなし、会場にも多くの蜘蛛の巣がはっていました。色々な事を申しましたのは備忘のためであって、厳しく批判するつもりは皆目ありません。1日中が幸せでした。ありがとうございます