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Volvoデザイン
色々なことを決めなければなりません。とても焦らされています。というのも、今住んでいる賃貸の物件は2/20までで更新を迎えます。11月に購入した中古マンションを、さっそくリフォームの手はずを整えてクリスマスイブから施工を始めており、今頃にはフィニッシュして2/17に引っ越しをする計画でいたのです。しかしながらウッドショック以来のパーチクルボード入手難、半導体不足から来る給湯器、洗浄トイレ便座、ほか様々な設備の納期未定状態から、常に足を取られて遅れに遅れてしまいました。
たまらず安全策をとり、賃貸契約の更新を行います。しかしここで腰を据えて、じっくり、という訳には、実はいきませんでした。当然ながら工期を見据えて人工(にんく)は手配済みであり、おおよそそのスケジュールは動かせません。いつどこを弄る、というのが概ね決まっているために、ユニットバスは何、システムキッチンは何、フロアは、壁は、コンセントの位置は、明かりの位置は、と施主である私は質問攻めに遭います。伝えたが最後、翌日にでも、その方針で動き始め、心変わりが許されません。このように責任を背負いながら些細なことまで、しかも不案内で知識の無い分野で、無数とも言える選択を行うのは、ある種、地獄です。
ここのところ、毎日なにかしらの決断を行っている中、直近はLDKについて最終的なイメージを提出しなければならず、採用するキッチンを選びました。実は、まだ詳細な仕様の部分でああでもない、こうでもないと、メーカーアドバイザーとの間でやり取りが続いています。しかし、それは主に技術的な問題の解消が論点であり、美観に関しては揺るぎないところにいます。
私が所有していた先代のマイカーはボルボV40でした。アマゾンブルーという名の薄い青、モメンタムというグレードにしたのは内装が素敵だからでした。City Weaveというコンセプトでデザインされたグレイッシュなベージュをベースに、織物調の黒いチェックとツートーンになっているものでした。自動車の内装で、これほど惚れたものはありません。実際、最初から最後まで、このクルマの居心地は気持ちよいものでした。
私の、LDKに対するモチーフは、まさにそのクルマの描く世界の再現でした。LDKの床は樺材の無垢フローリングで、無塗装に近いワックス仕上げを選びました。若干、木の持つ色合いの多彩さを取りこんだ「キャラクター」というグレードにして、白系一辺倒ではない、濃淡のあるナチュラルの床になります。
キッチンは予算の都合でステンレスのシンク、ワークトップにしましたが、シルバー系は歓迎です。キャビネット色をボルボのアマゾンブルーに近い薄い青を選び、組み合わせる吊り戸棚は床材にできるだけ似たナチュラルの木目にしました。キッチンの周辺には防火・防水のためのパネルを取り付けることになっており、それはプレーンな真っ白にします。色味を足したくないからです。
しかし隣接する冷蔵庫の色がくせ者で、表面はメタリックなブラウン、サイドはそれよりややグレイよりの無地という妙な取り合わせです。これを無化するために、同系色のクロスでその面をアクセントにすることにしました。
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冷蔵庫にマッチするクロスの色は見本帳から選んでおりましたが、ボルボの内装におけるチャコールの部分に着目して、やはりここはボルボが提案する組み合わせに寄せるべく変更するつもりです。とはいえ、それほどかっちり合うものはなかったので未だ思案中。
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というわけでアクセントクロス選びは、メインを決めてからにします。本日のトップ画像で公開したクロスが、シートの色味に一番近かったものです。しかしこちらは石目調。ですからアクセントクロスもその方が良さそうです。私にはインテリアデザインのセオリーはノー・アイディアなのですが、織物調でとか、石目調でとか、で統一した方が良いのではないかと思います。知らんけど。
ですから、メインの壁紙が決まり(それはボルボのシート地に最も近いものにします)、それと同質で濃い色の、ボルボの内装にあるチャコール、あるいは我が家の冷蔵庫に近似のもの、をアクセントにするのがいいと思っています。
それで天井ですが、やはりボルボの天井をクロスの見本に照らし合わせてこれだと見つけたものが一点あり、迷うことは無いと思ったのですが、見本帳にそれがピンク系であると書かれています。
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実を言うと、私は色覚異常で、まるで自分の視覚に自信がありません。私がそれを白だというと、ピンクだと訂正されたりとか、子供の頃で言えば学年毎に違う色に指定された上履きのカラーが区別できませんでした。
といったこともあって、つらつらと書いたことは、まるでもって独善的な判断に基づくものであって、結果、人様から見て素敵〜となるデザインを作り出せるとは思っておらず、ただ単に自分自身の心が平和になる色味なりテクスチャーを追い求めているに過ぎません。というわけで、そうした格闘の途中経過を記してみました。はたして天井はピンクになるでしょうか。
今日の記事において大切なことを忘れないうちに述べます。お気づきの通り、ボルボV40はずっと前に手放しており、実物を自由に眺めることはできません。そこでボルボ正規ディーラーへ伺い、対応してくださった営業の方に事情を全て正直にお話しして、販売用に展示されている中古車を見させて頂きました。あいにくの雨空の下、自然光とは言え、色彩を正確に捉えられなかったかも知れませんが、この一手間が実現したことで、クロス選びに後悔がなくなりました。貴重な機会を頂けたことを心より感謝いたします。
このお店にはビンテージのボルボ・アマゾンが展示されており、レストア済み475万円とのことでした。そちらの商談をしても良かったですね。でももう自由になるお金がありません。招かざる客となってしまい申し訳ありませんでした。
あ、そうそうシート地に、あのチェック柄があってこそのCity Weaverですが、それはカーテンで表現しようと思っています。でもそれはまだ先の話。