今日の夜ドラ

『おちょやん』で杉咲花さんの子供時代と、後年に姪役で出ていた毎田暖乃さんが、夜ドラ『あなたのブツが、ここに』へ出演ということで観ています。さきほどは2021年5月を描いていたため、朝ドラの場面が劇内のテレビに映されており、水野春子を演じる毎田さんの声が聞けました。TBSで石田ゆり子さん主演の作品がありましたが、そちらは1、2話で離脱しました。

あなたのブツ〜は、ドラマの制作意図について、なかなか共感できないでいました。2020年以来の生活の激変を背景に、その影響を濃く受けた主人公の内的な成長を見せようとするのですが、我々はまだその渦中にあって、もがいたまま総括することができずにいます。水商売のシングルマザーが、客の紹介で職を得て、実母を頼りながら生き延びていく姿は、その人物なりに頑張っていることが理解できますが、もっと苦しい立場にいる側からは何を贅沢な、と反発心さえ抱きかねません。もちろんその軋轢が、物語の中でそのまま描かれているのが救いとなってはいます。じゃぁ、おまえだけじゃない、俺も苦しい、みたいな主張がそここで示されたとて、観る側が得るものはありません。そんな中、繰り返し出される緊急事態宣言を、やや愚かしいものとして描いているように見えなくもない、というのは美点かなと捉えています。話数を経て、自殺者があって、それでも世の中何も変わらなくて、そうしたシニカルで冷たい視線が、徐々に私には心地よくなってきました。そうだ、それが現実だ、と。

単純に、主演の二村紗和さんを初めて見たと思いきや、その『おちょやん』でお茶子をやっていたとか、他にも2度ほどは見ているはずだとか、調べると出てくるので、新鮮に驚いています。これまでは印象に残らなかったけれど、視聴者に愛されにくいキャラクター像を、リアルによく演じています。

ついでに言えば、劇伴は良いと思います。『ちむどんどん』は何がだめ、って音楽ですから。その点、安心して観ていられます。あっちは今朝も最低でした（毎日見ているわけではない）。