00なんとか
本日公開初日となる007シリーズ最新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ(No Time to Die)』を観ました。封切り日なんて初めてですよ。楽しみにしていました。
初めてと言えば、IMAXレーザーという劇場で観ました。対応作品の場合、通常より画角が広いらしいです。その上を行く4DXScreenというのもありましたが、そっちだとシートも振動するみたいで、やっぱりそれも体験したいのでまた行くかもです。ノーマルなスクリーンでは、トリミングされているのと同じなので、せっかく劇場に行くなら、そこでしか味わえないもので、作った方々の意図を知る方がお得です。
前作は2015年だそうで、私にとって、気になる女性とのデートは、一緒にそれを観たのが最後となっています、今の所。あっという間に年月は過ぎます。でもまた新作が観られて嬉しいです。ですから今日も、生きていて良かったと思いました。
たびたび、色々なところで一番好きなのは『女王陛下の007(On Her Majesty’s Secret Service)』と言っていますが、ジョージ・レイゼンビー唯一のボンド映画です。ですから他と較べて独特なカラーに彩られることはもちろん、結婚した(する)ボンド、という設定が話題を呼びました。
本作(ノータイム〜)は細菌兵器を巡る闘いということで、女王陛下〜と似たようなストーリーです。しかし先入観無しに見始めた私が、ピンときたのは、この映画が緊張とスリルの場面から始まってそれが落ち着き、初めてロマンティックなムードに包まれるとき、バックグラウンドにオン・ハー・マジェスティズ〜の劇伴が流れた時です。あ、オマージュ!と気付きました。
そしてね。挿入歌もルイ・アームストロングの”We Have All The Time in The World” が流れます。涙ものです。もちろん、例の劇伴は終盤にも流れます。
前作『スペクター』もとんでもなく力が入っていて、私は圧倒された挙げ句、5〜60万する記念ウォッチ買いそうになってしまいました。でもはっきりと凌駕しています。ご覧になればわかりますが、非常に特別な内容になっています。
007シリーズは、ほぼ私の生誕から今に至るまでの間に連綿と制作が続けられた、人生に活力をくれる、ある種のパートナーです。父がロンドンに単身赴任していたとき、The Beatlesがデビューし、"Dr. No"がスクリーンに掛かりました。それらが巷を席巻するのを目の当たりにして、物心着く前も、後も、よくその騒動を話して聞かされました。
20世紀の間にやり尽くしてしまった感があり、ムーアの後期はユーモアが売りになり、ダルトン時代には感銘を受けることもなくなりました。でもクレイグになってシリアス路線を追求し、それまでのエピソードと関係を図りながら重みと深さを纏い始めて、再び特別な存在へと変貌します。これまで新作の度に、過去作を全て見返すということをルーティンにしてきました。
あまりこれ以上、本作について語りたくないのですが、今回相手役のメインを務めるのは前作から引き続き、レア・セドゥ(マドレーヌ・スワン役)。今にして思えばハー・マジェスティズ〜のダイアナ・リグにも似たところがあり、連続する大きなストーリーの流れの中で存在感を強めているのが、最も嬉しい点でした。
追記:というわけでこれからご覧になる方、『女王陛下の007』と『スペクター』をチェックしてからの方が、より楽しめますので、どうぞ。