ファミリアとかルーチェとか
タイトルの画像は今のベランダの様子です。このようにストックしていた17インチのホイールを取り付け、戻した16インチを元通り積んでいます。内側では個々に包装をしてあります。夏タイヤ・冬タイヤを使い分けていた時代には、ディーラーなり、タイヤショップなりの預かりシステムを利用し、年間2万円ほどの賃料を支払っており、今はそれを倹約すべくこのように保管することにしました。17インチに靴を履き替えて100kmも走っておりませんが、乗り味の違いはよくわかります。問題は雨天の高速走行で安心が得られるかで、その機会はまだありません。
さて、マツダ車、特にmazda3への関心が乗り換えへの意欲を促進させたことを、一昨日だったかな?書きました。もう何日前か思い出せない…。
私が大学生になった頃、若者、特に男子は即運転免許を取得し、あわよくばマイカーを手に入れるべく、ある者はアルバイトに精を出し、ある者は親のすねをかじるというのが、その典型でした。女子をデートに誘うには手に入れたクルマを見せびらかしてドライブに連れて行くのが最も一般的な手段で、我々の世代より一回り上の人達から、連綿と行われてきたことです。ただし昔はお金持ちの御曹司のみがやれて、私たちの頃は、一意専心すれば誰もが可能になったように変わりました。
そんな時代に定番だった車種は、マツダ・ファミリアでした。VW Golfをコピーし日本流にアレンジしたような雰囲気で、走り屋然としていないところがお洒落とされたのでしょう。女子大生ブームというのもありました。バブル前夜です。品のいい女の子に受けが良かったのです。
私の妹が、遠距離通学のためにマイカーを必要とし、お年玉を貯めた貯金に親が手助けをして1.6Lのマツダ・ファミリアを買いました。母親が仕事のためにクルマを必要とし、業務用兼一家に一台のマイカーとして、それまで日産・スカイラインがありました。2L直6ターボ。私が免許を取ったとき、運転することができたのはこの2台と、ガールフレンドが所有する初代ホンダ・アコードでした。私自身が買えるのは、数年後に社会人となってからで、それも中古で7万円のスズキ・アルト(2ストローク)でした。
妹のファミリアは良いクルマでした。車種選びには私の意見も汲んでもらい、家のものも、その後マツダ・ルーチェへと替わります。これはV6ターボでした。自分ではスズキ・アルトの後、ホンダ・シティ、そしてホンダ・ビートと乗り継いでいくのですが、周辺に勧めるのはマツダ車。それくらいに好きな自動車メーカーでした。ルマンでの活躍に影響されたかもしれません。そこにあったのはリスペクトです。
余談ですが、あのファミリアを結婚後もずっと乗っていた妹は、当初から好きだと言っていたVW Golfに乗り換え、その次はGolf Wagonに引き継がれて今に至ります。1台当たり12年ずつくらい乗っているような感じです。でも積算計の走行距離は私よりずっと少ないです。
マツダ・ファミリアはその名を捨て、アクセラと改名します。しかし海外ではずっと3が車名でした。2019年に、ついに統一されて日本国内もmazda3となります。私にとって3を考慮する背景には、懐かしいファミリアの存在を抜きにして語れません。自分で所有したことはないけれど、最終的にマツダ車に落ち着くのだろうという漠然とした親近感を持ち続けていました。
母はルーチェから、同じマツダディーラーが正規に扱うCitroën Xantiaに乗り換え、私はビートの後、2台のRenault Twingoを乗り継ぎましたが、没後にフランス車2台を整理してAudi A3 quattroに乗り換えました。私自身はそこまでずっとMT車のみを所有してきました。20年以上になると思います。次からがAT車で、Renault Raguna Wagon、VW The beetle、Volvo V40と続き、現BMW miniとなります。数えると自己所有はこれで10台目です。単純平均で4年乗っていないことになる…。それ以上の期間を3台でまかなうことのできた妹とは対極にあります。
最初に行動を起こしたのは、日記に記していませんが、記憶によれば昨年、8月1日(土)だったと思います。マツダのwebサイトから試乗車の検索ができます。日本全国のディーラーから乗りたい車種の乗りたいグレードがあるかどうかを確認し、見つかればアポイントが取れるようになっています。
私はまずMazda3とCX30の、いずれも出たばかりの新型車で、ディーゼル&4WDの組み合わせを置いている最寄りのディーラーを探しました。すると近隣に3がディーゼルでCX30が新エンジンSkyactive X搭載で、いずれもATで持っている店があり、その日に訪れます。緊急事態宣言下で、まだまだその後よりもずっと人の往来が少ない時期です。
Volvo V40の2LTD/FFに比較して、Mazda 3の1.8LTD/4WDは常用域で力強さがそんなになかったことに少々がっかりしました。これはファストバックと言われるハッチバック車の方です。確かセダンにもFFのディーゼルだったかがあって、そちらも乗らせていただき、予定通りCX30にも乗りました。
Mazda 2にはたぶん乗らなかったと思います。いずれにしてもこれら3車の中から、ターゲットのドライブトレインでは手を打てませんでした。自動車の完成度は、ものすごく高くて、マツダ流のドライビングポジションのあり方など、たいへん結構でした。オーディオを、フロントスピーカーのみを鳴らしてEQをフラットにし、FMを聴くというセッティングを望むと、試乗のたびに、その車種をあらかじめそのように準備してくださいました。
土曜日の午後、もうひとつ我が儘を言って、ロードスターが目に付いたので、最後に試乗を願い出ます。ルーフがメタル製のRFという車種で2LエンジンのMTでした。MTの運転は12年ぶりくらいかもしれません。屋根を開けさせてもらいました。この日に接客してくださったのは、女性の営業で、ホンダ・ビートに乗っていた時以来の、オープンカー・デートのようなシチュエーションが図らずも与えられ、胸躍ります。
そして、MTが性に合っていました。The BeetleはDCTでしたが、それ以外はトルコンATでした。マニュアルモードと言って、ドライバーがギアを選べる状態にもできましたが、やみくもに引っ張る気にもならないし、クルーズコントロールの恩恵を受けて、楽ちんを極めるほかに楽しみは見つかりません。乗り物とは移動するものですから、それは積極的な操作の上に成り立つものと考えます。高度な自動運転技術がまだ開発途上にあるなら、私は逆にプリミティブな操作を強いられる方が、むしろ安全と感じます。
ロードスターを検討しはじめます。その時、あらゆる演奏の仕事が全てキャンセルされて、楽器運搬の用は皆無でした。ただそれにしてもキャビンが狭すぎはしないか。ロードスターを買うべきか否かの問答が、それから始まることになります。