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妄想覚え書き、の12 final

個人事業主・中小企業向けの一時支援資金申請期限が5月末と迫っており、私もその検討を行いました。またここでの申請が通れば4月5月にも月例支援資金の給付が受けられる可能性があり、個人で総額50万円、緊急事態宣言に伴う政府の補償が受けられるとあって、仕事が減っている実感から大変有難い制度と感じていました。ところが給付資格が50%減でなければならず、どのように組み合わせてもそこまでの減収を証明できず、申請資格を満たしません。この「妄想覚え書き」シリーズは、不謹慎と思われるかも知れませんが、給付の可能性を知ったのが発端で始まり、あながち「夢」では終わらない勢いでしたが、以上の現実を踏まえて直ちにお題の通り架空の計画に終わります。基本姿勢として、給付金はいただいたら使います。普段倹約に努めていますから、欲しいものを買うのに使うのが正しいと信じます。

メーカーサイトでオーダーの見積もりが手軽にできるサービスを時折見かけます。途中で一回言ったか言わなかったか、読み返していないので定かではありませんが、Kieselもその一つです。Carvinと言った方が通りが良いでしょうか。昔からオーダーメイドを効率よく安くやってくれ、その割に品質が悪くない、米国人にとってはお馴染みの直販専門メーカーです。

Kieselの多弦はナローネックで、確か6弦は16mmだったような気がします。一回どこかでCarvin時代のモデルを試奏したことがあって、たぶん今弾いてもネック幅、弦間設定等、ゾーンに入っているかと思います。何年か前にも購入を検討したことがあり散々コンフィギュレイターは遊んだので、その時の記憶で書いてみます。

最近ここはヘッドレス(とマルチスケール)に力を入れています。ヘッドレスベースはチューニングキーがボディエンドにありますので、弾きながらのチューニング微調整が容易く出来ます。仕事上の責任感からロングトーンを出している間に自分のピッチが基準通りかどうかを神経質と言ってもいいくらい気にします。その時にライトハンド・チューニング・システムが非常に有りがたく思え、Hipshotがそのアイテムを生産し始めたときに飛びついて、色々とやってみました。楽器のオーダーも実際に行い、数本の楽器を試して、その利点については確信を得ました。

マルシュチックにもヘッドレスは用意され、キーゼルにも該当するボディシェイプがいくつか見られますが、では今そうするだろうか、と問われると、正直何故なのかわかりません、現場を長く離れてしまったためでしょうか、コンベンショナルなヘッドストックにチューニングキーを装備する方を選びたくなっています。こういう心情の変化がままあるのですが、理由を突き止められません。もちろんコンフィギュレイターは遊びですので、どちらでも良いですから、この保守的な方でやってみます。

となると、6弦ベースはキーゼルの場合、ヴァンキッシュというボルトオンかアイコンというネックスルーかの二択になります。ボルトオンを選びたいところですが、ヴァンキッシュのモデル数が整理されたのかシグネチャーモデルしか選べなくなっています。これだとどうも気が進みませんのでアイコンを選択するしかなさそうです。

そちらで進めていきますが、前提として、KieselはPUを初めとするエレクトロニクス/ハードウェア等、純正品しか選べません。それは決して悪いことではないし、Carvin〜Kieselのコストパフォーマンスに優れる理由がそこにあります。結果、

以下に選択した仕様を列記します。数字は$です。
・アルダー・ボディ、4Aフレイムメイプル、コントラストベニア(+300)
・オイルフィニッシュにします
・メイプルネックにパープルハートを加えた5ピースネックで+200。マチヘ、エボニー指板、パールのドットインレイなどがスタンダード。フレットが選択できますが、一番サイズの小さい「ミディアム・ジャンボ」がスタンダードなのでこれで行きます。ステンレスです。
・PUはハムバッカーがスタンダードで、シングルコイルを選ぶことで+10。PJも可能ですがJJで行きます。
・クローム・ハードウェアに決め、ロゴの色等を指定し、細かいオプションの項目ではウッドノブ(+10)を希望して終了です。

$2479ですので、細かい話は抜きにしてレート換算27万円ぴったりといったところです。米国からの送料が、コロナ禍であり得ないほど高騰していますので仮に5万円として32万円ほどが見積もりです。いかがでしょうか

Kiesel(Carvin)へネガティブなイメージはありませんので、全然オーケーです。マルシュチック/ベイジンガーと価格的には釣り合いが取れていますが、どうでしょう、コストパフォーマンス的にはドイツに軍配が上がるように感じます。まったく個人的な嗜好によるものですが、ラッカーフィニッシュを選べるのが魅力です。トップコートだけかもしれませんけど…。

ラッカーと言えばカナダのF-bassです。コンフィギュレータで遊ぶのならF-bassも外せません。最近リニューアルして使いやすくなりました。以前のシステムでは実勢価格と乖離して、サイトの古さが露呈していましたが、恐らく今は是正されていると思われます。ちなみにこちらもやってみましょう。

SHOPメニューからBass Builderに入っていきます。VFを選びます。素の4弦ノーオプションが3700USDスタートです。F-bassの場合、通販前提ではなく、各国のディーラーを通じて購入する流れになりますので、ここで表示される「定価」はレート換算しても意味がありません。後でその辺りも計算してみましょう。

・VF6、右用、フレッテッドです(+600)
・16mmを選びます(+900)F-bassのブリッジ選択は19mmまでの1mm刻みとなります。アップチャージが大きいのは、ネックサイズ、ネックポケットがそれぞれ専用設計になるほか、搭載するPUもマッチングさせるためです。ブリッジの交換だけでは済まない、それぞれが妥協なく再設定される安心の仕様です。ボディ材はアッシュ/アルダーがノーチャージ。アルダーにします。バインディング、フィンガーランプ他、オプション無しで、ピックガードはパーチメントが好きなのでこれ。
・トップ材は無し。カーブドトップなので最低でも+1500ですが不要です。
・Fはオールラッカーの美しいペインティングが世界トップレベルです。グロス/マットは無料で選択できますのでグロスにします。マットは楽器に限らずクルマ等でも最近の流行ですよね。赤・青・緑のシースルーカラーと2種のバースト以外、ナチュラルも含めトランスルーセント系で+300がかかります。アルダーなのでスタンダードカラーならサンバーストにしたいところですがパーチメントのピックガードを選んでいるのでソリッドカラー(つぶし)を選んで+500となります。とりあえずキャンディアップルレッドにしてみました。
・ネックは1ピースのメイプル、VFは板目です。これがF推しポイントその2です。指板にマカッサル・エボニー(+350)を選択、価格を抑えるためにクレイドットにします。スケールを32.5インチにできるオプションもありますがスルー。
・ここまでで$6050でしたが、パッシブを選ぶことで-200できます。なので総額$5850で上がりです。単純換算で637000円といったところ。高額ですね…。

さて、実売価格を調査したいと思います。イケベ楽器店ベースコレクションに2本のVFが在庫されています。入荷から少々時間が経っており値下げされているように見え、同時にF-bassの仕切りは(想像ですが)取引時の為替が反映されていると思われますので、これからオーダーしたときの価格につきましては、はっきり言って参考になりません。それでもこうした皮算用も趣味のうちですのでやってみます。

VF560J-MB、黒のソリッドでボディがアッシュ・アルダーのハイブリッドです。ログインした状態で商品ページを見ると、購入で取得できるポイントが表示されます。これはシステムが新しくなって過去の取引実績によって個人差が出るようです。あくまで私のページで見ていきます。税込価格からポイント数を減じて、実売価格と想定します。すると本日、452760円の数字が得られます。新品がこの値段なのは破格ですね。試奏させていただいたこともあります。音が良く、19mmワイドであることを除けば非常に欲しい1本ですが、もう5弦は要りません。でも給付金がこれから100万円とかもらえるなら私が買わせていただきます(もらえません)。

Bass Builderをリセットして、VFの5弦からやり直します。仕様を入力して行きます。ソリッドカラーは+500と思いましたが黒に限り+300とお安くなっております。またパーフェロー指板が選択肢にありませんがマカッサル・エボニーにしておきます。インディアン・ローズがそれよりも高額なのは、CITESの発動と関連があるかもしれません(現在は楽器としては輸入可能です)。あるいは数年前にオールド・グロウスの素晴らしいインディアン・ローズを手に入れたとジョージ(・ファーラネット)が言っていたのでその希少性からかも知れません。ですからここはエボニーに準じて安い方の価格を充てます。そして得られた結果は、$4850。円ドルレート100円切りです。イケベ楽器さん素晴らしすぎます。お買い得。ポイント分減算してますから支払いは50万円超ですけどね。

もう1本行きます。アッシュ/メイプルのVF570J-TFG。そうそう先ほどの6弦では触れませんでしたけれどVFはAguilarのフェンダー型ハムキャンセルのPUを標準仕様としています。16mm弦間を選んだ場合どうなるんでしょうね? 以前の取引ではDuncanにカスタム・オーダーしていたようなこともあった気がしますが、現在はどうでしょう。いずれにしても5弦、19mmはアギュラーです。ここだけの話、好きではないです。以前自分のVFはダンカンに換えました。それはさておき

そうそう、あとPUの位置ですね。以前のベース・ビルダーではブリッジPUを60年代にするか70年代にするか選択のコーナーがありました。今は無いのですが別途希望を伝える感じでしょうか。型番の560と570に反映されているように先のモデルは60年代位置、このモデルは70年代位置となっています。

価格は売価で588500円。私に付くポイントを予め減算してしまえば実質524300円で取得できる1本です。本国が設定する定価は$4900。1ドル107円ですね。現在108.91円でしたので下回っています。レートに一致するだけでも中間マージンはミニマムか赤字でしょう。それを下回るとは本物の出血バーゲンです。

この2本がそのような値付けになっておりますので、基準にするのもどうかと思います。参考までにもう1本、赤いBN5がありましたので、それも見てみましょうか。BN5-RFが先と同様の手順で実質519400円。同じ仕様のオーダーだと$4350になりましたので1ドル119.4円。安心しました。これが一般に言う、良心的な価格と思います。普通はもう少し上かと思います。ポイントを勘案しないで134円。たぶんこれが正当でしょう。

私の考えたVFのナローネック6弦。134円を乗算すると783,900円となります。新規取得ではだいたいこんな感じでしょう。7〜80万円。これが米国のハイエンド楽器に仕様をリクエストした場合の、およその目安になろうかと思います。

今回受給が適わなかった総額50万円の給付金が仮に来ても、手元資金30万円を用意しなければならないとしたら、給付が得られずとも30万円未満の楽器ならオーダー可能では無いかと指摘する向きがあるかと思います。それはマルシュチックが叶えてくれます。しかしここは目を覚ます時間がやってきたことを認識して、しばらく続いたこの遊びからは離れることにします。とりあえず給付金が出る方はVF買いに走ってください。大変お安いと思います。

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