妄想覚え書き
たぶん4年くらいになるかと思います。自分が弾きこなすことの出来る6弦のベースを求めて。
弦の多いメリットは音域の拡大ですが、正確に言えば「ポジションあたりの」音域の拡大です。BEADGCであれば、下方へは5弦ベースと同じですし、6弦C線の24フレットを最高音とするならば5弦G線が29フレット有れば同じになります。個人的には上はBbまででいいから27フレット、いやAまでの26フレットでもいいかも、と思います。
ポジション内の音数、音域を増やせば、フレージングに伴うポジション移動の機会を減らすことが出来るとともに、旋律の音程構造を掴みやすくなります。これは奏法と関連することなので普遍的な考えではありませんが、私自身は1指1フレットが根本の原則ですので、上のことが言えます。それが、これからは、5弦でなくて6弦ベースを自身の楽器にしたいと思うきっかけとなりました。
普段の仕事ではソロが回ってくることもないですし、使い勝手の良さがパーフェクトな5弦を使うことが安心・安全ですので、それはそれでいいとして、否、パーフェクトだと認めうる6弦ベースが手に入れば全てをその1本でまかないたい気持ちが強いながら、まだそこに至らない現状が、暇にしてると頭の中で妄想が止まりません。
脱線するけど、4弦は、自分にとっては趣味の世界で、あえて言うならば実用性で5弦に劣るのだけど、弾けば楽しい、そして古典的な名機が存在しているという何物にも代えがたい魅力があって、まだアレが欲しい、コレが欲しい、となります。ただそこはぐっと堪えるのが肝心と言い聞かせているわけで、やっぱり6弦をなんとかしないと心の落ちつか無さは拭えません。
とにかく、毎日弾いているのはK.Nyuiブランドの、形はMoon MBC-6フレットレス、というのが主で、ライブ用にフレット付きが欲しくて、ある時点での市場に存在するものの中から、これと思って選んだのがMayones Caledonius6なのですが、両者それぞれに不満点が明確で、それらを解消した別のものへの移行欲求が、弾けば弾くほど募るという困った状態です。練習ができているので文句言っちゃいけないのですけど。
要件のうち、はっきりしているのはネックの幅が狭いことです。Mayonesのブリッジでの弦間18mmに合わせたネックは、言ったらナロー寄りではありますが、許容範囲ギリギリか、微妙にアウトゾーンです。K.Nyuiの弦間16mmに合わせたネックならOK。弦間17mm設定の楽器をAdamovicで試奏したことがあり、その時は16mm未経験でしたが、弾き易かったのでOKゾーンかもしれません。Foderaの17.5mmはネックの幅は広めに感じました。今ここではブリッジの弦間で述べておりますが、ネックの幅に関する好みとして、一応領域ははっきりしています。
開放弦の1オクターブ上にあたる12フレットに左手人差し指を置くポジションにて、ローB弦のBからハイC弦のEbまで、ちゃんとアクセス可能であることが条件です。一般的には、その瞬間にアクロバティックな格好をすれば指は届くのですが、それでは駄目で小指まで平然と扱えないと嫌です。ハイポジションでのローB弦を普通に弾ける、まるでエレキギターのように、というのがテーマです。Caledoniusは独特なボディデザインと28フレット仕様のロングネックのおかげで、ネック幅は狭くありませんが、ある程度それが可能なので合格としました。もちろんK.Nyuiはネックの幅が狭いおかげで及第点です。
音の方で重要なのは材選定とともに、PUの取り付け位置であり、私が思う、最も汎用性の高いポイントは、ナットから707mm、808mmの2箇所に取り付ける、70sのJazz Bassに近い位置と思います。1PUの音も好きですが、だとしたら37フレットのところだったかな、こちらはうろ覚えです。シングルコイルタイプでナロー・アパチュアがいいです。弦振動を拾うエリアがピンポイントになった方がダイナミクスが、より表現されるように感じます。
というような条件で作ってくれるところないかなと、まぁ常々アンテナを張り、探しているわけですが、金に糸目を付けないとはいかないので、なかなか難しいです。パンと200万くらい用意してFoderaに頼んじゃえば一発回答な気もするけれど、楽器は40万まで、とか言ってますから、頑張ってもその2本分くらいまででしょうか。話は尽きませんが一旦おしまいにします。続きはまた明日にでも…。