インドへの旅
春頃、県外の全寮制高校に入学したばかりのう様にこの本を送った。西日本の自然豊かな離島に新設校として出来立ての学校。その島は私の住む町と同じ面積だが、人口は半分以下。コンビニもなければプリクラもスタバも勿論ない。最寄りのスーパーまでは自転車で30分。しかも小さな島なのでその道は起伏が激しく、学校敷地から出たがらない子もおおいそうだ。彼女にとって少し前まで思い描いていた楽しい高校生ライフとはきっとかけ離れたものになった。だけど、だからこそ得られるものがあると信じて自分で選んで入学したのだが、やっぱり不便だしやることがないと感じるみたい。
この本はすぐに読み終え、刺激を受けたらしい。それからインドという国に興味を持ち、夏休みにはインドの宗教と政治をテーマにレポートを書いた。その時にたまたま私の職場に出張中だったインドのある大学の教授に話を聞きたいというので会っていただいた。教授は娘に「インドにおいで。」と言ってくださった。最初は社交辞令だと思っていたのだが、何度もその話をしてくださった。
そして彼がインドに帰国した後も娘はコンタクトをとり、彼の所属大学のリベラルアーツ学科の先生を紹介していただき、インターンとして受け入れていただくことを約束してもらった。それが確定したのが1ヶ月前。それから親が関わりいざ色々な手続きに入ったのだが、出たよ、インドの適当さ。まず、彼女のようなステータスでどういったビザでいけるのかがはっきりしない。どうやら単なる観光ビザではダメらしい。大使館も領事館も何度電話しても出ない。勿論メールも返信なし。エージェントに問い合わせても、インドビザは大変だとしか言われない。なぜなら担当者によって求めることも違うから、と。そして彼らとコンタクトをとるには足を運ぶしかなしのだと。
しかし、このチャンス逃してなるものかと本人も含め書類をかき集めたが、何よりも大切なインターンの招待状が現時点でも尚、現地にある。インドビザのオフィスは原本主義でPDFや複写では対応してくれないというのに。他の書類は全て揃えたのに。後出しで学生ビザでないと受け入れないとアナウンスだけしてきて、それに必要な書類を急いでくれというメールは「あらら」「ほよよ」とたらい回し。と、いうことで泣く泣くインド留学を諦めることを決めたのがつい数日前。
娘は1月からとても大変と言われている高度な教育課程に突入するので、2年間は恐らく海外研修など難しいと思われる。それゆえにこちらの都合としてはぜひ12月に詰め込みたかったがインドはそこまで甘くなかった。これも経験。私も十代の時にインドに行ってぶっ壊された経験があったのに忘れていた。というわけでインドめ、改めてちゃんとぶっ壊されに行くから覚えておれ!