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マグロを食べ続けるために、税理士を目指した男の話。 【お金の授業#17】

今回は、いつもお金の授業をしてくれる友達の税理士さんが、『そもそも、なぜ税理士になったのか?』を聞いてみました。

知りたくなった理由は2点あります。
1点目は、自分が今まで生きて来た中で『税理士を目指そう!』と思った事が無かったため、どんな動機で税理士になったのか知りたくなりました。

2点目は、友達の税理士さんにずっとお金の授業、最近は特に税金の授業をしてもらって、段々『税理士』という職業に興味を抱くようになった為です。

人生にお金は大切です。
お金が全てでは無い事は断言できますが、お金が豊かさを育む事も事実だと実感しています。

そんなお金を司どる仕事で商いをしている税理士さんって『改めて格好いい職業だな!』と感じたので、今回友達の税理士さんに、税理士を目指そうとした経緯、なるまでの苦労、実際になってっから感じてる事を本音で聞かせて頂きました。


1:税理士になる事を決めたのはマグロ?

私は友達の税理士さんに『何で、税理士になろうと思ったの?』と初球から直球で聞いてみた。

友達の税理士さんは、『好きなだけマグロを食べたかったからだよ!』と答えた。

私が『マグロ?』と聞き直すと、友達の税理士さんはマグロの話を”解体”してくれた。

実は、友達の税理士さんの家は、父親も母親も税理士で、それなりにお金がある家だったそうだ。
友達の税理士さんは、小さな頃からお寿司が大好きで、特にマグロが大好きだった為、毎日のようにマグロを食べて育ってきたそうだ。

そんな友達の税理士さんが小学生の頃のある日、父親から毎日マグロを食べる生活をするには将来『お金』が必要であるという教育を受けたのだと言う。

つまり、税理士である父親から、小学生の頃からお金の教育が始まり『お金は価値との交換』、だから『価値が高いものが欲しい場合、お金が必要』という教育を受けたと話してくれた。

そして、税理士である父親からの『何をしても良いけど、税理士になれば『お金』には困らない。』という助言を受けて、好きなだけマグロを食べ続けたいと願った友達の税理士さんは、小学生の高学年の時にはすでに『将来、税理士になってお金に困らない生活をする。』と心に決めたそうだ。


2:税理士になる事だけを考えた学生時代。

小学生の頃に『マグロを好きなだけ食べるために税理士になる!』と決心した友達の税理士さんは、将来に向けてどうやったら最短で税理士になれるかだけを考えて生きて来たそうだ。

中学、高校と進み、大学では税理士試験の受験に必要な『経済学部』を選び、大学在学中は税理士試験対策の専門学校にも通い毎日コツコツと勉強を重ねたそうだ。

税理士試験は、受験勉強がトラウマになるレベルで難しいと言う。
事実、友達の税理士さんも、そのお父さんも今だに税理士試験に落ちた夢を見るほど、過酷な試験勉強の道があると話してくれた。

表現するなら『同じ日本語とは思えないレベルで難しい』と話してくれ、今の試験はより実践的で応用的な考えが問われる試験問題も増えて来ているが、昔は丸暗記の出題も多く、ただでさえ難しい言葉を全部暗記は気が狂うレベルにしんどかったそうだ。

実際、税理士の試験は年に1回で、1科目の平均合格率は毎年15%前後で100人のうち15人受かるレベルに狭き門なのだそう。
最終的に5科目の合格を取らなければいけないので、途方に暮れる事も多々あったと話してくれた。


3:良い税理士になるために『塾の講師』に。

大学時代は、飲食店などのバイトはせず、税理士に直結するバイトを選んだそうで、具体的には『塾の講師』だと話してくれた。

私は『塾の講師』と聞いて、最初『ん?会計事務所でバイトとかじゃなくて?』と思ったが、後の説明で友達の税理士さんには先見の目があった事がよく理解できた。

友達の税理士さんいわく、税理士に一番必要な能力は『コンサルティング能力』だと言う。
つまり、相手の課題を聞いて、問題解決案を的確に提案する能力が必要で、その際に『わかりずらい内容を、わかりやすく説明出来る能力』が最も必要になると話してくれた。

実際『塾の講師』をした経験が今の税理士業にも多く役に立ってくれているそうだ。
友達の税理士さんいわく、『基本、子供は何を言いたいのか、わかりづらい。』さらに言うと『自分が何がわかっていないか、わかっていない。』

その点で言うと、税理士さんが普段相手にする企業の社長も、大きくいうとお金の塾に来ている生徒のようなもので、『税金の事で、自分が何がわかっていないか、わかっていない。』ケースが多いにあると言う。

なので、『分かりずらい内容を、わかりやすく説明する能力』を磨く為に『塾の講師』のバイトをしたというのは税理士業に大変役に立っていると話してくれた。


4:『塾の講師』というバイトは自分磨きに最適。

また、塾の講師をしたお陰で限られた時間の中で『的確に伝える能力』も身についたと話してくれた。

塾の授業時間という、限られた時間の中で、生徒達にちゃんと理解してもらう必要があるので『質問を理解し、短く的確に伝える能力』が塾の講師のお陰でついたのだそうだ。

また、塾の講師をするとスケジュール管理も大事になってくる。
授業で使う問題用紙も講師が用意しなければいけなく、お陰で『逆算してスケジュールを組んでいく能力』も身についたのだと言う。

こうして塾の講師の経験は、時間制限がある中で、ちゃんと理解してもらう為の能力が身についただけで無く、スケジュール管理など、『社会人として総合的に必要な能力も身につける事が出来た』と話してくれ、税理士を目指す人や、コンサル業に従事したい人は塾の講師というバイトは大変オススメであると話してくれた。


5:数学が苦手でも『税理士』に慣れる理由

最後に、税理士というお金、数字を扱う仕事では、数学も強くなければいけないのでは無いのか?と疑問に思い、友達の税理士さんに聞いてみた。

結論から言うと、『数学が苦手でも大丈夫』との事だった。

理由は、電卓、PC、会計特化ソフトやアプリが通常である現代では、基本的に計算はコンピューターがしてくれると話してくれた。
電卓などが無い時代は、そろばんで計算をしなければいけなかったので計算が強くなければいけなかったかもしれないが、今は便利な会計ソフトやアプリなど沢山出ているので、数学的知識の必要性は感じないそうだ。


6:改めて税理士に必要な要素とは?

では、『改めて税理士に必要な要素は?』と友達の税理士さんに問うと、『困った人、迷った人を正しく導く仕事かな。』と答えてくれた。

前途で述べたように、税金の税法というのは、同じ日本語なのか?と疑いたくなるくらい、非常にわかりづらく作られている。

それ故に、間違った解釈や、間違った認識により、正しく納税申告が出来なかったりするのを、相談者に寄り添って正しく導くのが税理士の仕事であると話してくれた。

私は、友達の税理士さんの一連のお話を聞いて『税理士の仕事って何だか格好いいな!』と思うようになり、憧れを抱くようになった。

ただ、憧れを抱きながらも税理士業界の現状も知りたくなり、次回は、税理士業はAIで本当に駆逐される職業なのか?、税理士業界の現状、税理士として働くメリットとデメリットなどの『税理士業界の現在地』を教えてもらう事にした。

次回の『お金の授業』

次回:税理士業はAIで本当に駆逐される職業なのか?

この連載について

この連載は、学校では教えてくれない『お金の知識と知恵』を『基礎からわかりやすく』学ぶ事を目的とした連載です。

筆者が実際に友人の税理士さんに『お金の授業』をして頂いた内容を公開メモとしてnoteに記録しています。

なお、下記のバナーから、『お金の授業』をマガジンとしてまとめて読む事が出来ます。

【友達の税理士さん】萩原寛太郎税理士事務所の萩原寛太郎氏

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