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アチャールとピックルの違いと共通点
こんにちは、アートオブピックルのNeko-chanです。インドの食文化に欠かせない「アチャール」と「ピックル」。初めてインド料理に触れる方も、アチャールやピックルは実はどこかで見かけたことがあるかもしれません。これらは保存食として、また料理の付け合わせとして重宝されていますが、地域や文化によって特徴が異なります。本記事では、北インド~ネパールの「アチャール」と南インドの「ピックル」の違いと共通点を探り、その魅力に迫ります。(なるべくシンプルにするためにとってもざっくりした分け方でお伝えします。)
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アチャール(Achaar):北インド~ネパールの漬物
アチャールは、北インドを中心に親しまれる漬物で、豊かなスパイスとオイルの風味が特徴です。
使用する油: マスタードオイル(辛味と風味が強い、北インドの家庭でよく使われる油)を主に使用。強い香りと独特の辛味が特徴。
スパイス: フェンネル、アジョワン、コリアンダー、クミン、カロンジなど、香りの強いスパイスを多用。
辛味: カシミールチリを使用し、鮮やかな赤色とマイルドな辛味。
提供方法: ターリー(複数の料理が盛り付けられた北インドの定食)の付け合わせとして、主食と共に楽しむ。
言語・地域: ヒンディー語圏で「アチャール」と呼ばれ、特に北インドの食卓で定番。
アチャールは、香り高いスパイスとマスタードオイルの風味が絡み合う。
ピックル(Pickle):南インドの漬物
南インドでは、ピックルは酸味とスパイスの絶妙なバランスが特徴の漬物です。
使用する油: 太白ゴマ油、ピーナッツオイル、ひまわり油、ココナッツオイルなど、風味の穏やかな油。
スパイス: マスタードシード、*フェヌグリーク(メティシード)など、香ばしい風味のスパイス。
辛味: ビャダギチリを使用することもあり、マイルドで色鮮やかな辛味。
提供方法: バナナの葉に盛られたミールス(南インドの定食)に添えられる。
言語・地域: カンナダ語では「ウッピナカイ」、タミル語では「ウールガイ」。また、南インドだけどケララ州では「アチャール」とも呼ばれる。(ややこしい)
ピックルは、香ばしいスパイスとタマリンドや酢を加えた爽やかな酸味が特徴
共通点:アチャールとピックルの保存食としての知恵
基本材料: 油とスパイスで食材を漬け込み、保存性を高める。
保存性: 酢やレモン汁などの酸味成分でpHを下げ、雑菌の繁殖を防ぐ。
加工工程: 天日干しや軽い揚げ処理で水分を抜く。
健康効果: スパイスや発酵による消化促進、腸内環境改善が期待される。
どちらも、長期間保存可能な食品としての知恵が詰まっており、インド各地で広く親しまれています。
サブジ(Sabji)との違い
サブジは野菜の炒め物であり、保存食ではありません。一方、アチャールやピックルは、食材の保存性を高めるための以下のポイントが重要です。
水分除去: 天日干しや軽い揚げ処理。
保存の工夫: 酸味と塩分で保存性を高め、油で密封。
長期保存: 専門的な衛生管理のもとで可能。
ただし、家庭での保存は冷蔵を推奨。特に開封後は空気に触れる部分が増えるため、冷蔵保存で早めに消費するのが安心です。
アチャールとピックルの写真
ピックルは、バナナの葉に盛られたミールスの端に必ず添えられる、存在感のある小皿料理として目を引きます。また、インドの店舗では瓶詰めで販売されており、さまざまな種類が並びます。
まとめ
今回はアチャールとピックルをざっくり北インドと南インドに分けてみました。実際にインドにいくともっともっと多様性があって、このように区分けするのは困難ですので、目安として考えてください。油や使うスパイス、食材など異なる点もあれば、共通する「保存食としての知恵」も感じられる魅力的な食品です。ぜひ、どちらも味わいながら、インドの豊かな発酵食文化を体験してみてください。
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