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桜開花宣言

今日、東京で桜が開花した。
桜の開花はどのような基準でなされているかというと、「標本木」なるものが各都道府県にあり、その標本木の花(東京の場合は靖国神社にあるソメイヨシノの花)が5~6輪咲くと開花宣言がなされる。いま東京中の桜たちは、靖国神社にあるたった一本の桜が開花したことによって、後れを取るまいと我先に開花しようと努力しているかもしれない。でも今本当に「後れを取るまい」と意気込んでいるのは厄介な「桜を見る会」だろう。

私は桜が好きだ。本当に綺麗だと思うし、昔から変わらずこの形で咲き誇っていると歴史さえ感じることが出来る。でも「お花見」は大嫌い。早い人は前日の夜から場所取りをして、大して花を見ることもせず友人たちと酒を飲みながら大騒ぎする。ゴミを公園内に置いて帰る人もいるというのだから、お花見を禁止する市区町村が出たって文句は言えない。

そもそも「お花見」が行われる時期は外になるべく出たくない。花粉症の私は、昼に外出すると目が痒くて仕方なくなる。じゃあ花粉が飛ばない夜に見に行けばいいのではないか、と言われそうだが、この時期の夜はまだまだ寒い。ダウンを着て外に出れば、「この時期にダウン着てるよ、あの人。」とか言われてないか他人の目が気になり花見どころではなくなってしまう。

当たり前だけど花見に来る人は毎年多い。公園内にある、本当は使いたくない公衆便所には行列ができる始末。早くトイレ行きたい、と悶えながら「なんでこんなに人多いんだよ、お前らのせいで漏れたらどうしてくれるんだよ」と思う。もう本末転倒。

花粉が凄くて、寒くて、人が多い花見って本当に嫌い。でも桜っていうのは絶対になくてはならないものだし、一年に一回は必ずこの目で見ておきたい。だから、本当に暖かくなって多くの桜が散っていき、草木が茂って青々とした頃、誰もいない公園のベンチで周りのみんなより遅く咲いた桜の花を一輪見ながら「おう、お前今頃どうした。遅れを取るまいってちょっとは努力しろよ。もうみんな咲き終わって散っていったぞ。でも偉いなあ、周りのみんなに流されず自分のタイミングで完走したんだもんな。お前見て元気出たわ、ありがとう」と言いながらだったら花見してもいいかもしれないですね。

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