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景気後退は起きていなかった

こんにちは、すなっちゃんです。

現在イギリスに住んでいるのですが、改めて日本食の美味しさに気付かされました。日本食が素晴らしいことは重々と理解していましたが、失うとより気付かされますね。

さて、今回は現在の相場と、2022年の「景気後退」と言われていることに関して、私の見解を説明していこうかと思います。

それではいきましょう。

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私はXで活動を始めたのは約1年半前ぐらいなのですが、ずっと「米国経済の回復力」を伝えるために全力を尽くしてきました。

銀行危機の余波が新たな災いを生み出さなかった2022年には私は弱気派寄りだったのですが、2023年3月頃には強気派の1人でした

ずっと私は「ディスインフレ、良好な消費者関連のデータ、労働市場のダイナミクス、2024年後半の利下げ」を伝えてきました。

以下がそのツイートの例です:

そして今、代表的な先行指標やセクターETFは、私たちに何を告げているのでしょう?

土曜日、私は20分程度で調べて史上最高値を更新しているセクターETFや重要指標を見つけ出し、コミュニティで紹介しました。

紹介した15個のチャートの一部

これらのチャートを見る限り強気相場ではありそうですが、これだけではもちろん判断できません。

ということで、他に見るべき重要なデータやチャートを紹介しましょう。これらを見れば、今が強気相場であることがわかると思います。

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この記事の要点:

マクロ経済・・・PCEインフレ率は前年同期比+2.23%まで低下し、ディスインフレが続いている。労働市場は、新規失業保険申請件数が4ヵ月ぶりの低水準となるなど底堅さを維持しており、GDPNowは、景気再加速を反映して、24年第3四半期の成長率を+3.1%と予測している。また、22年第2四半期のデータが修正され、2022年リセッション説に終止符が打たれた。

株式市場・・・ナスダック100は9月26日、60日ウィリアムズ%Rオシレーターから強気シグナルを発信した。3ヶ月のモメンタムを追跡するこのシグナルは、2023年以降、他に3回しか発生しておらず、通常、今後数週間から数ヶ月の更なる上昇を示唆する。


マクロ経済

先週は以下のようなデータが出ていました:

・ディスインフレは維持されている

・労働市場は回復力がある

・景気は再加速している

詳しく説明いたします。

まずディスインフレに関しては、金曜日に発表されたPCEが前年比+2.23%となりました。これは、前年同期比2.45%増という前回の結果に対して緩やかな減速でしたが、それでも「減速」という結果でした。

そしてこの数字は、2021年2月以来の低いPCEインフレ率でした。実際、上で囲った緑の枠を見ればわかるように、ヘッドラインPCEインフレ(前年比)は、2000年から2012年の高水準を下回っています。

他の広範なインフレデータも似たようなことを示していますので、そちらも見てみましょう。

🔵 コアPCEインフレ率(前年比)は+2.65%から+2.67%に上昇
🟠PCE中央値(前年比)は+3.24%から+3.16%に低下


個人消費支出インフレ率の中央値

コアPCEインフレ率は前月比で加速していましたが、その加速はごくわずかであり、PCEの構成要素であるシェルター(住居費)が前年比5.3%増と意外なほど加速したことが主因でした。

コアPCEというのは食品価格とエネルギー価格を除いたものなので、ヘッドラインデータよりもシェルターの影響を強く受ける特徴があります。コアPCEが加速した一方で、中央値とヘッドラインがともに減速したのはそういうことです。

個人的には、このデータからわかる情報はこのデータのダイナミクスを正しく把握するために不可欠だと思います。

次は、労働市場に目を移して、週次失業保険申請件数という非常に大事なデータを見てみましょう。

2021年9月までのデータを遡ると、21年第4四半期に急減し、その後3年近く横ばいが続いているという明確な動きを読み取ることができますね。

弱気派のアナリストはずっとこのデータを引き合いに出し、「労働市場の亀裂である」と主張してきました。

ただ、実際にもっとよく詳細にみると、これは亀裂でも弱気投資戦略の一つでもなんでもありません。

週間新規失業保険申請件数は21.8万件と、予想の22.3万件や事前の22.2万件に対し、4ヵ月ぶりの低水準となりました。
21.8万人が初回失業申請をしたという事実を過小評価するつもりはないです。ただ、このデータを正しく解釈するためには、以下のデータも必要です:

民間労働力人口が1億6,855万人で、0.129%が週初回申請。

非農業部門雇用者総数が1億5878万人で、0.137%が週次新規失業保険申請。

民間雇用者数は1億3,540万人で、0.161%が週次新規失業保険申請。

正直、より広範なマクロ経済の動向について考える場合、この超わずかなパーセントは私は気にする必要はないと思います。

特に、このデータは以前の経済成長期と一致していますしね(あるいはそれ以上)。

実際、金曜日に発表されたアトランタ連銀の最新GDPNow予測では、第3四半期の実質GDP成長率は+3.1%(年率)と予想されています。

アトランタ連銀の最新GDPNow予測(第3四半期)

これは、あと数日で終了する今四半期に関するこれまでの最高予想であり、24年第2四半期の実質GDPが+3.0%(年率換算)に据え置かれたことを受けてのものです。

第1四半期の実質GDP成長率は+1.6%。
第2四半期の実質GDP成長率は+3.0%。
Q3'24の実質GDP成長率の予測は+3.0%前後。

客観的に見てどうでしょう?これは成長を反映しており、トレンド的には加速していると思いませんか?

また、22年第1四半期と第2四半期に実質GDP成長率が2四半期連続でマイナスとなったため、2022年に景気後退が起こると人々が主張したことを覚えていますでしょうか?

これは、実は誤認だったのです。しかも新たに修正されたデータによれば、22年第2四半期の実質成長率は実際にはマイナスではなかったのです。

22年第2四半期の実質成長率は+0.29%に更新され、「2022年に景気後退があった」という迷信はついに崩れました。仮に景気後退が2四半期連続の実質GDPマイナス成長と正式に定義されたとしても、米国経済はそのシグナルすら発していないことがわかったのです。

またひとつ、弱気派のシナリオが打ち砕かれました。

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株式市場

株式に関して、今回私が強調したいことは2つだけです。

まず一つは、私が20分程度のリサーチで揃えることができた、史上最高値を更新している15個のセクターETF/重要指標のチャートです。

以下が、その15個の銘柄になります:

1 $SPY  S&P500 ETF

2 $RSP S&P・500イコール・ウェイトETF

3 $DIA ダウ工業株平均ETF

4 $VTV バンガード米国バリューETF

5 $PHO インベスコ水資源ETF

6 $IAI iシェアーズ米国証券会社&証券取引所ETF

7 $VYM バンガード・米国高配当株式ETF

8 $DGRW ウィズダムツリー・米国株クオリティ配当成長ファンド

9 $ITA iシェアーズ米国航空宇宙・防衛ETF

10 $IGV iシェアーズ拡大テクノロジー・ソフトウエア・セクターETF

11 $HACK アンプリファイ・サイバーセキュリティETF

12 $XLC コミュニケーションサービス・セレクト・セクターSPDRファンド

13 $XLI 資本財セレクト・セクターSPDRファンド

14 $ITB iシェアーズ米国住宅建設ETF

15 $IFRA iシェアーズ米国インフラETF

これらの銘柄全てが、史上最高値を更新してます。

ここで問題です。史上最高値を幅広いセクターで更新している現在の相場は、弱気か強気、どちらでしょうか?

テクニカル分析を少しでも勉強したことがある方はどちらかわかると思います。

もちろん、強気です。

おそらく探せばもっと強気のチャートが出てきますし、毎日コミュニティでは見つけ次第すぐに投稿しています。先週にホームデポ($HD)が数年来高値を更新したのもそうですね。

そして2つ目は、ナスダック100の60日ウィリアムズ%Rオシレーターが下限から上限まで動いた点です。

ナスダック100 日足 ウィリアムズ%R (60日)

ウィリアムズ%Rオシレーターとは、簡単に言えば潜在的な相場の反転や買われすぎ、売られすぎの状態を識別するために使用される、相場の勢いを示す指標です。

一定期間の最高値と最安値の範囲を基準に、直近の終値が相対的にどの水準にあるかを計算して教えてくれます。

今回は、中期の相場の勢いを調べたかったので、60日に期間を設定しています。1ヶ月の取引日数が20日であることから、このシグナルはナスダック100の3ヶ月のモメンタムを測定しているわけですね。

このチャートと指標を見てみると、2023年に入ってから上の線をブレイクしたのは3回で、その全てのシグナルの後にナスダック100は上昇しています(緑線)。

そして金曜日、4回目のブレイクを果たしました。

統計は常に何かを保証するものではないので、このシグナルが失敗する可能性も当然あります。この指標を私はよく使いますが、マクロ経済や広範な市場力学がない状態ではもちろん作動しません。統計的な観点から、投資家の行動が類似していた過去において、市場参加者がどのように行動したかを教えてくれるに過ぎません。

しかし、そうでないことが証明されるまでは、このシグナルはこの強気相場が始まって以来効果的なツールであり、投資家に強気局面を見極める優位性を与えてきました。私はこの指標のシグナル、特にナスダック100においては信頼しています。

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結論

いかがでしたでしょうか。現在の相場がいかに強気であるべきなのかがわかっていただけたかと思います。

上でも言ったように、15個のチャートは20分程度で見つけました。しかし、こういった簡単なリサーチもせずに、XやStockwitsのようなところでは、「誰かがこう言っているから俺もこのスタンス」と言う人が本当に多いです。

もちろん賢い人は一定数存在します。ただ、圧倒的にそうではない人の方が多いです。もう5年以上Xを情報収集として利用していますが、おそらく95%以上は煽りです(インプレでお金を稼げるようになってから顕著になった)。おそらく最初は見分けをつけることも難しいでしょう。

じゃあしなければいけないことは何か?

チャートやデータを自分で読み取る力をつけ、相場を理解し、戦略を組み立てていくしかないのです。

そうじゃないと、損をした時に「損をしただけ」で終わります。ちゃんと自分で調べて理解し、わからないとこがあれば質問し、客観的に自身の投資やトレードを見ることができる環境に身を置き、レベルを上げていくことが非常に重要です。

そんな環境が、日本人米国株投資家には無いことを私は数年前からずっと危惧していました。

そこで、1年半前に「米国株投資家が集まるコミュニティ」を作ったのです。誰かの真似をするのではありません。根本的に自身の投資やトレードの戦略を長期的に成長させたい方は、ぜひ覗いてみてください。


とにかく、今は強気であるべき相場です。

今回は以上となります。ありがとうございました。


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