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信じる人は慎重に選べ〜株式市場の最新動向分析〜
こんにちは、すなっちゃんです。料理は好きだけど食にはあまり興味がないという矛盾した価値観を持っていることが最近判明しました。
今回は、コミュニティにほぼ毎週投稿している「株式市場&経済指標の最新動向分析」です。ただ、先週は特に経済指標で面白いものはなかったのと、株式市場について思うことが色々あるので、株式市場のみで書きました。
それではいきましょう。
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具体的な分析に入る前に、少しだけ余談です。
最近、「暴落を煽る人or悲観的な人」が多くないですか?
特に、市場全体がFRBによって大きな下落をくらった12月18日の週のXは、それはもうカオスでした。すなっちゃんとして私たちが活動を始めるまでは日本人投資家のことを誰も知らなかったのですが(⚪︎スタさんという人も最近知りました)、最近は意識的に見るようにしています。そこで、「この人は正しい発信をしてそう」と思う人は数人ほど認知していたのですが、今回の調整で「暴落を煽る人」と化している人が何人かいました。
結構悲しかったです。
私は、どんな目線の投資家だろうが関係なく、全ての人が市場全体の今の流れを正しく把握しておくべきだと考えています。理由は簡単で、自身のリターンに直結するからです。しかし、このような強気相場を初めて経験した新しい投資家は、いわゆるSNSで有名な投資家が(インプレのためか、再生数なのか、本当にそう思っているのかはわかりませんが)かなりのダメージを受けている人を日本人投資家で何人も見ました。
では、この市場で成功しているのは誰か?
それは、人の声で判断せず、データを正しく見ることができている人です。また、今取れなくても、正しい見方ができるように努力をしている人は、将来的に勝てる確率は上がるでしょう。
私は、数年前にこのことを徹底しなければ絶対に勝てないことがわかり、それからずっと見方だけを勉強してきました。
おそらく、この事実をわかっている人もいると思います。じゃあなぜ、間違うのか?
当然、その方が楽だし、正しい気がするからです。自分で調べるより手間がかからない、知識が自分よりあるんだろう、フォロワーが誰よりも多いから信頼できる情報を発信しているんだろう、経歴がなんか聞いたことがある会社にいた人だからすごいんだろう、などなど挙げればキリがないです。
ただ、先ほども言ったように今回の相場で利益を上げることができたのは、新しいデータと市場の力学を観察しながら、じっと耐え続けた投資家です。
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1月だけじゃありません。ずっと、ずっと言ってきました。
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私を信じて、全ての発信する情報を聞いておいてください、とは言いません。むしろ、私が発信しているのは「このような見方をしてください」というより、「このようなデータ、チャート、シグナルが今ある。つまり、私はこっちで考える。皆様も参考にしてみてください。」といった感じです。
私はデータの見方を提供することに徹底してきました。そして、これからもそうしていくつもりです。
長く書きましたが、この余談で伝えたかったのは、「信じる人は慎重に選んでください」ということです。
私たちの発信する内容は、全て「米国株投資家が集まるオンラインコミュニティ」で発信しています。ここでは私たち2人が行うトレード(デイトレ、スイング、長期など)や、3000〜8000文字程度の限定記事(相場の見方や決算の解説など)を毎日リアルタイムで投稿しています。
少しでも気になる方は、1週間無料ですので試しに覗いて見てください。気に入らなかったら抜けてもらえれば大丈夫です。
あと、このような記事だけ気になるという方のためにnote用のメンバーシップも開設していますので、そちらもよかったらぜひ。
それでは本編です。
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皆さんは、私が以前の限定記事(たしか1ヶ月前ぐらいの記事)で、ウィリアムズ%R(ウィリアムズ・パーセント・レンジとも呼ばれる)を紹介したのを覚えていますでしょうか?
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覚えていないorまだ読んでいない方のためにもう一度簡単に説明いたします。定義自体は下のサイトがわかりやすいと思うので、そちらを読んでみてください。
ただ、私のこの指標の見方は若干違います:
買われすぎの数値は強気相場を示します。なぜなら、それは大きな買い圧力を表しており、上昇トレンドの重要な兆候だからです。
強気相場の反落局面では、売られすぎの数値も強気のシグナルとなります。なぜなら、トレンドが継続すると信じるトレンド追随者にとっては、事実上、買いのチャンスとなるからです。
どちらの状況でも強気な結論に達しているのは私が楽観的に考えているからかもしれませんが、私は7年以上もこの指標を使用しており、お気に入りの指標のひとつとなっています。
この指標では私は20、40、60日で設定することが多いのですが、今回は40日に注目してみます。
以下のチャートは、S&P500チャートの日足と、40日で設定したウィリアムズ%Rを表示させたものです。
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この指標では、−80%以下が「売られすぎ」と判断されます。
さて、これを見て何に気づきますか?
そうです、売られすぎシグナルが出た時が転換のタイミングとなっているのです。このシグナルが点滅して以来、S&P 500は9営業日で+5.6%上昇しました。
そして今、また強気のシグナルを発しているのです。
具体的には、40日間のウィリアムズ%Rが「売られ過ぎ」(下限を下回る取引)から「買われ過ぎ」(上限を上回る取引)まで、完全な振動を完了しました。これは2024年8月中旬以来初めてのことです。
下のチャートでは、最近のシグナルをそれぞれ白の縦線で表しています。
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これを見る限り、素晴らしいシグナルであることがわかりますね。
しかし、同じ2ヶ月間の分析を行うために、8週間のウィリアムズ%Rも使用して、さらに拡大して見てみましょう。(使っているチャートツールじゃ拡大しきれなかったのでTradingViewを使っています)。
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2020年の初めから、このシグナルは9回点滅しており、最新のものが10回目のシグナルとなります。
この指標は、シグナルが点灯してから1年後に、7回のシグナルのうち6回でプラスで終わっています。(直近の3つのシグナルは、1年間の期間に達するのに十分な時間がない)。
私がよく追っている投資家が、この8週間設定でシグナルが出た時の将来のリターンを12年間分計算したものをまとめていましたので、引用してここで貼っておきます。
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では、ここで重要なポイントをいくつか挙げてみましょう。
以下にいくつか列挙してみました。
最初の1ヶ月間のリターンは好調で、平均1.6%のリターンで78%近く上昇しています。しかし、2ヶ月目(5~8週目)のリターンは低調で、マイナス(この4週間で約-0.4%減)となっています。
第5週から第8週の弱さは買いのチャンスであり、第3月にはるかに強い結果(第9週から第12週にはほぼ2%上昇)が得られます。
通常、4−6ヶ月、6−12ヶ月にも強さが続き、6か月間および12か月間のトータルリターンは、期待値が非常に高いです。
シンプルですね。つまり、この最近のシグナルは、強気バイアスを持つもう一つの機会であり、短期的に発生する可能性がある下落のボラティリティを活用するチャンスなのです。
この話を要約すると、特に強気相場におけるモメンタムの急上昇は、投資家たちが口先だけでなく実際に資金を投入し、目に入るものすべてを買い始める時にのみ起こる強気のシグナルだということです。
まさに、現在の市場環境がまさにそれです。
ん?「でも今の市場は低迷気味じゃないか」って言いましたか?
いったん、各セクターの年初来データを客観的によく見てみてください。
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年初来のパフォーマンスがマイナスとなっている唯一のセクターは生活必需品セクターですが、これは、ディフェンシブでリスク回避的なため、強気相場では投資家が通常保有したがらないセクターです。言い換えれば、XLPのパフォーマンスが弱いということは、実際にはリスク選好の環境にあるという兆候であり、これは私が最近ずっと言っていること(一般消費財と比較して)です。
S&P500をさらに深く分析してみる
私は毎週末、その週の株式市場(主にS&P500)がどのような動きをしていたか、細かく調べています。例えば、200日MAをブレイクした銘柄はいくつあるか、52週高値を更新した銘柄はいくつあるか、などです。
使っているサイト↓↓
先週は、木曜日と金曜日に指数が新たな史上最高値を更新したことを踏まえると(ただし、史上最高値を更新したのは木曜日の終値のみ)、内部データは概ね改善を続けていると予想していました。
そして、実際調べてみたところ、一言でいうと「悪化も見られるが、強気データであることには変わりない」という感じでした。
注目すべきは、前週と比較して、2つの時間軸(前週比、年初来)すべてにおいて、新規高値の純増数が減少していた、ということです。しかし、これら3つの時間軸すべてにおいて、下落している銘柄数よりも上昇している銘柄数の方が多いという結果が見られました。
本来、新しい高値データは強気です。ただ、先週ほど強気ではありません。
これは、同じことが、週間のリターンがプラスとなっていた銘柄数にも言えます。数値は441銘柄から353銘柄に減少しました。およそ20%の減少です。しかし、今週も指数の約70%の銘柄が上昇しました。つまり、弱気材料は何もありません。
この週末の分析において、私が注目していることについてもう一つお話しましょう。
移動平均線より上に取引されている銘柄の数です。
すでに良好な状態にあった3つの指標(20,50,200)すべてにおいて、大幅な改善が見られました。
同じデータについて、異なる方法で見てみましょう。S&P 500の3つの単純移動平均(SMA)を上回る取引の割合を、長期的に追跡してみます。
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50日線は他の2つと比較するとやや見劣りしますが、急速に改善しており、過去2か月間、指数が基本的に横ばいであったことを考えるとこれは「正常」であると思います。
考えてみてください。
これは、以下の銘柄の過去2か月間のリターンです。
S&P 500 ($SPY): +2.1
等加重S&P 500 ($RSP): -1.8%
この乖離は私たちに何を伝えているのでしょうか?
大型株、特にテクノロジー株がアルファの主な源泉であるということです。
等加重戦略を取っていた場合、この2か月間は地獄だったでしょう。
大型株戦略を取っていた場合、この2か月間はまったく問題ありませんでした。
また、念の為言っておきますが、小型株や等配分に弱気なわけではありません。
さて、最後にこれも紹介しておきます。等加重S&P 500($RSP)は、売られ過ぎを打診した後、日足のローソク足チャートで強気のRSIの相違した動きが発生しています。
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過去にRSIが上昇し、S&P500が上昇していたのは2023年10月です。
そして、この相違した動きが現れてからのS&P500の動きは、見てわかる通りです。
今回はこれで以上となります。ありがとうございました!!