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テスラの成功の裏にある中国の支援:その代償が大きい理由

こんにちは、すなっちゃんです。

今回は少し長いです。気付いたら8500文字超えてました。

さて、テスラを少しでも詳しい人なら、テスラのCEOであるイーロン・マスク氏と中国との関係について知っている方が多いと思います。私は、この関係性についてずっっと疑問に思っていたことがあります。

今回のテーマは、「なぜマスク氏が中国を擁護し、米国の政策にまで影響を与える行動を取るのか?」です。皆さんの疑問にお答えできるよう、背景と影響を丁寧に解説します。

それではいきましょう。

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長いので要点を作りました。一通り読んでから、本編へ進んでください。

要点:

  • 最近、多くの人がなぜイーロン・マスクが2億1200万人ものフォロワーの前で、ドイツや英国などの米国の同盟国の政治をツイッターで攻撃するのか、そして中国については良いことしか言わないのか疑問に思っている人が多い印象。

  • 2020年にテスラが上海に工場を開設して以来、マスク氏の中国に関する公の声明を追ってきている人はわかると思いますが、彼は世界で最も影響力のある中国推進者の一人です

  • その理由は、テスラの全世界の利益のおよそ76%が上海工場から得られているためです。上海工場は2021年以来、中国最大のEV輸出業者でしたが、2024年には前年比2.7%減の生産量となりました

  • 中国は、テスラが企業から過去4年間で業界最高の純現金/純資産比率を誇る企業へと成長するのを支援しただけでなく、手厚いEV補助金もテスラの米国およびドイツ事業での損失をカバーするのに役立ちました。

  • 上海からの輸出は20%以上の営業利益率を生み出していますが、中国国内での販売は利益率がごくわずかです。2024年には、中国国内での販売は前年比で8%増加しましたが、輸出は前年比で25%減少しました。これが、私が少し不安な点です。EUとカナダは最近、中国から輸入される自動車に大幅な関税を課したため、今年、輸出はさらに減少する可能性が高いです。

  • 決算への影響は大きくあります。テスラの最も収益性の高い工場がここから大幅な減産に陥れば、テスラの利益は打撃を受けるでしょう。はっきりしないのは、減産が一時解雇につながる場合、マスク氏がどのような対応を(主に中国政府の人たちを喜ばせるために何を)するのかということです。

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トランプ氏の当選以来、最も大きな政治的行動のひとつとして、12月17日、マスク氏は米中のハイテク投資を抑制する条項を含む超党派の議会支出案を頓挫させました。議会に集まった国家安全保障およびビジネスの専門家たちは、その技術の多くが中国軍に渡るのではないかという懸念から、これに同意していました。しかしマスク氏は、複数の匿名の共和党議員を説得したとされる後、修正法案から削除させました(詳細は、このCNBCのレポートこちらをご覧ください)。

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