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このバイオテクノロジー企業は近い未来、がん治療に大変革を与える
こんにちは、すなっちゃんです。
最近は頻繁に街に行って、アンティーク雑貨を販売している店を巡ったりしています。おしゃれですよね。私もそう思います。
さて、今回は私が注目している中〜長期で持つ企業、Iovance Biotherapeutics(IOVA)について説明したいと思います。
この企業は一体何をしているのか?なぜこの企業が注目なのか?リスクは何なのか?全ての疑問にお答えしながら、解説していきます。
それではいきましょう。
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どんな会社?
Iovance Biotherapeuticsとは、悪性黒色種(皮膚がんの一種)や非小細胞肺癌を含む複数の進行性固形癌の臨床試験において、単剤療法および併用療法の一部として腫瘍浸潤T細胞療法(TIL療法)の開発を行っている企業です。
簡単に言うと、患者一人一人のがん細胞を認識し、攻撃する人間の免疫システムの能力を活用して、がん治療の領域に大きな変革をもたらそうとしています。
そんな同社が開発した代表的な治療法は、Amtagvi(一般名lifileucel)と呼ばれる療法です。Amtagviは腫瘍浸潤T細胞療法(TIL療法)を使用した、がんを治療する療法で、皮膚がんの中でも最も悪性度の高いメラノーマ(悪性黒色種)に対するものとなります。
2024年2月、AmtagviはFDAから承認を得ることに成功しました。これで、TIL療法を使用した初のがん治療法となったのです。
そもそもTIL(腫瘍浸潤T細胞)とは、固形腫瘍に侵入して攻撃する、自然発生する白血球です。攻撃の前にに腫瘍の表面にある独自の抗原をちゃんと認識して攻撃するといわれています。
そしてTIL 療法とは、がん患者さんご本人のがん組織を手術などで採取した際に、そこに含まれるTILを体外で培養して大量に増やし、患者さんに戻します。 体内に戻ったTILはがん細胞を認識し、がん細胞を攻撃するという仕組みです。
AmtagviのFDA承認は、メラノーマで通常の治療に反応しなかった患者73人を対象とした臨床試験の結果に基づいています。この患者群のほぼ3分の1で腫瘍が縮小し、一部の患者では腫瘍が完全に消失しました。しかも、TIL療法が奏功した患者の約40%は、免疫細胞治療を受けてから1年後も病状が進行していなかったのです。
先ほど言ったように、AmtagviはTIL療法を活用した初のがん治療法です。
なぜ、今までなぜTIL療法が使われてきていなかったのでしょうか?
実はTIL療法の進歩を妨げていたのは、規制と商業化の問題でした。私たちの体はTILを自然に作り出すため、企業は細胞自体に特許を申請することができません。しかし、Iovanceの承認により、企業はTILの増殖や改変の製造工程にライセンスを供与することが可能となり、より多くのバイオテクノロジー企業が関与できる道が開かれることになります。
つまり、同社のTIL療法を活用したこの方法は、腫瘍学の世界に大きな変革をもたらすものなのです。
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