腹囲が気になる福井の旅 福井藩主松平家の別邸 養浩館庭園冬支度 19.11.28 09:42
大瀧神社・岡太神社の参拝を終え、福井市内に戻る。
目的地は養浩館庭園。福井松平家、お殿様の庭園で今なら紅葉が見頃だと聞いた。
福井藩主の別邸で、当時は御泉水屋敷と呼ばれていたそうだが、別邸と言っても福井城の北200mほどのところ、外堀に接してお城の総構えの内側に位置している。
巨大な池を配した回遊庭園で、家臣を集めて宴を催したり、藩主が武芸を見たり相撲を見たりと風流な遊興施設。
現在の養浩館の名前は明治17年にもなって、松平春嶽によりつけられたのだとか。何を偉そうに、そんな藩主は要交換だ。
大正時代には北陸の曇天の空の下(あくまで個人の感想です)大隈重信をもてなしたりと、昭和初期までは越前の迎賓館として使われていたのだとか。
日本海側にありながら、世に言う太平洋戦争の空襲で建物は焼失。復元の後現代に至る。
郷土歴史博物館側というか、園の北側の入り口から入園。園の入り口は二箇所で、北側からだと、建物も池にも距離があるのだが、見事な紅葉が目に入る。
園内へとどんどんと進むと池や、木造の趣のある建物が見えてくる。
大名庭園として養浩館は思いの外小さい。
池の周りをぐるりと回れる回遊庭園になっているのは大概の大名庭園と同様。その一角に木造平屋の建築物があり、ここに藩主がやってきていたらしい。
建物の中には追加料金無しで入ることができる。縁に座って池を見ていると気分は松平春嶽。
まぁ、お殿様というのは羨ましいものだ。
養浩館はアメリカの日本庭園専門雑誌(この形容かなり胡散臭いが)数寄屋リビングによると、2008年から2010年まで3年連続で日本庭園ランキング3位にランキングされているのだとか。2016年の第5位を最後にランク外となってはいるが。
この雑誌、島根の足立美術館押しで有名で、もうずっと第一位は足立美術館となっている。
借景に富む足立美術館も悪くはないが、日本人的にはそうかなぁと思えたり。ちなみに2018年は第一位が足立美術館、第二位が桂離宮、第三位が松江の皆美館、第4位が柴又の山本亭、第5位が京都平安ホテルという、なかなか通好みなSELECTはアメリカ人とは思えない程ではあるが。
越前なんて冬雪に閉ざされる地域の庭園。
ここも県内の他の観光地と同様すでの雪吊りの準備も終わり、秋を味わうことなく冬の準備万端。雪吊りの紅葉も素敵ではあるけれども。
裏日本の雪に閉ざされる地域の大名庭園にしては雰囲気が明るい。邸内も採光が良い。ご親藩の余裕だろうか?
福井藩第4代藩主松平光通の側室お三の方がここで後の松平直孝を出産しているとかで、環境においては申し分ないのだろう。が、このことが後々越前松平家に裏日本らしい暗い影を落とすことに・・・。
決して広いわけではない庭園。回遊の池を一周するのにもそれほど時間はかからない。
紅葉は今が盛りで一人でゆっくり回るにはこの上ないのだが、時折観光バスがやってきて大量のお客を降ろしていく。その人々が集団でウロウロすると広いとは言い難い養浩館はその一角が人であふれかえることになる。
下品に大声出して喜んだり、鯉を呼ぼうとバンバン手を叩いたりもう粋もなにもあったものではなくなる。
関西弁の団体だと特にお下品に感じてしまうのは、江戸の粋に生きている横浜暮らしの性かもしれない(嘘)
世が世なら、全員打ち首獄門にしたいところだ。
(団体旅行だから仕方ないのだが、ひとりでしっぽりしたいときもあるもので)
まぁ、お殿様というものは戦さえなければいい暮らしをしているものだ。
やがて、戦争があってもおエライサンはいい暮らしをするような時代になるが。
いい気なものだ。庶民は常に暮らすのにさえ苦労が絶えないのに。