娘の成長
先日子供の七五三のお祝いをしました。 私の娘には知的障害を伴う自閉症があり、いつもと違う場所や慣れないイベントが苦手です。 そのため何日も前から七五三の行事について聞かせて心の準備をさせてきました。その甲斐あってかなんとか着物を着てお参りをすることができました。
七五三が終わった後に私と夫の両親とともに食事会をしました。その席で、私の母が突然娘に向かって、「あなたは皆にお世話になったのだから、あいさつぐらいしなさい」と言ったのです。
・・・正直無理だろうと思ったのですが、娘はすぐに立ち上がり、
「きょうは きてくれて ありがとうございました」
と言うことができました。
普通の小学1年生であれば、このくらいのあいさつは何でもないことかもしれません。しかし私の娘にとって、相手の言葉を聞いて理解し、期待される行動をとるというのは本当に難しいことです。
驚きましたが、娘が通う支援学校では最近あいさつの練習をしていたので、その成果かなと思います。
もしも娘が支援学級か普通学級に通っていたら、ここまで自信を持って挨拶をすることはできなかったのではないかと思います。
以前、健常児の子達が通うバレエの習わせていたことがありましたが、最初は楽しそうにしていた娘もだんだんとレッスンに行くのを渋るようになり、行っても私のそばを離れなくなり、結局辞めてしまいました。
今思い返してみると、周りの子達と同じように先生の指示を理解したり決まった動きを取ることができず、娘なりに苦しんでいたのではないかと思います。
支援学校という少し特殊な環境の中で、子どもたちの個性に応じた内容の教育を受けられるようになったことで、自分に自信を持つことができるようになったのではないかなと思います。
娘の進路を決める際、支援学校はあまり行かせたい場所ではありませんでした。
支援学校には普通の学校で使う教科書は配布されず、筆記用具を持っていく必要もありません。
一体ここで何が学べるんだろう、と正直戸惑いがありました。
授業参観に行っても、幼稚園の延長上のような遊びをしているようにしか思えず、これではどんどん健常児との差が開いていくばかりではないかと感じていました。
しかし、皆の前で堂々とあいさつをした娘を見て、思った以上に充実した時間を学校で過ごしているのかなと思うようになりました。
子育ての悩みはつきませんが、娘にはこれからも自分を大切に自信をもって生きてほしいと心から願っています。