子育てをしながらフルタイム勤務するために知恵を振り絞った話
少し前に、フルタイムの社内通訳者になったことについてNoteに書きましたが、すんなりとフルタイムに移行できたわけではありません。
採用してくださった企業はコロナ禍をきっかけにリモートワークが進み、基本は自宅勤務が可能でコロナ収束後も自宅勤務が可能になりそうな見込みでした。そのため、通勤時間(往復2時間)が基本的に必要ない、というのは子育て中の私にとって大きなメリットでした。
それでも、フルタイムだと、1日8時間の勤務に加え、1時間の休憩があるので合計9時間は拘束されます。しかし、当時娘は児童発達支援センターという障害児向けの幼稚園のようなところに通っており、預かり時間は送迎を入れて6時間弱しかありませんでした。
当初考えた解決策は、
①保育園に転園する
②自分の親に子どもの面倒をみてもらう
③ベビーシッターを頼む
の3つでした。①は、親にとっては一番楽な方法ですが、娘の療育がなくなってしまうこと、すでに年長で卒園まで1年もなかったことから、今更転園させるのは酷だろうと思い断念しました。②は、自分の親がまだ働いており、義両親は遠方なので明らかに無理ゲー。ということで、消去法的に③になりました。
以前から、いざというときのために登録していたベビーシッター紹介所があったので、平日毎日子どもの迎えと自宅での託児をしてほしいとお願いしました。・・・が、人手不足を理由にあっさり断られてしまいます。採用面接で、「子どもは登録しているベビーシッターがあるので大丈夫ですっ!ドヤァ」と宣言していたので真っ青になりました。
やばいやん、勤務開始日までにどうにかしなければ・・・。
とりあえず、近隣の別の大手ベビーシッター会社さんを急いで探し、連絡したところすぐに返事があり、速やかに登録してくださりました。これで、なんとか勤務自体はできそうだったのですが、娘は家族以外の人と一緒に自宅で過ごすのは難しく、私が自宅勤務していればガンガン部屋に入って各種妨害行為を繰り返す可能性がひじょ~に高いことに今更気づきました。
うむ・・・・そもそもベビーシッター自体、厳しいかもしれん・・・。
と思っていたときに、ふと、娘が赤ちゃんの頃に一度だけ無認可の保育園に預かってもらったことを思い出しました。
もしかしたら、センターが終わった後、そのまま近くの保育園で何時間か預かってもらえればいいのでは?と思い、自宅近くの保育園を調べてダメ元で問い合わせたところ、前向きなご回答をいただき、幸い、娘も保育園の雰囲気を気に入ってくれたのでお願いすることにしました。
ただ、まだ解決できていない問題があります。娘はどうやって保育園に行けばいいのでしょう。
バスの送迎場所から保育園はそれほど離れていないため、バスで直接保育園まで送ってもらえないか児童発達支援センターに聞いてみましたが、やっぱりだめでした。娘専用のバスではないので、そりゃそうですよね。
とはいえ、娘の帰ってくる昼過ぎ~夕方前は、おそらく勤務先の会議が集中する時間でしょう。私が送迎するのも無理です。・・・というわけで、娘を児童発達支援センターのバス停で迎え、保育園まで送ってくれる人を探す必要がありました。
そのときに、友人が出産直後にシルバー人材センターから家事を手伝ってくれる方を派遣してもらっていたという話を思い出しました。各自治体に、まだまだ元気なシニアの方を紹介してくださる公営の派遣事業があるらしいのです。
HPから電話で問い合わせ、事情を説明したところ、かなりのスピード感で適材な方を2名紹介してくださり、娘を保育園まで送ってくださることになりました。ただ、2時間以上の作業をお願いするルールがあるため、送迎後は自宅に来ていただき、夕飯の支度とお掃除をお願いすることにしました。
娘が知らない人と移動できるかかなり不安でしたが、しばらく私も付き添って保育園まで送迎し、徐々に慣らしていくことで通えるようになりました。娘は、若い方よりもおばあちゃん世代に心を開きやすいので、それもよかったのかもしれません。
もともと依頼したかったのは保育園への送迎でしたが、結局夕飯の支度とお掃除までやってくださるので、家事負担が大幅に減り、汚屋敷が美しく生まれ変わるという思いがけない副次効果もありました。
ちなみに、保育園と送迎・家事のお手伝いでかかる費用は、私にとって決して安いものではありません。正直、フルタイムになっても多額の費用がかかるため、経済的に割に合うか微妙なところではあります。しかし、キャリアアップの機会はお金を払ってでも欲しいと思っていたので、必要経費と割り切っています(といいつつ、時々ぢっと手をみる・・・)。
かくして超短時間勤務からいきなりフルタイム勤務へと移行したわけですが、勤務先がオフィス出勤必須だったらお手上げだったと思います。リモートワークが広がった今だったから可能だった、と強く思います。また、家族を含め、いろんな方の支援や理解に恵まれたからなんとか実現できたとありがたく思っています。
多くの人にとって再現性のある方法ではないかもしれませんが、同じような状況で働きたいと願っている方の参考になれば幸いです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?