Weiß Schwarzトライアルデッキ「ぼっち・ざ・ろっく!」評価会の開催
開催概要
当会では2023年9月29日(金)発売製品Weiß Schwarzトライアルデッキ「ぼっち・ざ・ろっく!」評価会を開催しました。
当会長をはじめとする総勢1名による厳正な審査の元、
①作品再現の部②デッキ構成審査の部
以上2点を基準に評価を実施。初心者参入という商品特性を考慮し、1個購入時の構築で審査を行います。
新規プレイヤー参入促進を後押しし構築済み商品発展に寄与したい会長の想いを尊重して、原則ブースターパック改造や競技場面における考慮はしないものとしています。私の知識・実力不足ではない
評価基準
総勢1名の審査員が被害者友人と対戦。項目毎の1〜5星評価と、総括として100点満点での得点評価を実施します。
対象商品
①作品再現の部
当会評価 ★★★★☆(星4)
評価:担当楽器をイメージした効果は実に見事。トライアルデッキという制約の中で、しっかりとその役割を振り分けている。
各カード
キャラクタ毎の前列後列がハッキリしているため、セオリー通りに戦ってもライブさながらの状況を再現可能に。
特に伊地知虹夏さんのカード郡は素晴らしく、後列で常にバンドメンバーを支える姿が印象的。安定したリズムを刻むしっかり者の彼女が盤面上に浮かぶ様です。私は見ました、これは本当です。
音楽におけるベースは、ドラムとギターを音階的に繋げる縁の下の力持ち。山田リョウさんのカードはその特色を遺憾無く発揮していました。
ドラムだけでは足りぬパワーを与え、ダウンしたメンバーを引上げ、更に自ら前線に立つ。実に高いレベルでの再現。
ボーカルはバンドの主役です。そんなボーカルを象徴する様に、喜多郁代さんは戦いの中核を担います。
収録はバニラアタッカーとアンコール効果アタッカー2種、レベル0もレスト時クライマックスを探しに行けると非常に前のめりな印象です。天真爛漫な喜多郁代さんらしさと、スタミナと肺活量を求められるボーカルらしさの再現でしょう。
ぼっち・ざ・ろっく!主人公キャラクタの後藤ひとりさん。他メンバー達の分かりやすい効果に対し、トリッキーなものを持ち合わせた印象に。これは彼女の卓越したギター演奏技術そのもので、複雑なメロディーラインの様に戦略に幅を与えます。
クライマックスカードは、3種中2種類のイラストがアー写です。作中登場した写真等はグッズとして非常に満足度が高く、会長もご満悦の様子。
SPサインカードはレベル0後藤ひとりさんとクライマックスカード「憧れたバンド活動」。箔押しサインは声優のものではなく、作中で後藤ひとりさんが使用していたもの。
コラム:レベル3帯カード
トライアルデッキ構築のレベル3は上図の後藤ひとりさんと山田リョウさん。デッキ構築上では喜多郁代さんがアタッカー担当なので、レベル3に当てはまりそうですが、彼女自身はレベル2止まりとなっています。
ここで作中における技術が関係してきます。山田リョウさんは昔から別バンドで活動しており、一日の長があるのです。また、親友の伊地知虹夏さんからもうまいと評されています。
また、後藤ひとりさんも作品主人公という側面もありますが、作中ではプロレベルの技術を擁していると廣井きくりさんや音楽ライター等の音楽関係者から一目置かれている様です。
これらの技術的要素を鑑みてレベル3に抜擢されたと考えると、エモく感じますね。
②デッキ構成審査の部
当会評価 ★★☆☆☆(星2)
評価:シンプルな基礎効果が多く、ヴァイスシュバルツ入門者にはうってつけ。しかし、カードパワーや構成枚数に難あり。
シンプルな収録カード達
総括評価の低い一因がシンプルな効果達。言い換えれば面白味に欠けると言った所か。
単純なパワーパンプ効果が収録カードの多くを占めているため、試合は単調な展開になりがち。序盤こそ山田リョウさんの出番はあるものの、レベル1から終盤にかけてはパワーが高くアンコールを持つ喜多郁代さんが占拠。
活かしきれないクライマックス
クライマックスカードの内訳は、枝4枚とソウル+2が4枚。トライアルデッキではソウル+2を2枚がよく見られる構築傾向だが、ぼっち・ざ・ろっく!には2種類4枚投入されていました。
パワーパンプ多めのキャラクターカードと併せて、かなり前のめりな印象を受けます。
更に、トライアルデッキにはクライマックスコンボ対応が1種類のみ。近年はクライマックスコンボ2種投入が基本となるので、かなり珍しい構築と言えるでしょう。
しかし、ヴァイスシュバルツはレベル3キャラクタのクライマックスコンボがゲームエンドに導くことが多く、これが後述するフィニッシャー不足を招くこととなります。
フィニッシャーの不在
クライマックスの項目で触れましたが、レベル3カード2種共にクライマックスコンボが搭載されていないのです。
山田リョウさんは控え室から2枚キャラクタを手札に戻せるが、使用後はパワー10000ソウル2のスペックしか残らないのはもったいない。
一方で、後藤ひとりさんはアタック時にストック1で相手デッキトップを固定できるのでフィニッシャーらしい効果でした。ただ、スペック自体はパワー10000にソウル2と山田リョウさんと同様でありました。
前提として、トライアルデッキ構築自体がレベル3カードが合計4枚であることが多いです。
しかし、競技構築レベルではレベル3は合計8枚投入がベターとされています。裏付けとして、付属のデッキ解説書はレベル2喜多郁代さんをレベル3後藤ひとりさんに入れ替える様にアドバイスしています。
純トライアルデッキとして考えると、レベル2喜多郁代さんを第3のレベル3として使う運用になるでしょう。
当然レベル3カードに比べるとパワー不足なので、アグロデッキ的プレイングが必要になります。早い段階からソウル+2クライマックスを置き続け、ダメージレースで優位に立つ様に意識しましょう。
クライマックスコンボではありませんが、レベル0伊地知虹夏さんは黄のクライマックスを置くとキャラクタ1枚に1500パワーパンプができます。
また、レベル2伊地知虹夏さんも強力なサポーターです。コスト0という点は、ストック消費の激しいレベル2以降で輝くのです。
★総合点★
当会評価 60点(100点満点中)
総括:初心者向け商品としての役割を果たしている。昨今の既プレイヤーへ向けた小難しいトライアルデッキではなく、ヴァイスシュバルツを今日から遊ぶ入門者に向けた内容であった。
ただし、強化の土台とするにはシンプル過ぎており、パックでデッキを作った後は全く乗り換えてしまうことがこの商品の使命であるだろう。
トライアル同士で遊ぶ場合もぶっちゃけオススメしません。アズールレーンにボコボコにされたよん。