これからの管理職に必要なこと
これからの管理職は、昭和時代の管理職よりもずっと大変です。
それは、プライベートでさまざまな事情を抱える部下、いわゆる「時間制約社員」が大多数になるからです。例えば、家事・育児との両立、親の介護、資格取得、遠距離恋愛、スポーツ大会出場、地域活動、ボランティア活動、子どもの教育問題、会社によっては公認の副業など、多種多様です。
夕方になって突然の残業命令を出したり、休暇取得に難色を示したり、昭和のマネジメントをしていると部下の心はドンドン離れていきます。少子化で転職のハードルが下がっているので、こんな上司の会社では働けないと思うと、若者は転職してしまいます。
でも単に甘やかすと言っているわけではありません。管理職として部下のやる気をアップさせるには、部下一人ひとりのプライベート(ライフ)に理解を示し、仕事を効率的にこなして公私ともに両立できるよう支援することが重要です。
また、あまりコストをかけられない環境の中で、「知恵を絞れ」「アイデアで勝負しろ」と言っている管理職自身の頭が、昭和時代の会社人間のまま固まっていないでしょうか。
今や、単純に長時間労働すれば業績が上がるという時代ではありません。また、会社人間だけで集まって会議をしても、ありきたりの施策しか出てきません。会社以外のプライベートでのさまざまな経験が、実は新たな発想につながるのです。
まずは管理職自身がライフを意識した働き方、ワークライフバランス重視の働き方を率先垂範していくことが必要です。
もちろんこれは、仕事はほどほどにしてという意味ではありません。時間効率を上げて働くような職場の業務改善を進めてライフ時間を確保し、公私ともに充実した人生を送りましょう、という意味です。
部下が働き方のロールモデルとして、真似したいと思うような管理職が理想です。そしてそういう姿を見せることで、男女ともに管理職になりたいと思う部下が増えていくでしょう。