見出し画像

リア充はアニメを見ない

高校1年生の頃の話である。
僕の通う高校は東京都の駒込という所にあり、都内や埼玉から通う生徒が多かった。

埼玉から来る生徒達は池袋で乗り換えて通学する為、学校帰りに遊びに行く所は決まって池袋だった。
毎日の様に友人達と池袋に降り立ち、ゲーセンに行ったりボウリングをしたり、映画を見たり、マックに行ったり。
大した事はしていないけど、毎日が充実していた。

そんな日常を送る中、僕が大好きだった行為はナンパだ。
放課後の池袋には様々な学校の生徒達が遊びに来ていた。
まぁやはり池袋なので、それなりのレベルの学校の生徒達だ。リッチな高校生は渋谷に生息していた。

ナンパを始めた頃は場慣れもしていない。
キャピキャピした可愛い女子高生達にキョドってイキった童貞が話しかける訳だ。
そりゃ上手く行くはずがない。
スルーされるとやはり気が滅入る。
こんな時に頼りになるのは明るいムードメーカーの北村だった。
チェッカーズのフミヤに憧れていた北村は、率先して女の子達に声を掛けていく。
北村が声を掛けると足を止めてくれる女子も多かった。

僕らは毎日の様にナンパに明け暮れ、手帳に何人の女の子の電話番号が書かれているかを競っていた。

そんなある日、僕が声を掛けた女子グループ。
彼女達は高校生ではなく、看護学校の生徒達だった。
憧れの年上のお姉さん達である。
これが運命の出会いになるとは思ってもいなかった。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?