【開催報告】7/2「スナックひとみvol.001」ゲスト:山本純子さん(エチオピアのお話)
(タイトル画像は、山本純子さんのアート。インスタグラムはこちらです)
7月2日は記念すべき「スナックひとみ」のオープンでした!ゲストは、一般社団法人エチオピア・アートクラブ 代表、モカ・エチオピア・ダンスグループ代表の山本純子さん。
初回でしたが、いろんなご職業の初めての方も参加してくださったようです。ありがとうございます!
エチオピアにどっぷりとはまり、アートからダンス、ミュージシャンの招聘やフェスの主催まで実に幅広く活動されている純子さん。そのディープさと情熱はどこからくるのでしょう。なかなかじっくり聴けない色んなことを語っていただきました。
エチオピアダンスを日本に広める
15年前くらいからエチオピアのダンスを習い始めた純子さん。今では在京エチオピア大使館のスペースを借りて毎週練習会を開催しています。エチオピアダンスといっても音楽から動きまで地域のエスニックグループによって実に多様で奥が深いもの。純子さんが代表を務めるモカ・エチオピア・ダンスグループは、全国各地のイベントなどに出演し、エチオピアダンスを知ってもらう活動をしています。
グループのメンバーは、一年に一度程度はエチオピアに行き、国立舞踊団など本場のプロのパフォーマンスを学び、それを日本で練習して披露。衣装や小物も揃えて、初めて見るひとでもとても楽しめるステージを作っています。(ちなみに、ひとみママの主催するイベントにも出演してもらったことがあります)
この情勢の中初めてオンラインでの練習会も開催し、遠方の人なども参加できる形式に可能性を感じているという純子さん。しかし、この方の活動はここだけにはとどまりません。
ミュージシャンの招聘とイベントでエチオピアを感じてもらう
2015年に一般社団法人エチオピア・アートクラブを立ち上げ、その後著名なミュージシャンをエチオピアから招聘したり、イベントを主催したりと大きな活動に乗り出した純子さんとエチオピア仲間の皆さん。
エチオピアの音楽はとても奥深く、音階も日本の民謡や沖縄音階と同じものもあり、その楽曲は非常に日本人となじみやすいものなのだそう。遠い国なのに、音楽がつながっているってうれしい驚きです。言葉が通じなくても心が通じますね。
日本の民謡に心酔してしまうエチオピアミュージシャンもいるのだとか。(民謡de Nightというイベントまで開催!)
エチオピアには、アズマリと呼ばれる楽師たちがいて、アズマリベット(アズマリの家)と呼ばれるところで演奏をしているのだそう。(アズマリについては映像人類学者の川瀬慈さんが詳しく書かれています)
エチオピアの本場のプロによるパフォーマンスを日本に届けられたら。今ならライブ配信など色々と可能性もあり、ベストなやり方を考えているところのようです。
また、アーティストの招聘だけではなくアフリカLOVEなひとたちを集めたフェスの開催も企画。今後の活躍の幅も広がっていきそうです。
日本のお茶の間にエチオピアを
ダンスや音楽はもちろん、何といっても注目したいのがご自分もアーティストとして活躍されているところ。純子さんの描くかわいらしいイラストは世界中で愛されているようで、ご本人もイラストを展示した個展を開催されています。今は、このタイトル画像にあるようなフェイスペインティングのアートを制作され、また個展の形で披露されるとのこと。
純子さんが描くのは、リアルな「人」の様子です。風景画などは描かないそう。愛らしい表情やしぐさ、思いが伝わるようなたくさんの人々の姿を通して、日本のお茶の間にエチオピアを届けたい。そんな思いが伝わります。
今は、デジタルアートにもチャレンジしているそうです。
ハイブリッドを目指して
アートに音楽にダンス。それらは今まで当たり前のように人と人が触れ合いオンラインで実施していたものでした。コロナの影響でそれも大きく変わり、オンラインで多くの人たちが試行錯誤しながら新しいことを始めています。オンラインとオフラインのハイブリッドを目指してやっていけばいいのではないか。決して悪いことだけではないし、できない状況を嘆くよりは新しいことを考えよう。純子さんはそう言います。
そして、小さい場所から発信できる。これは大きなことだよねという話になりました。
文化先進国としてのエチオピア
開発コンサルタントが異業種と交流出来たらというところから始まったスナックひとみ。エチオピアといえば、開発コンサル的発想だとやはり最貧国のひとつです。貧困国でのアートの役割ついて純子さんに訊いてみました。
最初は、純子さんも色々と葛藤があったとのこと。やはり経済的発展が人々の関心の中心だし、経済の方を求めがちです。そちらの方が優先されるべきなのか。そういう思いもあったそう。
でも、エチオピアの魅力はやはりその豊かな文化にある。文化という面での指標で見てみるとエチオピアは援助なんて必要がないのではと思ったそうです。いわゆるサブサハラ(サハラ砂漠以南)のアフリカ諸国とはずいぶん違った独特の文化を持つエチオピア。音楽の伝統と歴史、農村でも都市でも人々の生活に身近にあるダンス。もし、SDGsが達成され世界中の経済的発展が実現したとき、エチオピアはどこよりも「文化先進国」になるのではないか。そんな思いがあるそう。
これには開発コンサルタントも感動。普段開発援助をしていると、どうしてもこの豊かな文化という側面を見ることがないままになってしまいます。これは国を知るうえでとても寂しいことであり、かつ大切なものを見逃してしまうのではないか。これはひとみママの感想です。
だからこそ、別のアプローチから途上国やSDGsに関わっている方のお話を聴くということはとてもとても大切なのですね。
終わりに
なかなか話も尽きないまま、盛沢山だったスナックひとみオープン初回。ここに書ききれない大切なこともたくさん話題になりました。それらは、後程改めて映像としてYoutube公開いたしますね。
スナックひとみは、こうして気軽にいろんな方のお話を伺える場として大切に継続していきたいと思います。
さて、次回のスナックひとみは7月29日(水)夜です。ぜひあなたもお飲み物片手にゆるりと遊びにいらしてください。
初回参加してくださった皆様、運営チームの皆様、そしてゲストの山本純子さん、本当にありがとうございました。
山本 純子(やまもと じゅんこ)さん
一般社団法人エチオピア・アートクラブ 代表
モカ・エチオピア・ダンスグループ 代表
堅気の会社員がエチオピアの文化・芸術と出会い、ステレオタイプなアフリカ観が崩壊。ジワジワくるその魅力にとり憑かれ、遂に禁断の扉を開く。以来、ある時は興行師、ある時は自らがアーティストとして、日本のお茶の間にエチオピアを発信することがライフワークに。ハイブリッドで人生を2倍楽しむ現役会社員。
一般社団法人エチオピア・アートクラブ
【HP】 www.ethiopianartclub.org
【Facebook】 www.facebook.com/ethiopianartclub
モカ・エチオピア・ダンスグループ
【HP】 www.ethiopiandance.org/
【Facebook】 www.facebook.com/MochaEthiopiaDance