【体験レポ】畑でイタリアン⁉︎FoodCampツアーで数々のおもてなしに感動してきた
7月5日、孫の手トラベルさんが企画運営しているFoodCampに参加してきました。事前にいただいた情報は、畑で農家さんの手ほどきを受けながら野菜の収穫体験ができるということと、その野菜を使った創作料理が食べられる、ということ。
前職の地域おこし協力隊という経験から、「農家さん」「採れたて」「おいしいもの」にとにかく敏感なわたし。せっかくおいしいものが食べられるのなら、参加してみようかな…という軽い下心で参加したFoodCamp。
しかしそれは、わたしの予想をはるかに超えた、おもてなしの数々に感動しっぱなしのツアーだったのです。
今回はその模様をお届けしようと思います。
◆FoodCampとは…
孫の手トラベルさんが主催するFoodCampは、郡山発着の日帰りバスツアーになっています。通常の旅行ツアーは、観光地や文化遺産を巡り、その土地の歴史を学びながら、そこの名物を食べて、非日常を味わうという流れが一般的ですが、FoodCampは全く違います。
以下、孫の手トラベルHPより↓
畑、湖畔、酒蔵・・・観光地ではない
福島県内の「魅力ある場所」を探し出し、
一日限りのアウトドアレストランを青空の下にオープンします。
例えば生命が漲る畑で、そこで育った作物をみて、触れて、
生産者と一緒に食卓を囲む感動体験。そんな
地域の人、自然、食材の魅力を丸ごと味わう食の旅、
それが、”Food Camp”です。
つまり、旅の中でも特に「食」というものにフォーカスを当てて、その土地の食卓を支える生産者さんとの出会いを楽しみ、その土地のものを一緒に味わうというツアーになっています。福島県内の様々な生産者さんが登場し、リピーターも多くいるとか。
◆今回のツアーの内容
新型コロナウイルスの影響で、ツアーの開催中止を余儀無くされていましたが6月下旬から再開。参加者を県内在住の方に限定し、ツアー中のマスクの着用や次亜塩素酸スプレーの配布、食事中は扇子で口元を覆うなど、感染対策を徹底して行われました。
ツアー名:FoodCamp!設楽農園×肉と野菜のイタリアンArigato/高林シェフ
日程:7月5日(日)郡山発
ツアー代金は一人当たり、14,800円。(ツアー内でのお買い物は含まれません)
◆ツアーの全貌
朝9:30に郡山駅にタクシーが迎えに来て、孫の手トラベルさんの事務所へ。そこでバスに乗り換えて他の参加者と合流し、設楽農園のある須賀川市へと出発しました。
まず最初に向かったのはきゅうりん館と呼ばれる、きゅうりの選果場です。きゅうりの産地である須賀川市の農業を支える施設となっており、東京ドーム約1.2個分ほどの大きさを誇る大型の選果場では、年間でおよそ8千トンのきゅうりが出荷されています。
きゅうりは朝と夕方に2回採れるほど1回の収穫量が多い野菜。そのため、選別には多くの時間や労力がかかります。きゅうりん館では、きゅうりを持ち込むと機械が自動的に7等級に選別してくれるため、きゅうり農家の最盛期を支える場所となっているようです。選別されたきゅうりはJA夢みなみ共同選別のきゅうりん館のきゅうりとして、主に関東圏に出荷されているそうです。
選果場の規模の大きさを目の当たりにし、きゅうりの名産地としての本気度具合に脱帽したところで、お待ちかねの設楽農園へと向かいます。
設楽農園には、代表の設楽哲也さんと、肉と野菜のイタリアンArigato/高林誠シェフ、そして孫の手トラベルのスタッフさんがお出迎えしてくれました。
畑のど真ん中には大きなキッチンカー、そして長く続く白いテーブルクロス。一番奥にはバーカウンターがありました。さらに驚いたのは孫の手トラベルのスタッフさんまでレストランの従業員のような格好をしていたことです。(着いてしばらくは本当にArigatoのホールスタッフさんだと思っていました…)
畑の上なのに本格的な高級イタリアンの佇まいに感動していると、
設楽さんの案内でまずは設楽農園を見学することに。
「こないだ学校の授業で小学3年生の子どもたちが見学しに来ました。今日はそのときと全く同じプログラムをやりますので、みなさんは童心に帰ったつもりで参加してみてください」
というユニークな入りから終始楽しくお話を始めた設楽さん。小学校の教員をしていたという経験もありユーモアを交えながらのお話に、参加者は終始楽しく楽しく一斉に耳を傾けていました。
設楽農園ではきゅうりの他にネギや里芋、お米も育てていて、それぞれの畑は隣接していました。ネギは細い赤ちゃんのような緑の葉っぱが線のように一斉に生えており、収穫時期の12月までこれからじっくりと成長していく段階だそうです。里芋はきゅうり畑のビニールハウスの後ろにL字型に植えてあり、まだ小さいながらハート型の葉っぱがしっかりと生えていました。
そして今日の主役であるきゅうりは今がまさに最盛期。成長するスピードが早く、朝と夕方に2回収穫するそうです。今回はきゅうりの中でも「蒼夏」「光のしずく」「Vシャイン」の3品種を収穫することに。
採れたてのきゅうりは水分量が多いため、多少の曲がりは手でまっすぐに直すことができるということや、切ったばかりのきゅうりは切り口からは水が滴る様子など、豆知識を披露するたびにどよめきが起こりました。
参加者もきゅうり用のハサミで自分たちできゅうりを選んで収穫しました。お土産用とあって皆さん無言で収穫。新鮮なきゅうりはトゲが痛く、切ったそばから水が滴ってきます。無事に3品種を収穫し、持ち帰り用のビニール袋はぴかぴか光るきゅうりでずっしりと重たくなりました。
楽しい収穫体験を終え、席に戻ると、今ほど収穫したきゅうりの1本を使ってのきゅうりマジック。
設楽さんがおもむろにきゅうりを取り出すと、ポキっと折ってしまいました。そしてすぐに切り口を合わせてぎゅっと押すと、あら不思議!手を離してもきゅうりは落ちません。切り口から水が出て、折った部分をピッタリと繋いでいます。新鮮なきゅうりだからこそできる、設楽農園のきゅうりマジックでした。
お昼も周り、そろそろお腹も空いてきた頃、ようやくお待ちかねのきゅうりのイタリアンでランチタイム。
コース料理さながらにまずは前菜から運ばれてきました。
前菜はスズキとお米のサラダ。
収穫したVシャインをすりおろしてドレッシングを作り、サラダにかけていただきます。食菜酢という地元のお酢と、オリーブオイルと混ぜた味は、上品な酸味ときゅうりの爽やかな後味が、サラダとの相性抜群でした。
お次はミネストローネ。きゅうりの生感をやや残したセミドライのきゅうりが添えてあり、甘くてアスパラの仲間のような不思議な食感でした。ミネストローネは酸味が抑えてありとても食べやすく、曇天で涼しくなってきた気候にありがたい温かいスープでした。
2番目の前菜は、きゅうりのオーブン焼き。きゅうりをくり抜いて器にしたところに、ボロネーゼと大粒の黒胡椒、モッツァレラチーズで薄く蓋をしてあるような美しい見た目がインパクトがありました。オーブンでじっくり焼いてあるからか、ナイフがスッと入るほど柔らかく、きゅうりのみずみずしさとボロネーゼで大人の味わい。あっという間に食べてしまいました。
次にパスタ。どれも美味しかったけれど、このパスタが参加者の中でも一番評価の声が高かったように感じます。冷製かっぱ麺ペペロンチーノは、地元の特産品であるかっぱ麺をペペロンチーノに味付けした一品。かっぱ麺は、麺にきゅうりの絞り汁が練りこんであり、薄い緑色をしています。そこにきゅうりの佃煮と、とびっこ、エビ、設楽農園にいたネギの赤ちゃんが添えてあり見た目も華やかに。甘しょっぱ辛いようなカリカリとしたきゅうりの佃煮と、爽やかなかっぱ麺の細麺が合い、今まで食べたことのないパスタでとても美味でした。
そしてメインの采女牛のロースト。柔らかい牛肉には、きゅうりの黄色い花があしらってあり、食べる前に一呼吸置いてプレートの綺麗さを楽しめます。そえてあるのは、揚げ浸しにされたきゅうり。今までに出てきたきゅうりの中でも比較的シンプルに味付けされていますが、火を通したおかげで食感が柔らかく、噛むと旨味がじゅわっと口に広がっていきます。美味しいお肉と新鮮なきゅうり…美味しくないわけがありません。
最後のデザートは、きゅうりとキウイのアイス、ヨーグルトババロア。きゅうりキウイと掛けている感じもユニーク。キウイのキュンとした酸っぱさに加え、きゅうりが入っているジュレがみずみずしく爽やか。全体的に酸味がきいた味わいで、釆女牛の後味が残った口の中をさっぱりと締めてくれました。
他の参加者との交流もありながらじっくりと時間をかけて味わったランチタイムも終わり、いよいよツアーは終盤。きゅうりのお土産を抱えて、須賀川の産直市場はたけんぼでお買い物です。イタリアンに出てきた食菜酢や、かっぱ麺の乾麺などもあり、中には5袋ほど買い込んだ人も。
満腹したお腹と心地よい疲労に包まれながらバスに乗り込み、孫の手トラベルの事務所まで行って、各自タクシーに乗り込んで17:00過ぎに解散しました。
◆ツアーを振り返って
ツアーでの旅行自体がほとんど初めて、かつ一人での参加でしたがとても楽しめました。地域おこし協力隊時代、農家さんと触れ合う機会に恵まれ、きゅうりの収穫を手伝ったこともあります。私が今まで出会った農家さんも設楽さんのように、こだわりが強くて、農業と食にプライドを持って活動している方だったので、お話を聞きながら協力隊時代を懐かしむような気持ちでいました。設楽さんと私が出会った農家さんたちの違いといえば、設楽さんの饒舌で分かりやすいきゅうり講座でしょうか。今まで出会った農家さんはとても優しいけどちょっぴりシャイな方が多かったので、設楽さんの説明が分かりやすくて楽しめましたし、私自身畑に立っておきながら知らないことだらけだったな…と猛省しました(笑)
また、イタリアンコースランチも驚くことばかりでした。普段では出会えないような料理で、いつも脇役のきゅうりが主役に、しかも全て違う調理のされ方で出てきました。どれも初めての味わいなのにくせがなく本当に美味しかったです。畑の上で五感をフルに回転しながら味わう高級イタリアンはオツなものでした。
◆ここがすごいよFoodCamp!
初めてのFoodCampに感動しっぱなしだったので、ここからは孫の手スタッフさんに特に感動したエピソードをいくつか挙げていきたいと思います。
絶妙なタイミングでのおもてなしがすごい!
メイン会場が畑になる FoodCampでは、唯一ネックなのがお手洗い。ツアー中お手洗いに行きたくなってしまったため、近くのコンビニでお借りすることになりました(コンビニ側にはツアー参加者がお手洗いを借りることは事前に承諾済みです)。お手洗いを済ませてコンビニを出ると運悪く小雨が降ってきました。途方に暮れているとなんと私のためだけに傘を持って迎えにきてくれました。ツアー中で他の方もいるのに大変恐縮でした…
他にも、デザートの後、なんとなく食後のコーヒーが飲みたくなっていると私の気持ちを察したかのようなタイミングでコーヒーが出てきました!感動しました。そしてとても美味しかったです。
他にもテーブルの上の紫陽花の飾りなど、ちょっとした気配りがあったのですが全てのタイミングが絶妙でさりげなくて助かりました。本当に参加者の目線になって全て考え抜かれているツアーなのだなということがすごく伝わりました。
お酒に精通したスタッフさんがいた!
コースランチのお供に、アルコールやソフトドリンクを別途料金で楽しめるようになっていたのですが、お食事前にスタッフさんからの具体的なお酒の説明を一通りいただきました。参加者の一人が「この食事に合うのはどんなお酒ですか?」と尋ねると「この味だと、○○というお酒を常温だと口当たりまろやかで楽しめますよ」というプロのソムリエのような提案をしていました。ただアルコールやドリンクを提供するだけではなく、具体的な楽しみ方まで提案できるところにとても感動しました。車で来たことをとても後悔したので、次回は絶対に飲みたいと思います。
お土産をいただいた!
収穫したきゅうりの他に、前菜のサラダについていたきゅうりのピクルスをお土産としていただきました。日常に戻ってお土産があると、あのとき食べた味だ…!と旅と日常が地続きになった感じがします。家に帰ってもFoodCampできて嬉しかったです。
最後の最後までおもてなし
全ての工程が終わってバスに乗ったときに、見えなくなるまで手を振ってくれたり、ツアー終了後何日か経って手書きにメッセージ入りハガキが届きました。今回美味しい料理を提供してくださった Arigatoさんにも足を運びたくなりました。
◆最後に
孫の手トラベルさんのFoodCampツアーは、食べることが大好きな方、食を支える生産者さんと出会いたい方、農業に携わるお仕事をしている方はもちろん、普段旅行に行くことがなかなかない方でも楽しめるツアーだと思います。私自身、このツアーに参加して改めて地元福島の魅力を一つ知れたような気がします。孫の手トラベルさんの他のツアーにも参加したくなりました。
現在は福島県内の方限定で開催しているツアーですが、この状況が良い方向に変われば、県外の方にもたくさん参加していただいて魅力を知って欲しいなと思います。
この機会にぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
※この体験レポは、PR案件ではありません。私自身が純粋にツアーを体験した感想を綴っているものです。注意してはいますが、一部分かりにくい点や、間違った点があるかもしれませんので、ツアーの詳細や確実な情報につきましては、孫の手トラベルさんのHP等をご確認ください。
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