思い切って「社会のレール」から外れてみたら - フリーランスになった瞬間コロナに出鼻をくじかれた話
もうタイトルでオチてますが(笑)
私は今、フリーランスでパーソナルトレーナーとしての肩書を持ちつつ、仕事の幅を広げるために海外留学をしています。
前回の記事の最後のほうに、独立したものの、緊急事態宣言になってしまった件を書きました。
今回は、そんな運の悪かった話を懐かしむような気持ちで振り返りたいと思います。
いよいよ独立!と思いきや…
独立までの過程は上記記事に書いたので省きますが、フリーランスとしての武器を増やすべく、「選ばれる」トレーナーになるべく、そして自分の人生経験そのもののために、いろんな思いをもっていよいよ留学をしようと決めました。
その当時はフィットネスも盛んなオーストラリアに留学しよう!と思っていたのです。そして、行くなら生半可にではなく、思い切ってお金と時間の労力が掛かったとしても、学位を取る、もしくは実地経験を積む、ことが後のリターンには大事だと思ったのです。
また、元々会社員として就職した大手スポーツクラブにそのままフリーランスとして業務委託契約を残した状態で留学に行く予定でした。帰国した後の居場所がまったくゼロではなくなるのは安心ですしね。
そして、ウイルスが蔓延し始め、不穏な空気が流れる中、ついに初めての緊急事態宣言で契約先のジムが休業になったのは、まさに留学準備を進めていた矢先でした…。
オーストラリアは早々に入国制限をしてしまい、また学校も受け入れを拒否してしまったので、計画は白紙になってしまいました。もう、「ええええー。」としか言いようがない(笑)。こうして図らずも、フリーランスとして仕事をしていくことになったのです。
何かしなきゃ!でも何からしたらいいのかわからない…
◆予定外も甚だしすぎて何したらいいのか分からない!
私の場合は、大手のスポーツクラブに属していたので、個人的に集客したり、自分のお店を持ったりしていたわけではありません。(そして私の所属するジムの就業規則では、顧客と個人的なやり取りをするのは絶対NGです。)
だから、事業を自分で構築する(つまり、社員は自分だけの会社の一人社長みたいな感じですね)ってどういうこと!?という感じで、営業、ビジネス、経営に関しては全くのド素人だったのです。
「経営は自分の方針と違う」と思って自分の職業を極めようとしたのに(前回の記事、上記参照)、なんとも皮肉ですよね。笑
◆「いざ自分でお金を稼ぐって、何すればいいの!?」
手っ取り早く業種問わずバイトなりなんなりで直近の収入を得ることもできたはずなのですが、「いや、自分の職種と関係ないことをしても、結局その労働時間は他のもっと自分の職種に繋がることに充てたほうが……」なんてことをゴチャゴチャ考えてばかりいるうちに、空しく時間ばかりが去ってしまうのです…。
◆どこにもぶつけられない不満と不安 - 留学はいったいいつできるんだ!?
当時のこのフラストレーションは今でもリアルに思い出せます。初めて緊急事態宣言が出た当時って、この状況がいつ収束するのか、先が見えませんでしたよね。
直近で終わってすぐに渡航ができるなら、新しく仕事を取っても迷惑をかけてしまう、でも何かしらしないとせっかく貯めたお金も出て行ってしまう…。貯金は留学のために取っておきたかったので、自分のビジネスのためにお金を投資すべきかも非常に慎重でした。そうして色んな事情が錯綜し、どうしても留学を諦めたくなかった私は「先が見えない」中で、仕事と留学準備と、今ある貯金とのバランスを考えなければならず、当時は非常にストレスに感じていました。
結局、留学を思い切って1年先まで延期し、国内での仕事に専念することにしました。
図らずもフリーランスになってみて…
進学校で”お利口さん”に勉強してきた為、すっかり頭が硬くなった私。フリーランスとして無知な状態で、頼みの綱もなくいきなり野に放たれ、自分で考えて行動するのを余儀なくされました。
◆人を見る目は大事
フリーランスという立場になると、SNSや知り合いなどを通して、いろんな人が寄ってきます。人の不運や立場に漬込んで自分だけが都合良いように他人を利用する、いわゆる「taker(テイカー)」もいました。
例えば、トレーニングを教えてほしいと持ち掛けてきてもお金を出す気は一切ナシ、それどころかあれもこれも当然のように要求するばかりの人、「あなたの"宣伝"にもなる」という不明確な誘い文句で怪しい商品の営業をさせようとする人、「どうせ困ってるんだろう?」というスタンスで怪しいビジネスに勧誘してくる人など…。
コロナ禍では特に、人間の嫌な一面も美しい一面もリアルに露見していたようです。そんな中で、「付き合う人を見る目」を養っておかなければいけないと強く感じました。
◆とにかく「なんでもやってみます」精神
もちろん自分の仕事なわけですから、どうやったらお客さんに選んでもらうのか、その戦略をちゃんと考えるのも大事です。でも、考えてばかりで何もしなければ結果は当然何も起こらない。だから、自分自身でどんどん行動に移して、時に失敗も経験して試行錯誤していかないといけないのです。
振り返れば、色々ともがきました。
・個人でオンラインレッスン開催
・母校での部活指導(ボランティア)
・フィットネスモデルに応募
・SNSで発信
・コンテストに応募、出場など
ジムの休業が明けて、本業のトレーナー、インストラクター活動をしつつも、いろんな案件に手を挙げ、新しいことへの挑戦は続けました。「知り合いや友人がどういう目で見ているか」とか、「何を目指してるの?w」と馬鹿にしたような言葉とか、一切気にならないわけでありません。でも、フリーランスはただ自分の専門職を極めていけばいいか?というとそうではなく、コロナ禍で先の予測できない中で、武器を多く持っておくこと、本当の自分のやりたい、合っているを見つけていく過程では色んな事にチャレンジするのは間違っていないと思っています。
そうして行動していくうちに、いろんな人の縁は広がっていくもので、「これ、SKさんにお願いしたいんだけどどうかな?」と声をかけてもらう機会も増えました。また、「あの時のあの経験が、数年後に思ってもいなかったところで活きた!」なんてこともあります。
情報収集したり人のアドバイスを聞いたり自分で戦略をあれこれと考えたりするのは大事ですが、結局は実際にやってみないと分からないことも多いのです。
結果的に発見やご縁もあった
◆自分でブランディングや集客することの難しさ - 自分自身と向き合うきっかけに
個人でレッスンをやろうにも、人脈、認知度、「私自身」というものの価値(実績、実力など)がなければ、いくら自分でイベントレッスンを開催しても、なかなか集まりません。おまけに無知な私は、自分の提供するサービスの価格ってどうやって決めたらいいのかな?とそんなところから悩んでました。SNSでストーリーに流したりして宣伝だけしても大抵は知らんぷり(笑)。屈辱ですし本当につらい(笑)。
どうしたらお客様に選んでもらえるんだろう…。といざ考えたとき、「私自身」を出せなかったのです。つまり、自分の強み、自分らしさってなんだろう、と…。企業の一員として動いていた過去と違って、私という「個」に焦点が当てられた今、自分の魅力や価値って何なのかな、私ってどうなりたいのかな、と自分自身と向き合うきっかけになったのです。
改めて資本を持つ企業の集客力の強さを実感し、それに対して「個」としての良さを引き出すにはどうしたらいいのかを考えさせられたのです。
◆忘れがちだけど、やっぱり仕事があるのはありがたい
会社員の時にあれだけ欲しかった「暇」。でも、いざ何もしていない状態が続くのって、社会から切り離されて、自分の存在が役立たずになった気がしてツラいものです。「仕事も収入もない、どうしよう!」という経験をしたからこそ、仕事があることに対して、報酬がいくらとか関係なく「ありがたい…!」と思いました。
人それぞれの価値観で「やりたくない仕事」って勿論あると思います(その気持ちを否定しません)。でも、その仕事は誰かがやらなければいけなくて、それで互いに快適な生活を支え合っているのだ、と思えるようになったのです。
◆コロナ禍ではありえなかったご縁
人のご縁は不思議で、SNSで私の発信を見ていた友人が、そのまた友人が開催している「Zoom勉強会」に呼んでくれたのです。それがきっかけでお互いの得意を活かしたレッスンや勉強会を定期的に開催するようになり、いつしかオフ会でも仲良く集まる友人になっていました。
今でも電話で深い話をしたりして連絡を取り合うほどの仲間です。これはコロナというアクシデントがなければ無かったご縁です。
最後に
私のリアルな体験を通して、フリーランスのメリットデメリットなんかも浮き彫りになったと思います。
フリーランスは文字通り自由と引き換えにその代償も多いですが、人生経験が増えて話のネタも増えることはとても良いところだと思っています。
SK - 旅好きトレーナー
大学時代の授業で、運動・スポーツは、競技・娯楽・医療・社会貢献…と色々な場面で広く心と身体の健康に寄与し、食事や休養に並んで「健康」を構成するかけがいのない一要素であることを学ぶ。
同時に、実際には世界的に「若年層の運動不足」「生活習慣病」、日本に至っては「平均寿命と健康寿命の10年のギャップ」という厳しい問題について知る。若い時からの運動習慣が、将来に潜む生活習慣病や寝たきり/介護のリスクを下げることを知り、運動・スポーツを通した健康促進や自己実現に貢献すべく現職に就く。
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