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出産後に思ったこと
※ニンゲンを二人産んでみての、産後の経験談的なものです。私と同じく迷えるママパパたちの子育てにおいて、少しでもお役に立てれば幸いです。
■はじめに
まず初めに前提として、以下に書いてあることは、これまでに2人産んだ、しかも助産師や保育士さんなど育児のプロでもなんでもない私の、単なる個人的意見に過ぎません。今現在までに経験したことや得た知識から、現時点ではこう考えている、という内容です。明日には変わるかもしれないような、不確実なもの。
しかも獣医師という職業柄もあり、考え方が大いに偏っている可能性があります。なので、信じ過ぎないでください(笑)
ママも多様×赤ちゃんも多様、の千差万別の組み合わせがあり、本当に母子それぞれに状況は違うので、以下に書いてある内容を重く捉えすぎず、あくまでこういう人もいるんだな、程度のご参考までに。
私が迷った時によく立ち返って考えることは、
“他の霊長類(ゴリラ、チンパンジー、ボノボ)たちはどうしているだろう?“
“ヒトの性質って本来生きものとして、どういうふうにできているんだろう?“
“言葉を喋れない動物のトレーニングではどうしているだろう?”
ということなどで、基本それをベースに、子育ての方法を考えたりしています。
迷ったり分からなかったり上手くいかなかったりすることは、だいたいみんなどのママたちも、悩んだりしていることだと思います。自分の能力が足りないとか、母親に向いてないんじゃないか、なんて思う必要はありません。
皆さんがこれから始まる子育て、また現在進行系の子育てにおいて、何か疑問に思ったり上手くいかないなと思った時に、少しでもそれらが解決する一助になれば幸いです。
※出産後育児の最初の悩みのトップは
母乳育児(母乳vsミルク)
寝かしつけ
ではないかと思いますので、それぞれについても経験談を後述します。
■産後の自分について
私の場合ですが、産後は感情のジェットコースターでした。基本第一子の時は、だいたいみんなめちゃくちゃ心配性になることが多い印象です。
でも多分それはヒトが、そういうふうに出来ているからだと私はとらえています。
生まれたばかりのヒトの赤ちゃんができることは、おっぱいを吸ったり排泄したりすることくらいで、喋って意志を伝えることもできず、自分で眠ることすらできない、他の動物よりもずっと、びっくりするくらい何にもできないので、初めての時は心配し過ぎるくらいに心配するように出来ているのではないかと思う。心配し過ぎくらいのお母さんの方が、進化上子供を死なせず無事に育てることができたために、そのような形質がヒトという動物に残っているのではないかと思う(知らんけど)
よく考えたら当たり前で、平常運転から、ちょっと間違ったらどうにかなっちゃうかもしれないくらいか弱くて(実際はだいたい大丈夫なんだけど)、言葉も喋れない赤ちゃんの雰囲気を細かく読み取って、最適な状態を作ってあげるという、これまでに経験したことのないママモードに切り替わるわけだから、今までの精神状態と違って当然。
マタニティーブルーズという、産後の一過性の落ち込みは、日本人女性の25−50%くらいが経験すると言われていて、私もなりましたが、一過性であり、よくあるものなので、もし自分のメンタルがなんだか落ちてるかもなーと思っても、焦る必要はない。
一方出産した女性の10%くらいが、2週間以上のうつ状態が続いてしまう、いわゆる“産後うつ”を発症すると言われる。私がそれでしたが、診察をしてもらった精神科医のうちのある方の話では、元々うつ病の既往があるケースは除くとして、産後うつがうつ病罹患の初めてのケースでは、産後うつは治ってしまってそれっきり、というケースが多いようです。
私の場合は、2年くらい抗うつ剤を飲むくらいの中程度のうつ病でしたが、今は全く発症前と同じくらい元通り元気です。2人目の時は問題なしでした。
とにかく、子育てって1人でするものではないのだと思う!もしそうなら、子供と1対1で毎日過ごしていても孤独なんて感じないはずだけど、それで孤独を感じない人は滅多にいないはず。
子供がある程度大きくなってもそうだが、誰かが一緒にいたらなんでもなくて笑えるようなことでも、大人が自分1人だと、深刻に捉えてしまうこともある。
■情報収集に関して
産後色々心配になって、検索魔になる人が少なくないと思います。ただ、ネット情報って、素人が書いている場合は根拠のない、ただ無駄に心配になってしまうような内容も多いので、ネガティブな影響も少なくないと思います。
医学的なことを調べるなら、アスクドクターズという有料の、質問すると医師が回答してくれるサイトを調べるのが良いと思います。
子育て一般について、一番良いのは、やはり同世代のママ友たちの生の声!ネットじゃなくて、リアルの友達が一番です。
最初に書いたように、だいたいみんな同じようなことで悩んでいたりするのですが、自分や自分の赤ちゃんだけじゃないんだー、みんなそんなもんなんだ、って分かるだけで、もう問題解決だったりします。
友達と言っても相手も子育て中で忙しいだろうなと遠慮して声をかけづらこともあるかと思いますが、相談される側の癒やしになることも多いはず。
育児に限らず、“昔はこうだった”みたいな話は、私はだいたい眉唾と思っています。昔からそうしてきたことで間違っていることはいくらでもあるし、だいたいその“昔”のセオリーが、実は戦後未熟な科学による間違ったセオリーによるもので、今の最新のセオリーとは真逆のもの、どう考えても理にかなっていないものだったりすることもしばしば。
専門的な意見や考えを知りたい場合は、経験による意見と科学的な知見を、きちんと説明してくれる医師や助産師さんを探すのが良いかもしれません。年齢で差別するつもりはないですが、年代により学んでいることや情報のアップデートのスピードが違うので、私の経験上、専門家でも高齢な方ほどと今のセオリーから異なっている意見のお持ちであることもしばしばなので、注意が必要だと思います。
■母乳vsミルク
母乳育児については世の中根拠なき迷信がはびこっていて惑わされて無駄に悩むこともよくあると思うので、とりあえず、この本がおすすめ。科学的根拠に沿った母乳育児についての本です。
母乳が足りない?と思ったら読む本 もっとくわしく!(2022年出版・著者最新かつkindle unlimited で無料)
ちょっと理系な育児 母乳育児編(著者の最初の本。とても詳細ですが、とりあえずサッと読みたければ上の1冊だけでも十分かも)
私は1人目は産後1ヶ月半くらいからはミルクのみ(=完ミ)、2人目は退院時から母乳のみ(完母)でした。完母、混合、完ミ、どうするかは、それぞれの家庭で望む生活スタイルなどによると思うので、どれでも良いと思います。
ただ私の感想としては完母が楽でしたし、おっぱい飲んでる赤ちゃんを眺められる授乳は超幸せタイムでした。
完母のメリットは、
調乳しなくて良くて、夜中の授乳もパッと飲ませればよくて楽
哺乳瓶を洗ったり消毒する手間がいらない
お出かけの時にもミルク関連の準備不要
授乳ケープがあればいつでもどこでも飲ませられる
ミルク代不要
どんだけ食べても太らない、むしろ痩せる、
やはり栄養学的にも、完母が赤ちゃんに適しているということ。
完母のデメリットは、
授乳を他の人に代わってもらえない。
子供の個性にもよるが、卒乳にちょっと苦労することもある(うちの息子2歳がそれです笑)
自分が病気の時に使える薬に制限がある。 など
でもほんと人それぞれで、同じ職場の同年代4児の母がいますが、彼女は母乳育児が面倒で4人とも完ミにしたそうです。そしてみんな普通に元気です!私自身も完ミ育ちです。
※授乳がうまくいかない時
母乳育児が上手くいく/上手くいかない、助産師さんのアドバイスによるところが大きいらしいです。私が参考にしていた“ちょっと理系な育児 母乳育児編”という本に、性格な数字は忘れてしまいましたが、産後1ヶ月健診時に完母で育児できている率は、産院によって%にかなりばらつきがあると書かれていたと思います(確かこの本ですが違ったらごめんなさい)。
なので万が一、なんだか授乳がうまくいかないなーということがあれば、母乳外来がある助産院などをあたってみると良いかもしれません。
私が1人目を産んだ病院では、助産師さんごとに授乳指導のスキルにかなりばらつきがあり、うまくいかず、さらにマタニティブルーズも加わってめちゃくちゃ不安なまま退院して、退院した足で授乳指導してくれる助産院に行きました。そこで教えてもらったら、すぐにうまくいくようになりました。
2人目は初めから飲むのも上手な上、病院の助産師さんの指導が丁寧かつ的確だったこともあり、退院直後からスムーズに完母となりました。
■寝かしつけ
基本寝てくれない、という心づもりが大事かも(笑)
夜中にあまり起きずに安定して寝てくれるようになっても、成長に従って起きるようになることもありますが、また寝てくれる時期が来ると思います。
うちの子たちの寝かしつけは、ホワイトノイズがよく効きました。寝かしつけ用のホワイトノイズがネットに上がっているので、それを使っていました。赤ちゃんの近くでスマホを使うのを避けている場合は、息の続く限りシーーッ(子供に静かにしなさいというときに、声を出さずにひそひそ声でいう時のシー、です。歯の間から息を出す感じ)と、赤ちゃんの耳元で聴かせてあげると、よく寝ます。ただし息が切れます(笑)
また新生児期よりも少し後の話になりますが、先日聴講した夜泣きと卒乳のセミナー(講師:小山自然育児相談所・伊東厚子先生)で、寝かしつけの後にお母さんが起きようとすると子供が寝ない、寝かしつけ後の家事はあきらめましょう、という話があり、非常に納得しました。お母さんが子供を寝かしつけた後起きようと思っていると、子供はなかなか寝ないし、寝てからもふと目を覚ました時にお母さんがそばにいないと、その後お母さんが布団を離れることに余計に過敏になることもある、という話でした。
息子2歳がまさにそれで、寝かしてつけてからもう一度起きて何かしようと思っている時は中々寝てくれず苦労しました。またぐっすり寝たと思っても私がそばを離れると割とすぐ起きます。また夜中に目を覚ましてしまった時も私がそばにいればそのまま瞬時に再入眠しますが、いないと絶対泣きます。
娘は、同じくらいの年齢の時もそこまでではなかったので、個人差も大きいとは思いますが、うちの息子タイプの子なら、早々に諦めて、一緒に早く寝てしまった方がお互いの健康に良いかもしれません。
※その他事例
2022年1月に息子(現在2歳3ヶ月)が生まれて以来、1年半くらいは連続3時間以上寝たことがなかったかもしれませんが、意外と平気なもんです。
以前の職場のママで3人産んだが人がいますが、1人目(女子)は夜中もきっちり3時間おきの授乳、2人目(女子)はもっと楽で夜中1回起きるか起きないか、3人目(男子)はさぞかし楽だろうと思っていたら大どんでん返し、布団に置くと一切寝てくれない子で、産後5ヶ月くらいは夜中もずっと抱っこして壁に寄りかかって寝ていたそうです。なかなかワイルド子育て派のママでしたので、泣き疲れて寝るまで布団にずっと置いてみたりと色々と試したそうですが、いつまでも寝なかったので諦めたとか。4歳くらいになってもものすごくママにベタベタ甘えん坊の男子でした。
■夫に関して
超おすすめしたい夫へのアドバイス:
出産までは、妻の言うことを100%肯定すること、産後は500%肯定すること!!
出産後の妻はもう別人と思ってもらう。それは想像を絶するほどに。そしてママの言うことをひたすら肯定。一般的な正論など不要だし、それを突きつけることになんのメリットもないことを、夫には事前によく伝えておいた方が良いと思います。
これは私だけでなくうちの夫本人も痛感したことで、職場男性で初めての育休に入る人♂にも伝えるそうです。そう言われても子育て未経験者♂はだいたいみんなキョトンとするそうなんですが、子育て経験者♂が聞くと、みんな首がもげるほどうなずくらしいです(笑)
最近は夫婦で協力して子育てしようという風潮があって、それは大前提だが、ただやはりママ目線とパパ目線は違うことも確か。どう頑張っても男性は女性にはなれないし、妊娠出産も経験していないし、産後のママに起こるような肉体的精神的変化は理解できない部分もある。それは仕方がないこと。
夫に共感を求めてもどうしても出来ないことは多かれ少なかれ必ずあり、100%の共感はあり得ないのだけど、だいたいどんなママもパパに対して、なんであなたはそんなことも分からないの!?みたいなことで喧嘩になる。夫は夫で、自分は今まで通りの正論を言っているので、なんで分からないの?どうしたのこの人!?みたいに戸惑って、何度も正論を説明し、さらにママの怒り爆発、という、負の無限ループにハマる ←我が家がコレでした(笑)
産後のメンタルって、それを経験できない男性にはどうしても分からないし、多分脳みそにプログラムされているものがそもそも違うので、無理な共感を求めず、そこはママ同士で共感するのが一番の癒しであり解決方法だと思う。
よくあるのが、赤ちゃんがいくら夜中に泣いても、起きない夫に対して憤るケース。でもそれも、赤ちゃんの呼吸の変化にすら気がついて目を覚ますママのような機能が♂にはないので仕方がないことだと思う。
赤ちゃんて、隣で寝ている親の寝息でも安心を得ている気がするので、もしかしたら夜通しグーグー寝ているパパもそれなりに役立っているのかもしれません(笑)
ママとパパの脳みその違いは、一緒に子育てをするパートナーとしての守備範囲の違い。やっぱりこれも、ヒトという生きものがそういうふうにできている所以だと思う。
■実母について
なんだかんだ、一番気兼ねなく手伝ってもらえる存在であることが多い。
反面、私の場合、実母による今とはかなり違う昔のセオリーに惑わされることもあった。
ママ友たちからも一番よく聞く、実母を含め周りから言われてママが心配になる&ダメージを受けるのは、“母乳足りてないんじゃない?”発言。特に泣き止まない時に言われてしまうことが多くて、実はお腹空いているわけではないのに、とりあえずミルクを飲ませて母乳育児の妨げになることも。←我が家がこれでした。
久々に共同生活をしてみて、自分の予想以上に実母が歳とって能力が落ちていたり、それとは関係なく今までは気にならなかった面が気になるようなったりと、いうこともありました。
もちろん良好な親子関係があるならそれに越したことはないし、一方血縁があるからといって、無理に手伝ってもらわないほうが良かったりすることもあるので、行政によるファミリーサポートや民間のベビーシッターを利用するという手もあります。
■終わりに
以上、うまくまとまっていなくて読みづらくてすみません。もし何か他にも知りたいことなどあれば、私でよければいつでもご質問ください。命に直結することには十分注意する必要はありますが、それ以外のことは大体全部結果的に大丈夫なことがほとんどだと思います。
深刻になりすぎず、自分の心や体の声を大切に、無理しないことを大切に、周りを頼って肩の力を抜いて赤ちゃんと向き合う、が大事だなあと、初めての産後を経験したあとの今は思います。
って、当時全くそうはできなくて、むしろ真逆で、産後を2回経験した今だからこそ言える話ですが。