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【椎骨の基本構造】前で支えて後ろで守る!

椎骨の基本構造を見ていきましょう。

人の体のまさに軸をつくっている脊柱。
これを構成するのが33個の椎骨です。
ここでは、第六胸椎を例にとって椎骨の基本構造を確認していきましょう。

椎骨をこうやって見てみると、前側と後ろ側で大きく形が異なっているのがわかると思います。
椎骨の基本構造、そのポイントは『前で支えて後ろで守る』です。

まず前側を見てみますが、この前側の部分というのは、こういうふうに円柱状で、丸太を切ったような形をしていますね。
この部分を椎体と言います。
ここは体重を支える部分になります。

この椎体は、椎間円板と靱帯によって上下の椎体と連結されています。
高齢者の骨粗しょう症によって生じやすい脊椎の圧迫骨折では、まさにこの椎体の部分がつぶれてしまい、骨折するんですね。

体重を支える部分だからこそ、骨粗鬆症で骨が弱くなってしまうと、ここが体重を支えきれずに潰れてしまう。それが圧迫骨折なんですね。
このように、椎骨の前側の椎体は、体重を支える部分なんですね。

そして今度は後ろ側を見てみます。
後ろ側の部分な全然形が違いますよね。
ちょっと上から見てみますけど、後ろ側の部分にはこのように、板状の骨がカーブを描くように椎体の後ろに張り付いている。
前に椎体があって、その後ろに張り付いてくっついているわけです。
この部分は弓状にカーブを描いていますので椎弓と呼ばれます。

で、よく見ると、この椎弓の部分は
このように4枚の板が組合わさったような形をしています。
なので、前側の椎体と合わせて、ここに五角形ができるわけです。

なので、この真ん中には丸っこい五角形の穴(孔)が作られます。
この穴を椎孔といいます。

この椎孔、何が通るかわかりますか。

そう脊髄が通ります。
椎骨の後ろ側の椎弓の部分は、脊髄を取り囲んで保護しているんですね。

椎孔というこの穴は、上下の椎体
と合わせて、全体として長いトンネルを作ります。

ちょっとこれ上から覗き見てみますが、こんな感じで、椎孔が全て組み合わさって長いトンネル、脊柱管という管を作ります。
この脊柱管の中を脊髄が通るわけです。

ということは、手術の際に行われる麻酔、脊髄くも膜下麻酔や硬膜外麻酔の際は、この脊柱管の中までアプローチしなければいけない、そこまで針先を進めなければいけない、ということになります。

椎体の後ろ側、椎弓は、脊髄を守る部分なんですね。

このように椎骨の前側の部分は体重を支え、後ろ側の部分は脊髄を守ります。
『前で支えて後ろで守る』、それが椎骨の基本構造なんですね。

以上、椎骨の基本構造を解説してみました。

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