【腎臓の動脈と静脈】腎静脈には左右差がある!
腎臓の動脈と静脈の解剖学的特徴を解説してみます。
腎臓は、腹部のかなり背中側に、左右両側にある臓器です。
この腎臓の血管はどこに出入りしているのか。
腎臓は、腹部大動脈から血液を受けます。
腹部大動脈の横から左右に腎動脈が出て、腎臓に入ります。
血管が腎臓に入るところは腎門といわれ、ほぼ一箇所にまとまっているんですね。
腎臓以外にも、肝臓や脾臓、肺など、このように血管の出入り場所が一箇所にまとまっている臓器というのはいくつかあります。
この腎門から主に血管が出入りするわけですが、それ以外にも腎臓の内側の表面に腎門以外の箇所から動脈が入ることもありまして、これを『過剰腎動脈』と言ったりもします。
さて、腎臓に入った血液が出てくるのも、同じように腎門からです。
腎静脈として出て行って、下大静脈に左右から流入します。
注目していただきたいのが、この左右の腎静脈の長さの違いです。
左の腎静脈は右の腎静脈に比べてだいぶ長いですよね。
それはなぜか。
もともと発生過程において、大動脈が正中にあり、その両側を挟むように下大静脈が両側にあったんですね。
もともと下大静脈は左右にあって、左の下大静脈が消えてなくなることで、最終的にこのような形になったんです。
なので、もともとは左の下大静脈があって左の下大静脈に左腎静脈が流入していたわけです。
しかし、この左の下大静脈が消えることによって、左腎静脈はかなり長い距離を走行して大動脈の前をまたいで右の(最終的に残る)下大静脈に流入する、という走行経路を取るようになったんです。
このように腎静脈の長さにはかなり大きな左右差があるんですね。
ということで、腎臓の動脈と静脈の解剖学的特徴を解説してみました。
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