【肝臓の形①】いろんな方向から見てみよう!
肝臓の解剖について、基本的なところを解説してみます。
肝臓は右上腹部にあり、その上部の大部分を肋骨に囲まれています。
肝臓は肋骨の直下にある、というのが特徴の一つです。
では、肝臓とその周辺の臓器だけを取り出して見てみましょう。
まずは肝臓を正面から見たものです。
肝臓は、その上方を全体的に横隔膜に覆われています。
ドーム状の骨格筋の構造物である横隔膜に上面を覆われているわけです。
横隔膜を取り外してみます。
肝臓を前から見て、『肝臓は左右対称ではない』というのが印象的ですね。
右葉と左葉を比べると、右葉の方が圧倒的にボリュームが大きいんですね。
今度は後ろから見てみましょう。
肝臓を後ろから見た時の特徴は、『下大静脈が肝臓にめり込んでいる』ということです。
下大静脈は肝臓にこのようにめり込んでいて、そして肝臓から3本の肝静脈が下大静脈に流入しています。
また正面に戻りまして、今度は上の面を見てみましょう。
上の面には、先ほど取り外した横隔膜が接していたわけですね。
横隔膜が接していたこの部分を『無漿膜野』といいます。
肝臓の他の部分、大部分は漿膜に覆われています。
例えば肝臓正面のこのような部分は漿膜に覆われていて表面はツルツルしているんですけども、横隔膜に接していた部分は漿膜に覆われていないので『無漿膜野』といいます。
さて、また正面に戻りまして、今度は肝臓の下の面を見ていますと、まず目に付くのは胆嚢ですね。
図では緑色に描かれていますが、この胆嚢が肝臓の下面にペタッと接している。
そして、肝臓の下面を見た時の特徴が、『肝門部』と呼ばれるこの部分です。
この肝門部と呼ばれる限局した一箇所の部分に集中して血管が出入りしているんです。
一番太く青色に描かれている目立つ血管が門脈です。
肝門部から肝臓に門脈が入っています。
そして赤く描かれている固有肝動脈が肝臓に入っています。
あとは、胆嚢とも交通があるこの緑色に描かれている胆管です。
この3種類、すなわち門脈、肝動脈、胆管がこの肝門部で出入りしているということになります。
で、この肝門部から血液が入るわけですが、じゃあどこから出てくるのか。
肝臓の血液は、肝臓の上側から出てきます。
肝静脈が3本肝臓から出て、下大静脈に流入しています。
以上、肝臓の解剖について、基本的なところを解説してみました。
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