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”私物図鑑”vol.1 ~ARCH SAPPRO / BRITISH VENTILE PARKA~
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1 . VENTILE(ヴェンタイル)生地とは…
第二次世界大戦時、イギリスが軍のために開発した"VENTILE"。
その当時、飛行機の性能が現代に比べると格段に低く、空母に着陸なんてできたものじゃなかった。
そこで英国軍は考えたんです。
「海に着水してもらって、その後に船で兵士を拾えばいいんじゃね!?」って。
けど飛行機と同じくらい船の性能も然りだったんですね。
兵士を拾うのに、時間がかかったんです。
そうすると、どうなったか。
海の水温が低すぎて回収待ちの間に低体温症などで兵士たちが次々に…。
そこで開発されたのがまさに"VENTILE"だった。
コットン100%ながら、密度をこれ以上無いほど濃く生地を織ることによって、撥水性、防風性、防寒性が格段にパワーアップ。
その後、海に着水した兵士の生存率が爆上がりした。
まさに、英国を救ったと言っても過言ではない生地が誕生したのだった…。
2 . デザインソース、ディティールは…。
NOMPAREIL P&O社という英国のアウトドアブランドが、1960~1970年代に展開していた、マウンテンパーカーがあるんです。
このマウンテンパーカー、すごいんですよ。
洋服には表地、裏地ってあるでしょ?
普通、裏地は表地に比べてクオリティーが下がるんですよ。
だって着てたら見えないし…。
けどNOMPAREIL P&O社のマウンテンパーカーは、ダブルレイヤーって言って、表地の生地を裏地にも採用したんです。
しかも、シャワープルーフ(防水加工)と呼ばれる、VENTILEに似たコットン100%の高密度生地をです。
そうするとどうなるか。
単純に性能が2倍になるわけですが、それだけではありません。
表地が破れたりしたら、裏返して着たり。
そもそも生地が2重だと、雨でインナーが濡れづらかったり。
もちろん風も通さない。
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余談ですが、ANATOMICAのディレクター、ピエール・フルニエ氏が手掛けた、セレクトショップの先駆けとなった伝説的な名店"GLOVE"でもNOMPAREIL P&O社のアイテムを展開していたのだとか。
品質、クオリティーの高さはそれだけで証明できてしまいます。
3 . VENTILE × NOMPAREIL P&O社 × Arch
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"VENTILE"が持つ歴史。
"NOMPAREIL P&O社"が持つ歴史。
この両者が持つ歴史や時代背景を MADE in ENGLANDでArchが継承。
ただ、MADE in ENGLANDと聞くとテンションは上がりますが、世界的に見たら”日本製”の方が海外の方には喜ばれるのです。
それほど我々が住まう日本という国は技術力がトップクラスなのです。
きっとこのBritish Ventile Parkaも日本製の方が細部もより強く、より綺麗にできるのかもしれません。
ただ、英国にルーツを持つBritish Ventile Parkaを製作するにあたって、現地で作ることによってのみ生まれる雰囲気や付加価値がある。
Ventileという生地も、日本の代理店を通して購入して…。
なんてことしたら20万は超えるでしょうね。
だから英国のファクトリーに直接生地を買ってもらうことで、コストも抑えられている。
従ってこれは、MADE in ENGLANDでなければダメなのだと私は思うのです。
4 . 購入するに至った理由。
最初、本当はネイビーが欲しかったんです。
というのも、流行に左右されないクラシックなアイテムが多いArchの洋服で、今でいうノームコアやテック系のファッション、スタイルができたらカッコいいだろうな。と思ったんです。
そのスタイルをするにあたって、マウンテンパーカーというピースが私には必要だった。というか欲していました。
それらのスタイリングは、カラーなどをシンプルに構成するスタイルだと認識していたので、REDなんて色は正直眼中になかったし、自分には似合わないだろうと食わず嫌いしていたんです。
ただREDをカッコいいと思ったきっかけはシンプル。
「とりあえず着てみた」これです。
「あれ、意外に俺赤似合うじゃん?」ってなったらこっちのもの。
その赤に合わせて様々なスタイルを勝手に考えるようになり、寝ても覚めてもそのことばっかり考えるようになって購入。
最初に興味を持った理由とは打って変わって、やはり時代や流行という風になびかない、Archの洋服が1番カッコいい…。と結局ここに着陸してしまいます。
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札幌で1番目立つ男として、今年の冬はこいつと乗り越えることにします。笑
人の命を救ってきた生地ですからね。冬の寒さなんて余裕ですよ。
春が訪れた時に、どのように経年変化しているかも今から楽しみです。
ご精読感謝いたします。それでは。