福祉の広報。│ひとり広報奮闘記#1
この春から地域に根ざしたソーシャルセクター、NPO法人SMSCで「広報」として仕事をしている。
「福祉の広報」というと周りはキョトンとした顔をする。特に同業者。福祉業界において「広報係」という肩書きは極めて珍しいものらしい。
SMSCの広報室はわたしがジョインしてはじめて立ち上がったものだ。そう言えばこれまで知り合った福祉関係団体に「広報」に関わる部局はひとつもなかった。それだけSMSCが「攻めた」運営をしているというのは言うまでもない。
手前味噌だがSMSCのようなソーシャルベンチャーは近隣地域を見渡してもほとんど見つからない。というより「地域」「福祉」の掛け算で導かれる組織の母数自体がそもそも多くはないのだ。その限られたなかでスピード感と戦略性をもって日々課題解決に取り組むベンチャー的な組織がいくつあるかと考えてほしい。それが「地方」の文脈になるという意味でも当法人の変態性は担保されているのではなかろうか(褒めています)。
そう、「地域」「福祉」「広報」という3本柱で活動するわたしは地域のなかでも業界のなかでも稀有な例であると思う。では日頃どんなことを行っているのか、それ自体は実にシンプルなものである。
わたしが広報係として行っていることは下記のとおりだ。新規事業のプレスリリース配信、宣伝広告紙の製作、HPや各種SNSの運用、補助金・助成金の申請書づくり、採用広報やファンドレイジングの戦略検討などなど…
NPO法人だからといって民間企業の広報室と大きく異なるわけではない。IR、PR、インナーコミュニケーションなど一般的な「広報活動」と言えるような内容の実務をわたしは日々担っている。
では福祉団体の広報室に身を置くわたしは、所属組織が珍しいだけで実態は単なる広報担当なのか?そうではない、とわたしは思う。ソーシャルセクターの広報だからこそ達成したい目標があり、それを実現するために上記の実務が存在する。本当にやりたいことは、もう少しだけ上層のレイヤーにあるのだ。
思えば「地域おこし協力隊」の頃から一貫して掲げているモットーがある。
「地域の抱える課題を地域住民と共有し、じぶんたちでもできるところからアクションを継続的に生み出していくその中心にいること」
これはSMSCに入職してからも変わっていない。わたしのマイプロジェクトは、あくまで「地域づくり」なのだと思う。そしてこのモットーこそ、わたしが地域に根ざしたソーシャルセクターの広報としてやりたいことの本質でもある。地域おこし協力隊として成し得なかった「住民主体の持続可能な課題解決に向けた文化の醸成」。これについて今でも変わらずSMSCで取り組み続けていくのだろう。そう思う。
当法人のミッションは下記のとおり。
「子どもからお年寄りまで安心して過ごせる地域社会の実現」
「地域課題を地域の力で解決する文化づくり」
これらを「広報活動」を通じて実現したい。5年後、10年後、30年後に共に地域課題と向き合い続けた仲間たちと笑って過ごしていられたらと強く願う。
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平成最後の夏は「仕事旅行」に行ってみない?
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