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藤原慎也、「アフリカ・エコレース2025」を見事完走!「2026 ダカール・ラリー」に向けて確かな手ごたえ
トラブル・アクシデントを乗り越え、12ステージ 約6,000kmを走破。トップライダーたちと互角に渡り合い、ステージ入賞も記録!
藤原慎也 Road to ダカール・ラリープロジェクト事務局(株式会社BARIKI:所在地|大阪府大阪市/代表取締役|加藤亮)は、本プロジェクトの発起人でありトライアルライダーの藤原慎也が、2024年12月31日から2025年1月12日に開催された「アフリカ・エコレース2025」に参戦。ステージ6で4位、ステージ8で7位に入賞する等、トップライダーたちと互角に渡り合い、見事完走を果たしましたので、お知らせします。
昨年秋、5日間で約2,500kmを走破する世界ラリーレイド選手権「モロッコ・ラリー」に初参戦ながら完走を果たす等、着実に成長を遂げて挑んだ「アフリカ・エコレース2025」でしたが、12日間のレースもさることながら、そのスタート地点に立つまでも苦難の連続でした。しかし、多大なるサポートを受け、見事ゴールの地、ダカールに到達することができました。当プロジェクトは「2026 ダカール・ラリー」完走を目指し、今後も挑戦を続けて参ります。
■ モナコをスタートし、モロッコ・モーリタニアを経てセネガルの都市ダカールがゴール。その距離は約6,000km
「アフリカ・エコレース」は、偉大なラリードライバー、ジャン=ルイ・シュレッサーとルネ・メッジの経験と、モロッコ、モーリタニア、セネガルの協力によって2008年に創設されました。現在、サウジアラビアで開催されている「ダカール・ラリー」が、かつて“パリ=ダカール・ラリー” として行われた時と同じような、古き良き冒険テイストのあるラリーを目指しており、モータースポーツの本質的な価値である、人間性、社交性、信頼性、連帯感、そしてスポーツマンシップを前面に押し出し、多くの競技者がダカールの地を踏めるよう、「ダカール・ラリー」よりも簡素化されたレギュレーションで開催されています。
昨年の「モロッコ・ラリー」に続いて2度目の海外ラリー挑戦となった藤原は、イタリアにある「チームソラリス」からレンタルしたマシン「ハスクバーナ FR450 Rally」を駆り、上位入賞を目指し、アフリカの大地に挑みました。
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■ スタート前のアクシデントにマシントラブル…。それを救った“仲間”の助け
実は「アフリカ・エコレース2025」と昨年の「モロッコ・ラリー2024」用に発注していたマシンの納車が遅れ、それぞれレンタルマシンで参戦するという事態にプロジェクトは見舞われていました。「ニューマシンのテスト、プラクティスを行うという計画は崩れ、マシンのレンタル費用という新たな出費も発生し、正直苦しい状態でした」(藤原)。
急遽用意してもらったレンタルマシンは、レースに挑むには心もとない整備状況で、懸命に整備はしたものの、ステージ5でサスペンションとステアリングダンパーが故障してしまいました。ラリーにとって命綱である「ナビゲーション」の不調にも見舞われました。
そんな苦境を救ったのがプロジェクトメンバーであり、「アフリカ・エコレース」の完走経験もあるビバーク大阪の杉村氏。懸命の修理に加えて、サスペンションを提供してくれたのです。「レンタルバイクなのでフレームのヨレはすごかったですが、移植してもらったサスとステダンのおかげで、スピードを出すことができました!」(藤原)
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■ “ハイスピードツーリング走法”を体得。ステージ入賞を果たし、トップライダーたちと互角に渡り合う
きっかけは前日のミスでした。好位置につけていたものの、痛恨のナビゲーションミスを犯しステージ7を17位で終えた藤原は、“気分を変えて色々試そうと思い” ハイスピードでツーリングをしているぐらいのスピード感でステージ8に挑みました。すると、ステージ7位を記録したのです。
「むちゃくちゃ攻めてミスコースして時間をロスするより、疲れないハイスピードを維持する方が良いのだと気づきました。ラリーってそういうことなんですね」(藤原)。ステージ9が強風で中止となりましたが、続くステージ10でも好調を維持し、トップ集団に追いつきステージ後半は一緒に走る機会も得ました。トップ集団での走行は想像を絶する苛酷さで「147km/hをキープしながら20~30kmずっとアクセル全開です。いつ何が起きてもおかしくない状況で、本当に危険と隣り合わせです」(藤原)。とはいえ、トップライダーたちと共に走ることで、彼らと互角に走れるスピードが身についてきたと実感できたのも事実。その成長スピードは、ビバーク大阪の杉村氏も目を見張るものだそうです。
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■ ナビゲーション能力の向上がこれからの課題。だが、アフリカの地で2戦続けての完走は大きな自信に
スピードではトップライダーたちに肉薄するも、ステージ7、10でナビゲ―ションミスを犯す等、ナビゲーション能力の差は今後の課題として残りました。
「トップ集団のナビゲーション能力は本当に凄い。『なんであれが分かんねんやろ?』って感じです。一緒に同じスピードで走っていても、彼らのナビゲーションについていけない。全部ハイスピードでこなしてしまうんです。例えば次の指示が200°のCAPで3本くらい道が分かれていて、どれが正解かわからないところがあるとします。彼らは迷わず正解の道に入っていける。入り口が同じ200°で『鳥にならないと分からない』状態なのに、です。何の躊躇もなく入っていく感覚が理解できないですね」(藤原)
それでも過酷な全12ステージを走破し、 MOTOカテゴリー総合22位で完走を果たしました。トラブルやアクシデントに見舞われながらも、世界のトップライダーたちと互角に渡り合い、着実に成長を遂げた12日間でした。
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■ ルート&リザルト
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■ 藤原慎也選手からのコメント
海外レースにプライベーターとして挑むことは、想像以上に高い壁があります。それでも2024年から2026年の3年間で「2026 ダカール・ラリー」への挑戦を目標に掲げ、メインスポンサーである株式会社松尾製作所様をはじめとする多くの協賛企業様のご支援を頂きながら、日々準備を進めています。
この1年で多くの困難がありました。特に2023年に発注した「GASGAS RX450F Rally」の納期が間に合わず、「モロッコ・ラリー2024」や「アフリカ・エコレース2025」での使用が叶わないという事態に直面しました。納車の遅れによって計画していた新車でのテストや練習プランはすべて崩れ、急遽イタリアの「チームソラリス」を通じてレンタル車両を手配することになりました。
「モロッコ・ラリー2024」のレンタル費用に加え、「アフリカ・エコレース2025」でもレンタル費用が発生し、想定外の多額なコストが発生しましたが、松尾製作所様をはじめとする協賛企業様や多くの方々のご支援のおかげで、このピンチを乗り越えることができました。また、イタリアや海外のチームとのご縁によって、必要なサポートを受けることができ、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
急遽準備されたマシンは、初めて見た時には砂や泥がついた状態で、決して万全なものではありませんでした。それでも、多くの協力を得て、「どうにかしてこの状況を乗り越える」努力を続け、何とか「アフリカ・エコレース2025」への参戦を実現しました。
普通の人なら人生に一度挑むかどうかの大きなレースで、このようなギリギリの準備状況で挑むのは非常に悔しく、残念な思いもあります。しかし、日本という島国からプライベーターとして世界の大舞台に立つには、たくさんの困難が伴います。それでも、皆様のご支援のおかげで挑戦を続けられていることに感謝しかありません。
「順調に準備を進めている」と思われている人がいるかもしれませんが、こうした問題や課題を抱えながらも、何とかレースに挑んでいるのが現実です。それでも私には、協賛企業様はじめ、多くのサポーター、そして応援してくださる皆様がいます。この力添えがあるからこそ、困難な壁も乗り越えることができています。
「2026 ダカール・ラリー」への挑戦に向け、これからも全力で進んでいきます。そしてこの挑戦を通じて、私自身の成長とともに、皆様に感謝の気持ちを届けたいと思っています。今後とも応援よろしくお願いいたします!
余談
今回の「アフリカ・エコレース2025」は、兄も一緒に参戦していました。その兄、藤原由樹選手はステージ11の移動中に骨折するというアクシデントに見舞われました。何と病院に行ったら、骨が10ヶ所折れていて…。実は序盤に転倒した時に肋骨が8本ぐらい折れていて、その状態で4,000kmぐらい走っていたようです。何とも凄い兄貴です 笑
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■ SMRPとは
SMRP(=Shinya Fujiwara Matsuo Manufacturing Racing Project[藤原慎也 Road to ダカール・ラリー supported by 松尾製作所])とは3ヶ年計画で「2026 ダカール・ラリー」で完走を目指すプロジェクトで、2024年4月に始動しました。同年6月にオーストリアで開催された「FIM Red Bull Erzbergrodeo」に参戦し、その後は国内でレース出場やトレーニングを積んできました。10月には 世界ラリーレイド選手権「モロッコ大会」(FIM RALL du Morocco)に初参戦で完走を果たし、「2026 ダカール・ラリー」への参戦権を手にすることができました。2025年も引き続き「2026 ダカール・ラリー」完走を目指し、国内外での大会参戦、トレーニングを予定しています。
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藤原慎也 プロフィール
1990年1月6日生まれ、兵庫県出身。7歳からバイクにまたがりトライアルを開始。16歳で国内A級シリーズチャンピオン獲得。2014年には国際A級シリーズチャンピオンに輝く。2018年、大阪のど真ん中、通天閣でトライアル大会「City Trial Japan 2018 in OSAKA」を実行委員長として大成功させる。当大会は現在、全日本選手権シリーズに加わり継続開催されている。2016年からはハードエンデューロにも挑戦。「夢を与えるライダーとなる」ことを目指し、世界一過酷なレースと言わる「Red Bull Erzbergrodeo」に参戦。また、日本各地でトライアルのデモを行ったりと、様々な活動を続けている。
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■ 「2026 ダカール・ラリー」完走を目指し、国内外での大会参戦・トレーニングを予定
藤原慎也が完走を目指す「ASO DAKAR RALLY(2026 ダカール・ラリー)」は、バイク、自動車、トラック等が砂漠や山岳地帯、泥濘地などあらゆる路面をどれだけ短い時間で走破できたかを競い合う競技です。過酷な環境下、強靭な肉体、精神力が必要で、故に「世界一過酷なラリー」と呼ばれ、完走率50%程度の厳しい大会です。アフリカ大陸で30年、南米大陸で11年開催され、2020年から中東へ移動しサウジアラビア1国での開催となっています。2025年は大会に向けた最後の1年となります。2~3月にオーストラリアへのトレーニング遠征、5~6月、8~9月にそれぞれ大会参戦・トレーニングを目的としたヨーロッパ遠征を予定しております。
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