出版する『まえ』と『あと』
「14年間、事務しかやってこなかったから。事務しかできない」
と、事務代行としてオンラインで開業したのは7年前(2014年)のことでした。
小学生の頃「声が小さくて聞こえない」という理由で、何度も何度も廊下に立たされていた私は、人前でしゃべるのはもちろん、注目されるのも大の苦手。事務なら自分がガンガン前に出る必要もないだろう。という理由も、無意識のうちにあったのかもしれません。
有名になりたい! 事業を大きくしたい! なんていう野望はゼロ。
とにかく「自分を活かしたい」「社会と関わりたい」という想いと、あとはただの好奇心でした。だから、将来の展望なんて何もなく。
下請けの仕事からスタートして、だんだん自分で仕事を取れるようになってきて、あっという間に手がいっぱいに。
こんな風にいうとすぐ売れっ子になったように聞こえるかもしれませんが、事務の仕事は自分の時間を切り売りしているのと同じこと。仕事に割ける時間=収入の上限はすぐに訪れました。
せっかくいただいた仕事をお断りするのは心苦しく、お手伝いしてくださる方を募集することに。
少しずつ人にお任せできるようになってきましたが、自分の当たり前が人の当たり前ではないことに驚くような、いくつかの小さな事件があったり、お手伝いしてくださっている方から「講座を開いて欲しい」と要望があったりで、事務代行として開業するための講座を開くことになりました。
とはいえ前述の通り、人前で話すのは苦手なのです。
当時住んでいた芦屋から東京へ行く用事があったときに「東京で講座を開いて欲しい」と言われ、初めて講師として講座を開くことになりました。
前日、品川のホテルで「なんで引き受けたんだろうか…」と考えていたことを今でも覚えています。
それからは「オンライン事務局」として講座の受講生にだけ仕事を依頼するようになりました。
講座が苦手だといっても、オンライン事務局の仕事を手伝ってくれる人は必要です。大々的に募集することはありませんでしたが、ブログやホームページにひっそり載せていると、受講希望の方からお問い合わせいただき、不定期で開催していました。
人前でしゃべるの苦手だから事務やってたはずなのにな… と思いながら。
一方で「こんな働き方があることをもっと知ってもらいたい」という気持ちもあり、「もっと前に出たらいいのに」というアドバイスも何度いただいたことか。
そのたびに「人前に出るの苦手で。でも、そうも言ってられないですよね」と返答していました。
そして、東京で何度めかの講座開催の夜。
たまたま集まった4人の中で、本を出版していないのは私だけ。
夜は更けていき、話は「もっと前に出たらいいのに」とよくある流れに。
いつものように
「人前に出るの苦手で」と答えて、それで終わるはずが、その日は違ったのです。
「じゃあ、本書けばいいじゃん!」と。
なるほど。文章なら時間はかかると思うけれど、書けるかもしれない。
頷く私に、作家のご夫妻がすかさず
「良い出版社を紹介してあげる!」と、ご紹介いただけることに。
よくある自費出版や自分でAmazonに載せるものではなく、商業出版として本を書くことになりました。
初めての執筆。講座で喋っているようなことを書けばいい。
わかってはいたけれど、文章にするとなると、講座より更に頭を整理しないと書けません。
途中まで書いたのに目次からやり直したくなったり、何度か書き直しがあったり、忙しくて書けない時期があったりと、気がつけば、東京への引っ越しも挟んで約3年の月日が流れていました。
表紙もデザインしていただき、いよいよ2021年2月22日に発売決定。書き終えてようやくこれで終わりだとホッとしていたはずが…
当たり前ですが、本を書いた後は売らなきゃいけません。
出版のお知らせをするのにドキドキ。
第一章が先に公開されてドキドキ。
買いますと言われドキドキ。
発売日に配信されたものを読んで、これで良かったのかしらとドキドキ。
読んで欲しい気持ちと恥ずかしいから読んで欲しくない気持ちがないまぜになった複雑な心境。
ホッとしてなんていられませんでした。
1人でも多くの人に届けるには、必要な人に届けるには...
あれ?
人前に出るの苦手だから本を書いたのに、めっちゃ前に出ないといけなくなってるやん!
こんなはずじゃなかった感がありつつも、出版したことによって、RPGでいうところの新しい武器を授かったような感覚もあり、現在「出したからには知っていただかねば!」という心境に。恥ずかしさも段々と薄れてきました。
喋るのも下手だし、注目されることにもまだまだ慣れませんが、この新しく授かった武器を片手に、これからはどんどん出ていこうと思います。
だから、お願いです!
・ラジオ、ライブ配信、clubhouse、YouTubeなど対談形式でゲストを募集されてる方いらっしゃいましたら、ぜひ呼んでください。
・ママさんなど在宅ワークのお仕事を必要としてそうなコミュニティをお持ちの方はぜひご紹介お願いします。
そして、
興味あってもなくても
必要でも、今のところ必要じゃなくても。
・本、買ってください!
・レビューを書いてください!
紙の本はこちら(3/11発売)
よろしくお願いいたします😊
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