ガンになった28歳の冬の話⑦

前回のあらすじ

初めて演劇から逃げ出してしまったかしたに。でも、その選択は正しかったと思える。迷惑をかけてしまってごめんなさい。理解してくれてありがとうございます。このご恩は、必ず次の舞台の上でお返しを。

3月に出演予定だった舞台を降板したことで、わたしは当初予定していたよりも早く地元大阪に戻り、紹介状を書いていただいた病院を受診することが出来た。その病院は「大阪で甲状腺治療をするなら!」とおすすめされた所だった。持ち物は病理検査の結果が入った紹介状と予約表。いざ、戦場へ。

エピソード1 待ち時間エグい

さすが、太鼓判を押される病院だけあって、甲状腺を見てくれる「乳腺内分泌外科」の混み具合が半端じゃない。特に紹介状を宛てたT先生(甲状腺病罹患者ならたぶんこのイニシャルでどこの誰だかピンとくる)は有名な先生らしく、しかも診察日が週に1日のみというガチャ率SSR級のレアキャラだった。予約時間から2時間が過ぎ、ようやく診察室へ入室することが出来た。

エピソード2 血 めっちゃ取られる

これは、採血のときに看護師さんがビックリしていたので印象に残っている。例のごとく震えながら採血を待っていると看護師さんが「はい、じゃあ採血しますね〜、えっと、8本…え、8本?!あら、ぎょうさん(関西弁で“沢山”の意味)取るんやねえ。はい、確認しますね。いち、にぃ、さん、しぃ…」と採血用のボトルを数え出したのが個人的にツボだった。そのあと確認で2回、一緒に数えさせらた。採血終了後、看護師さんが「よぉ頑張ったなあ〜」と褒めてくれた。彼女の目にわたしは何歳くらいに映っているのだろうか。(デジャブ)

エピソード3 わたしの肺活量、基準値の半分

これはシンプルにわたしの肺活量少なすぎ問題。これでよく歌って踊ったなあ、と思った。検査士さんが「いや、そんなはずは…」と言って、3回やり直してくれたけどあんまり変わらなかったらしい。なんか、ごめんなさい。

他にも心電図、CT、レントゲンなどいろいろいろいろ調べて、待ち時間も含めてほぼ一日仕事でヘトヘトになってお会計へ。9,830円也。癌って高額医療なんだなあ、と実感する。

生まれて初めてこんなに検査項目並んでる領収書見た。

翌日も検査だということで、これは結構早めに手術まで漕ぎ着けそうだ、と少し希望を見出した。

つづく!

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