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「#句具ネプリ -2024夏至-」の好きな10句

久しぶりの感想note。
感想をツイートしていたのをまとめました。(なので短めです。)



喜んで何度でも死ぬ水鉄砲 生野薫

どういうこと!?と思ったら下五の季語で納得。下五が締まるのは上五中七の緊張感が素晴らしいからこそ。日常だったら何度も…なんてあり得ない。しかも「喜んで」だなんて。でも水鉄砲ならそれがあり得ちゃうんだよなあ。楽しい夏休み。終わらないで欲しい。


飛魚が日付変更線の上 企鵝

一見壮大だけど、実はどこでだってあり得ると思わせる光景。日付変更線は人間が決めたもの。飛魚や地球には関係のない線。軽々と日付変更線の上を行く飛魚は時空まで超えていきそう。


中七にブーゲンビリア置いてみる 宮武由佳子

本当に置いちゃったよ。
他のどの花でもなく「ブーゲンビリア」を置いてみる華々しさ。豪快。


仕舞ひ湯のぬるさに溺れさうな夏至 柊月子

本当に仕舞ひ湯で溺れる事は(ほぼ)無い。でも、溺れるかもしれないと思うくらい夏至の仕舞ひ湯は温かったんだろう。
その感覚が素敵で、夏至の夜らしさが溢れている。


毒色のメロンソーダが運ばれ来 樹海ソース

最近メロンソーダ飲んだばかりなんだけど「毒色のメロンソーダ」って強烈。どれだけ緑だったんだろう!?いつも何も考えずに飲んでいるけど、よく見れば見るほどあの色って不自然。自然と受け入れてしまう人間とは不思議。あれは加工物。毒かもしれない。


わたしより海を見ているサングラス 草夕感じ

サングラス越しに海を見ているのかな。そう思ったらわたしよりサングラスの方がちょっとだけ海に近い。サングラス越しのわたしより、海を真っ直ぐ見ている感じがする。素直な気付き。私もこれくらい素直になりたい。


豚由来のサプリ滲み入りる熱帯夜 猪倉さえこ

サプリメント、ニュースにもなりましたね…。「豚由来」のサプリメントだと思いながら飲む、複雑な感情。熱帯夜と豚の響き合いが絶妙。句会だったらこの句取っちゃうと思う。


怪物を生まないように買う苺 ツナ好

私は自分の為に買うと読んだけど、同居している子供やパートナーの為にだってあり得るな!?お供え物みたい。西瓜とかではなく苺なのが可愛い。さすがに苺では怪物にはなれまい。


ペチュニアは咬みます指を出さないで 桃園ユキチ

妙な説得力!これが詩のちからというやつです。


道端に仰げば山の全部が夏 クズウジュンイチ

最後の「全部が夏」が格好良すぎる。そう言われちゃったら全部が夏だよ。説得力の塊。全身に山の、夏の空気が巡ってくる感じまでする。すべての血が夏になる。私も夏の一部だ。





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