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045「ゴルフ場で研修」の可能性を探る

女性ゴルファー創造プロジェクトって?

 ゴルフ産業では現在、様々な産業活性化策が議論されていて、その中の幾つかに私も携わっています。

 その中の一つに「女性ゴルファー創造プロジェクト」という組織が密かにあります(別に秘密にしている訳じゃあないのですが、特にPR活動もしていないので業界内でも殆ど知られていません)。

 この組織、私がコンサルティング契約を締結させて頂いている(公社)日本プロゴルフ協会(PGA)様と弊社(矢野経済研究所)を事務局として、PGA以外の主要ゴルフ10団体から選出されたメンバーによって構成されているタスクフォースで、ものすごく簡単に言うと「どうしたらもっと女性ゴルファーを増やせるか」を考えて実行する期間限定の集まり。もう少し噛み砕くと「女性がゴルフに触れる機会を創出」することに主眼を置いた組織、という表現になります。

「ゴルフ場での企業研修」の優位性を探る

 このプロジェクトは既に8回の会合を重ねています。縦割り構造の強いゴルフ産業故に、なかなかメンバーの意見が一つに「ビシッ」っとまとまることはなく、まさに「三歩進んで二歩下がる」ような時もありましたが(進行役である私の至らなさも一因であることは重々承知しておりますハイ)、「企業が社員教育の一環としている社員研修のゴルフ場での実施を目指す」方向で話が進んでいます。何故ゴルフ場で企業研修をすることが女性ゴルファー創造に繋がるのか?というロジックは以下の通りです(かなり端折りますが)。

・当社のこれまでの調査で、ゴルフを始めたいと考えている潜在需要は他のスポーツアクティビティと比べても高い傾向値が出ている

・それでもなかなか新規層が増えない要因のひとつが「始めるきっかけが見つからない」である。つまり日常生活の中で(自ら動かなければ)「ゴルフに触れる機会」が殆どない

・それならば、産業側のリソースを駆使して「ゴルフに触れる機会(本人が望むと望まざるとに関わらず)」を創出しよう

 という中で出てきたのが「企業研修をゴルフ場でやっちゃう」というアイデア。

(上述した「(未経験者は)ゴルフに触れる機会が殆どない」という点に対して「産業側で様々な施策を講じていてるじゃないか!」という反論もあろうかと思います。確かにそれはそうなんだけれど、そうした施策がターゲットの耳に届いているか、届いていたとしてもその人が「楽しそう!」というワクワク感を持てる届け方ができているのか?が根本的な問題であるように感じます。これは私が担当している「PGAゴルフデビュープログラム」に対する自省を込めての意見でもあるのだけど)

 コロナ禍ということもあり、なかなかリアルに集まっての研修実施が難しいという問題はあるものの、いつか収束したタイミングで即動けるよう「弾込め」はしておく必要はあるよね、ということで、昨日は会場候補の一つである群馬県高崎市の「サンコー72」様を訪問。

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 宿泊型研修にも十分対応できるインフラが整っており、関東の企業であれば東京から新幹線で1時間足らずという立地もなかなか魅力的。

 こうした環境ならば、全くゴルフに興味がない人でも「ちょっと球打ってみようかな」という気持ちになるのではないかと。

 一方研修を実施する企業側の視点に立ってみると、ゴルフ場で研修を行うメリットは以下のような点に集約されるのではないかと思う。

・街中(繁華街)から離れた場所にあるので、夜中に社員が「夜の街に繰り出す」リスクが低い

・自然豊かな環境の中で、リラックスして研修に臨める

・ゴルフ実技を研修のカリキュラムの一環として取り入れれば、従業員の運動不足解消やストレス軽減にも繋がる(健康経営の一環としての研修、という座組構築も可能)

・ゴルフ実技にゲーム的要素を盛り込めば、チームワーク強化、社員間コミュニケーション向上にも繋がる

 コロナの状況にもよりますが、今年9月から10月あたりでの実証実験(テストマーケティング)実施を目指しています。

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