トイレ掃除の効能

「トイレ掃除は1日数分でできるし、
1つのことを続けれたという自信になる。
トイレ掃除と新しく『できたこと』を結びつけることで、
連動してそっちも続くようになる」

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 この日、ある番組の収録のために、僕が尊敬している著者でもあり、ある業界の有名な先生の元を訪ねた。秘書の方に部屋に案内され、フロアの一室にある部屋に入る。

「今日はどんな話が聞けるかな。」と楽しみにしながら先生を待っていた。最初の頃は緊張でカチガチだったのに、今は慣れている自分がいて嬉しい。

 先生が入ってきて、
「じゃあ、始めようか」

 僕が関わってきた偉大な師匠達は、収録や打ち合わせのスピードが飛ぶように早い。そこに、無駄な時間はない。1分1秒も大事な時間なのだろう、といつも思うが、偉大な師匠達は時間が一番貴重なことを知っている。だから、収録はもちろん、打ち合わせもほとんどサクッと始まるしサクッと終わる。皆、例外なく、「時間が一番大事」と話す。特に「時短」には金を惜しまない。

 今回の収録も、スムーズに終わった。収録の内容について、素直に思ったことを先生に話す。

こくぼ「今回のお話も面白かったです。明日からトイレ掃除を始めてみます」

先生「やった方がいいよ。トイレ掃除は1日数分でできるし、1つのことを続けれたという自信になる。」

こくぼ
「小さいことの積み重ねですね。」

先生「他に新しく始めたことがあれば、トイレ掃除とその『できたこと』を結びつける。そうするとトイレ掃除と連動してそっちも続くようになる」

 この話を聞いて以来、次の日からトイレ掃除が習慣になるとは思わなかった。「ビートたけしさん」「和田アキ子さん」「松下幸之助さん」などの著名な方もトイレ掃除をしていた(いる)そう。何より、僕にとっては先生がトイレ掃除を習慣にしていて、さらに、ホテルに泊まった時もホテルの水回りを綺麗にすると聞いて、「自分もやるしかない」と思った。

「人は習慣の奴隷」という格言があるが、どんな習慣を持つかが全てだと思う。「できる」こと前提で「できる理由を探す」のか。「できない」こと前提で、「できない理由を探す」のか。行動し続けれる人は「できる」ということが、思考に染み付いている。

「トイレ掃除が遅い人は、仕事も遅い」「トイレ掃除が荒い人は仕事も荒い」「トイレ掃除が続かない人は他のことも続かない」仕事と生き方って連動してるなと。だからトイレ掃除から始める。

 元々、僕は毎日髪を剃ってスキンヘッドにすることで1日のセットアップをしていたが、先生の話を聞いて今ではトイレ掃除に変更になった。結局、なにか継続するために特別なことをやる必要なくて、やれることは目の前にある。結局、その積み重ねでしかない。

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