なぜわけのわからないものが流行るのか
世の中どうしてこんなわけのわからないものが流行るのか、どうしてこんなレベルの低いものが人気なのかということが多々あります。どうしてなのでしょうか。
結論から書くと、「人は人の影響受けやすい」ということです。
初期の段階では、わけのわからないものが良いと思っている人、質の低いものが好きな見る目のない人、新しければ何でも良いと思っている人、他人にものすごく影響を受けやすい人(いずれも当然自覚はありません)などごく一部の界隈で人気になります。
次に、わけのわからないものがまあまあ良いと思っている人、まあまあ質の低いものが好きな人、新しいものがそれなりに好きな人、他人にけっこう影響を受けやすい人などが、初期の段階の人達から影響を受けて好きになります。
さらに次に、ちょっとわけのわからないものが良いと思っている人、少し質の低いものが好きな人、新しいものがやや好きな人、他人にそれなりに影響を受けやすい人などが、次の段階までの人から影響を受けます。
さらに次は、(簡略化して書きますが)普通の人がその人達から影響を受け、さらにそれなりに質の高いものが好きな人やそれほど影響されない人が普通の人達に影響されていきます。
後はもう分かりますね。こうやってドミノ的に悪いものが多くの人に浸透していきます。ついでに付け加えると、こういう人たちは見る目がないので、判断基準が他人にあったり人気で良い悪いを決めたりします(やはり当然自覚はないですが)。
もう一つの観点でいうと、メディアを介した広がり方があります。メディアと言っても今の時代はテレビや芸能人だけでなく、いわゆるインフルエンサーと呼ばれる人やSNSのフォロワーとかが多い人もメディアにあたります。
やはり同じように、わけのわからないものや質の低いものが出てくるとそういったものを好むメディアや新しいもの好きなメディアが取り上げる→認知度が上がって、わけのわからないものが好きな人や質の低いものが好きな人、新しいもの好きな人が話題にする→まあまあレベルの低いメディアやそれなりに新しいもの好きなメディアが取り上げたり、話題になってきたこと自体をメディアが取り上げたりして認知度がさらに上がる→さらに話題になる…といった具合です。
もちろん、そもそも芸術や芸能、食など良い悪いや質の高い低いを判断できない分野もたくさんあります。また、このようにわけのわからないものや質の低いものだけでなく、良い物が同じように広がっていくこともあります。今回はわかりやすく説明しただけで、本来は広告や宣伝をはじめいろんな要素が関わってくるし、こうならない場合もあります。しかし、わざわざ悪いほうを取り上げているのは、悪いものや質の低いものが流行らないようにという注意喚起もありますが、それ以上に、繰り返しになりますが、人は人に影響されやすいということです。冷静に見たり考えたりすれば明らかに良くないものでも、それを良いと思ったりそれが流行ったりする時、必ずと言っていいほど他者の存在が大きく影響していると同時に、判断基準が他者にあるという人が多いということです。そしてそれを自覚していないということです。