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企画から4年半?スマイルズを探究した学術本「スマイルズという会社を人類学する」が発売中。

こんにちは。スマイルズ広報の蓑毛です。
みなさまに嬉しいご報告をさせていただきます◎

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弘文堂さんより、『スマイルズという会社を人類学する -「全体的な個人」がつなぐ組織のあり方』という書籍が10月9日、発刊となりました!

本日19時からは、ABCさんにご協力をいただいて、こんなオンライントークイベントも開催します!

コトのはじまりは、4年半前。2016年からスタート

私が中途入社したのは2015年1月なのですが、そのころから

「スマイルズとはどんな会社か?」ってなかなか外からはわかりづらい・・・!?

コーポレートブランディングを考える上で、スマイルズを主体とする書籍をつくりたいね、という話を社内でしばしばしていました。

それまで、創業者遠山正道の著書でSoup Stock Tokyoにまつわる書籍『スープで、いきます ―商社マンがSoup Stock Tokyoを作る―』や、セレクトリサイクルショップPASS THE BATONにまつわる書籍『やりたいことをやるというビジネスモデル -PASS THE BATONの軌跡-』は刊行していましたが、”スマイルズという会社”についての書籍はなかったんです。

決して「成功事例のご紹介!」という意味ではなく、これまで私たちが培ってきた、今もなお試行錯誤しながら有機的に変化するスマイルズという村のような組織のあり方を解剖しご紹介することで、これからの企業や組織を考える方にとって、何かしらヒントになることもあるのではと考えており、どういう内容の書籍がいいかな~とゆるく妄想していたころ、弘文堂の編集者・加藤さんよりご連絡をいただきました。加藤さんは、『やりたいことをやるというビジネスモデル -PASS THE BATON -の軌跡』の編集者でもあり、当時はPASS THE BATONの書籍づくりを通じて、スマイルズという会社に興味を持ってくださっておりました。

「文化人類学×スマイルズ で、書籍づくりができたら面白いのは?」

突然そんな面白いお話を持ってきてくださったのが、コトのはじまりでした。そのころ、ちょうど代表の遠山も取材や講演会等で「スマイルズは村のようでありたい」という話をしていて。(参考:REWORKでの馬場正尊さんとの対談インタビュー「<後編> 50個の村のような組織と、実家のようなオフィスがつくりたい。スマイルズ・遠山正道さん」)

「文化人類学」と「村のような組織でありたいスマイルズ」との相性はいいはず!ということで、企画がスタートしました。
「文化人類学×スマイルズ」と一言でいっても、どんなアプローチがよいか、何度もブレストを重ねました。

スマイルズ×文化人類学?

例えば、遠山×文化人類学者 の対談を収録していく方法や、文化人類学の用語(アフォーダンス、ブリコラージュ、コモンズ、多文化主義、コミュニタス、交換、贈答、互酬性、冗談関係、聖と俗(ハレとケ)etc...)を用いて、スマイルズという組織を解剖(解説)していく方法など。

当時の企画構成案をチラ見せいたしますと・・・。

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(これはこれで、とても興味深い構成案でした^^)

どんな方に手に取って読んでいただきたいか、スマイルズという掴みどころのない組織の在り方をどのような形で表現すれば他社の方々の参考にもなるか、文化人類学的要素をどう盛り込むか、、、数か月にわたり何度も議論を重ねる中で、「文化人類学者の方にフィールドリサーチしてもらえたらいいですね!」という話に至りました。文化人類学的アプローチそのものに意味があり、スマイルズという組織にぴったりだと。

会社でフィールドワークをする

そこからは、今回のフィールドワークおよび書籍執筆にご協力いただける文化人類学者の方を探し、小田先生、熊田先生、阿部先生と出会うことができました!加えて当日大学院生だった村主さんも調査に参加してくださることになり、われわれが運営するファミリーレストラン「100本のスプーン 」にアルバイトとして入社し4か月にわたり実際に働きながらフィールドワークしていただきました!(まさに潜入調査!)その様子はコラムとして執筆していただいています。

「スマイルズでフィールドワークする」ということは、本当は実際に社員として入社して仕事をするのが一番いいという話はありつつ、現実的に先生方は大学での講義も持っていらっしゃりお忙しいので、週一回のペースでオフィスに来ていただき、スタッフへの個別インタビューや座談会を実施してもらいました。(2017年9月~2018年7月まで)

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▲遠山にインタビューする小田先生 @スマイルズオフィス

その他、私たちが運営するさまざまなブランド事業の店舗にも足を運んでいただいたり、時には社内のブレストの様子を観察されたり

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スマイルズが主催するイベントにも参加されたり。

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そういった形で約1年近くかけたフィールドワークをもとに、どんな構成でまとめ上げていくか。そこからは私たちの手を離れ、著者である先生方と編集者加藤さんとで詰めていただき、いざ執筆。あの大量の調査内容をもとにどうやって書籍の構成を考えていかれたのか・・・そのあたりは今後開催する著者とのトークイベント等でぜひ掘り下げて伺っていきたいと思いますが、調査を終えてから約2年。ようやく完成した書籍のタイトルは『スマイルズという会社を人類学する―「全体的な個人」がつなぐ組織のあり方』

はじめて原稿を拝読した時の感想は、

「この捉えどころのないスマイルズという組織をある意味見事に捉えてる・・・!」。

小田先生の文化人類学にとどまらない幅広い知見を踏まえた考察が非常に興味深く、われわれスマイルズの中の人にとっても発見や気づきの多い書籍となりました。

よく取材などで「スマイルズさんはどのようにカルチャーを浸透させているんですか?具体的な取り組みはありますか?」と聞かれることが多いのですが、実はこれといった施策は行っておりません。それでもカルチャーが浸透している、スマイルズらしさというものを感じていただくことがあるとすれば、そのヒントがこの書籍にまとまっているかもしれません。

ところどころアカデミックな考察がやや小難しく感じる部分もあるかもしれませんが、そのあたりは今後著者の先生方とのトークイベント等で解説していただいたり、掘り下げていきたいと思います!

目次はこちら

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目次をご覧いただいて、ご興味を持っていただいた方は、ぜひお手に取っていただければと思います。そしてご感想などぜひ聴かせていただきたいです!もし書店でこの書籍を見かけましたら、「おわりに」を読んでいただくこともおすすめします!文化人類学の先生方の著書の「おわりに」を、スマイルズの中の人のメッセージとして、取締役・野崎亙が執筆させていただきました。

最後に

本書籍の企画段階から多大なご尽力をくださった弘文堂の加藤さん、三徳さん、そしてスマイルズをフィールドワークして書籍にまとめるという壮大な企画に「面白そう!」と賛同してくださりご参加くださった小田先生、熊田先生、阿部先生、村主さん、その他書籍づくりに関わってくださった皆様に、心より感謝申し上げます。

こういった形で客観的な視点でスマイルズを取り上げてくださり、考察してくださり、いくつもの視点を示唆していただく貴重な機会をいただけましたこと、心よりうれしく思います。

先生方のインタビューや座談会等に快く協力してくれたスマイルズスタッフにも感謝◎

【余談】装丁のはなし

今回、装丁を担当してくださったのはUMA / design farmの皆さま。
この書籍を読み込んでデザインしてくださったとのこと。

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この表紙は、Soup Stock Tokyoでご提供している「オマール海老のビスク」から着想を得ているとのこと。章ごとの扉ページのデザインにもちょっとした仕掛けがあるので、ぜひご覧ください◎

またカバーを外すとお目見えする表紙の紙には、大阪の花園ラグビー場の芝生が練りこまれた紙を採用されています。

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普段、書籍を読んでいても何気なく見過ごしがちな装丁や細かなデザインについてもデザイナーさんの意図や著者の思いが込められていると思うと、とても興味深いですよね。装丁デザインについてもお話伺ってみたいな~と思ったり。ぜひそんな視点でもお楽しみいただければと思います◎

この書籍はおそらく1回読むだけでなく、その解釈などについていろんな方と意見交換したりすることで思考が深まったり、発見や気づきが増えていく書籍だと感じていますので、今後、スマイルズとしてもそういった機会を作っていければと思っています。


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