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負けないこと。

こんにちは☺️✨児童養護施設出身、少年院出身の青年の、自立サポート団体『NPO法人スマイルリング』での、若者たちとの日常をnoteします☺️

少年院を出た後の

青年たちの帰る場所が

暖かい所ばかりだと良いのだが。

実際は帰る家がなかったり、
あるけど、
“帰らないほうがいい”家の場合もある。

このような青年達を
暖かく受け入れてくれる場所が
社会の中に増えていって欲しいのだ。

彼もまた、少年院を出院後、家には帰らない、帰れない青年であった。

少年院を出院後
全く知らない土地で、

全く知らない人たちに囲まれ、
本当の自由の無い
不安極まりない生活を送っていた。

『このままでは、
自分はまた、何かしでかしてしまうのではないか』

不安と孤独でいっぱいの心。

少年院にいた頃、“講話”に来た
スマイルリングの代表、堀田のことを思い出した。

『ここを出て、困った事があったら電話寄越せよ』

確かこう言っていた。

ホームページを探し、
勇気を振り絞って連絡した。

堀田はすぐさま車を飛ばし、
片道3時間ちょっとはかかる所に住んでいた
彼に会いに行った。

彼の話に耳を傾けた。

その場で、
彼を現状から救うための
ありとあらゆる手立てを考えた。

彼と会った後の帰り道、堀田から電話を貰った。

iPhoneの向こうから、
これまたいつもの、少々興奮気味の早口で
彼のことを一生懸命話してくれた。

その時から、私の心の中に
一人の青年が居付くことになった。

毎日、写真でしか見た事が無い
その青年の事を考えていた。

やがて彼が別の土地に移る事になり、
心機一転、文字通りのゼロから
人生を生き直す為の闘いを始めた時も、

まだまだ本当に若い。
 甘えたいだろうな。
 助けて欲しいだろうな…

そう思って、遠くから見つめていた。
心配だった。

でも、
彼の事を本気で大切にしてくれる
とても素晴らしい大人達に出会えた事を聞いて、

“ああ、本当に良かった…”

そう思った。


そんな彼と電話で話すようになった。
嬉しかった。
とても“良い声”の青年だった。

話せば話すほど、
彼の豊かな感受性に感動した。


心の優しい、青年である。

心が沢山、傷付けられた青年である。


いつからか、私のことを

『お母さん』

と呼んでくれるようになった。

その青年は、

私の大切な『息子』になった。


今その“息子”は、手のひらにいっぱい
タコを作り、両手の皮がずる向けになりながら
厳しい親方の元で、一生懸命に修行している。


何故かは分からないが、
“普通”に暮らす事がとても難しい星の元に
生まれる人がいる。

彼もそんな一人だ。


親に、

当たり前に愛情さえ、

与えて貰えたなら。


ただそれだけ。
本当に、ただそれだけで、
彼の人生はどんなに明るいものであったか。


そうは言っても、仕方の無い事だ。

引きずり下ろされるか。

泣きながら這い上り、
自分の人生を
本当に自分のものとして輝かせていくのか。
2つにひとつしか道は無い。

そんな辛さに
毎日すり潰されそうな息子に

これでもかと、
容赦なく
理不尽な試練が襲い掛かる時

私は実は泣けて仕方ないのだが。


『負けないことですよね。お母さん』


どんなに荒れ狂って怒り、泣き、
自暴自棄になった後でも、
そう私に言ってくれる健気な息子が、

本当に『世界一の幸せ者になりますように』と
心の底から祈る毎日だ。


これからも数え切れないほど、
辛い事があるだろう。

でも、
『勝つことよりも、負けないこと』

彼の本当の勝利はもう決まっている。
私はそう信じている。

自慢の息子です☺️✨
NPO法人スマイルリング
理事 ののむら ちあき😁

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