話したいんです。
こんにちは☺️児童養護施設出身、少年院出身の青年の自立サポート団体 NPO法人スマイルリングでの、青年たちとの日常をnoteしています。
この一年関わってきた
児童養護施設出身のT。
“学校の先生や施設の職員を殴り、
気に食わない事があると暴れる子です”
私達の元へ来た彼には、
『問題児』というレッテルが、しっかりと貼られていた。
自分勝手
気分屋
ワガママ
乱暴
協調性が無い
集中力が続かない…
そんな感じの情報だった。
ふ〜ん……。
初めて会った日、
Tはへらへらと笑いながら、どうでもいい冗談を何度も繰り返す。大人なら“イラッ”とくる、幼稚なしつこさである。
“こっちにおいで。手伝って”
声を掛けると、晩御飯を作る私の横に並び、
野菜を丁寧に洗ってくれた。
次の日曜日。
Tを誘ってドライブに出掛けた。
近くにある足湯に行き、足がふやけるまで
並んでお湯に足を突っ込みながら、話をした。
自分がどれだけ腹が立っているのか。
どうしてこんなところに来なければならないのか。
やり場のない怒りや不安を、ただただ話し続ける
Tの話しに耳を傾け続けた。
“決して彼を、孤独にはすまい”
そう心に誓った。
それから一年が過ぎた。
それはやっぱり、様々な問題は起こったのだが…。
結論から言うと、私にとっては
彼と一緒にいる時間は、癒しの時間なのである。
彼のことがとても可愛くて、
“ああ…。
ここに来てくれて良かった”…と思っている。
いわゆる『問題児』と言われる
青年たちと接していて、いつも思うことなのだが。
本当に問題なのは
小さな時から今まで、
彼らの話に、本当に心の底から耳を傾けてくれる
そんな大人がいなかったことだと思う。
話を聴いてもらいたい。
自分の事を分かってもらいたい。
それは人間が持つ、根源的な欲求だと思う。
彼らは皆、
とてもとても話を聴いてもらいたいのだ。
“僕まだ言ってなかった話があります”
無理はしなくていいんだよ。
話したいことだけ話せばいいんだ。
そう言う私に、
“僕、話したいんです。誰にも言ってない話。
僕、聴いてもらいたいんです”
洗濯物を干す、私の後を追いながら
真剣な瞳でこう言ってくるT。
私たち大人は、
彼ら子供や、青年たちが何かやらかす度に、
簡単に自分の物差しでジャッジをしたりする前に、
“黙って話を聴けねばならぬ”と私は思う。
“本当に自分は、彼らの声に真剣に耳を傾けることができているか”と、
自らを問わねばならぬのだ。
Tはよく笑うようになり、本当によく話すようになった。
と同時に、とてもよく手伝ってくれたり、優しい、思いやりの心を見せてくれる。
この一年、頑張ってきたね。
偉かったね。
これからも、一緒に頑張ろうね。
沢山話をしてくれて、ありがとう。
彼らとの対話は宝の時間です✨
NPO法人スマイルリング
理事 ののむら ちあき☺️