あなたに幸せがあらんことを
久しぶりの投稿になりました。
1年ちょっと。色んなことがありました。
4月から異動で職場がかわり、バタバタと仕事に打ち込む日々の中で、運命の人に出会い、晴れて結婚することが決まりました。
今までの備忘録にもあるように、おそらく人より多く恋をし、やぶれ傷つき、また立ち上がることを繰り返してきたように思います。
結婚する彼とは、今までの恋愛での苦労はなんだったんだと思うほどトントンと全てが上手く進みました。「全てはタイミング」とはよく言ったものだなあと今なら思うことが出来ます。
今日は結婚前に成仏させたい気持ち、忘れられない人の事を綴ろうと思います。
忘れられない彼との出会いは職場でした。しっかり認識したのは、同じ職場に配属されてから2年ほど経った頃だったと記憶しています。
距離が縮まったのはふとしたことから。飲み会で顔を合わせることが数回続きました。席は遠かったのですが、彼の明るく人を笑顔にさせるような立ち振る舞いを見て、この人のもっと近くにいきたい、隣で話してみたいと思ったのです。
飲み会から数週間が経った時、私はその時の彼氏とお別れをしました。彼氏の熱量と私の熱量の違いに耐えられなくなったのです。別れることが最善と頭では分かっていながら、それでも一人暮らしの部屋はどうしようもなく寂しく、人肌が恋しく、涙を流す日が続きました。耐えきれず彼に連絡をしたところ、すぐに都合をつけてくれ、家の近くの居酒屋でのご飯に付き合ってくれました。彼は先約を待たせているから最初は2時間と言っていましたが、話は尽きず、3時間、4時間と私がそろそろ先約の方に申し訳ないと声をかけるまでたくさんのことを話しました。2人で会ったのはこれが初めてでしたが、ずっと前から友達だったかのように何時間でも、どんなことでも、話すことが出来ました。
それからは週一回ほど一緒にご飯を食べました。LINEは暇さえあればずっとしていましたし、お休みの日は3~4時間電話することもありました。夜中に一人で寂しくてたまらない時に彼の声が聞けて、優しい穏やかな笑い声を聞いて、とても元気になったのを今でもよく覚えています。
彼は最初からお互いの関係に名前をつけていました。「友達」です。それ以上でもそれ以下でもないと。当時はどうして彼女にしてくれないのだろうと悲しくなりましたが、今ではそれで良かったんだと思っています。彼に依存していたのは自分でも理解しているので、彼女にしてもらえていたら、彼なしでは生きていけなくなってしまい、私が私ではなくなっていたのではないかと思います。
私の誕生日の日はどうしても空けておいてほしいとお願いをしていました。彼氏ではないけれど、彼氏ではないからこそ、2人で過ごせる誕生日はきっともう来ないと思っていました。1年後は素敵な彼氏が出来てるはず!という願いも込めて、この年の誕生日だけはお休みを取って1日一緒にいてくださいとお願いをしました。彼はお休みを取ってくれ、ドライブをしました。早朝、始発の時間に集合し、朝マックを食べてから2~3時間かけて海を見に行きました。車の中でも、ご飯屋さんに並んで待っている時も、どんな時もずっと楽しくて、この時間がずっと続いたらいいのにと本気で思いました。何か特別なプレゼントがあったわけではありませんが、あの時彼と見た海、あの時の彼の横顔は私だけが知ってる特別なものでした。あの誕生日はきっと一生忘れられないと思いました。
4月になり、新しい職場で何とか毎日を過ごしていましたが、新しい環境に慣れるまでは時間がかかりました。彼にLINEでもう辞めたいと泣き言をこぼした時、彼はすぐに電話をかけてくれました。初めて、もうこの人生全てを終わりにしたいと口に出しました。彼との関係が繋がっている今のまま、幸せなまま人生を終わりにしてしまいたいと思ったのです。彼は私が泣き止むまで電話を切らずに声をかけてくれました。あんな弱音を吐いたのは生まれて初めてでした。
のちに結婚する彼と付き合い始めた時、彼は心からとても喜んでくれました。彼氏の手前、2人で会うことはなかったのでLINEで報告しましたが、とても喜んでくれているのが伝わりました。
彼氏が出来たら、彼との関係はもう終わりにしなければいけないことは覚悟していました。彼も、彼氏と私がギクシャクすることは望んでいませんでした。これからも連絡してもいいかを私が聞くと、「もちろん。ずっと友達なんだから。それは会わない期間がどんなに長くなっても変わらない。例え10年会わなかったとしても、連絡を取り合ったらまた前までの距離感に戻れる、それが友達だから。」と。その言葉を聞いて私はとても安心しました。それが私を安心させるための言葉で、本当は、2人で一生会うことはもうないことも分かっていました。それでも、私はその言葉があればこれからも生きていけると思ったのです。
彼と過ごした時間はとても短く、たった3ヶ月だけです。それでもその3ヶ月はとても濃密で私の心に今でも留まっていて、薄れてくれません。彼とは今も連絡を取っていません。ただ、きっと、これからもふとした時に私は彼のことを、彼と過ごしたあの日々を思い出して、あたたかく切ない気持ちになるのでしょう。
どうか彼に幸せがあらんことを。私の幸せを心から願ってくれた彼に。