デザイナー目線で見る決算説明資料 #24 (Amazia/アズーム/マーケットエンタープライズ/ピアズ/ジモティー)
より良い投資家コミュニケーションの設計を目指す「IRデザイナー」が、ビジュアル・ワーディング・内容、3つの観点で気になった決算説明資料を毎週紹介していきます!
今回は、2020年11月9日〜11月13日に開示された決算説明資料を紹介します!
株式会社Amazia(証券コード:4424)
インターネットのマンガ事業を展開するAmaziaの決算説明資料です。
Amaziaでは、新型コロナウイルス感染症が与える影響として、「コミュニケーションコストの増大により、若干、生産性の低下が見られる」と記載していました。
在宅勤務の導入やWeb会議の導入等を行ったことを記載している企業は多くありましたが、この働き方改革がマイナスに働いたことに言及している資料は初めて見た気がします。たしかに、今までとすっかり働き方が変わった企業もあるわけで、良い影響ばかりではないですよね。隠さずに記載する姿勢は誠実さが見えて好感が持てました。
これから働き方改革をすすめる上での一般的な課題として、実際にどのようなコミュニケーションコストが増加してどれくらい生産性が落ちたのか、またそれらをどうやって測ったのか気になるところではあります!👀
株式会社アズーム(証券コード:3496)
不動産テックのアズームの決算説明資料です。
アズームの資料では、なんといっても表紙が気になりました!表紙に描かれたビル群のシルエット、拡大すると実はプログラムコードになっているんです。
ビル全体を通してなにか意味のあるコードになっているのかな?と思ったのですが、じっくり見てみると、全く同じ文字列の行が複数あったり、ぶつ切りで終わっている行があったり。ただ色のついた文字として使われているだけのようでした。笑
最初見たときは、エンジニア関連の企業なのかな?と感じられたこの表紙ですが、おそらくビル群をコードで表すことで不動産テックを表現しているのだと思います。意味のあるコードになっていたらさらに面白かったな、なんて思いました!
株式会社マーケットエンタープライズ(証券コード:3135)
ネット型リユース事業を中心に様々な事業を展開する、マーケットエンタープライズの決算説明資料です。
マーケットエンタープライズでは、各事業ごとの数値を、Good/Bad/中立のいずれかで評価し、中表紙にはGoodがいくつ、Badがいくつ、中立がいくつ、と記載していました。
Badと記載するのはなかなか勇気がいると思いますが、このように表記してくれると非常に明確でわかりやすいですね!
(どうせ明確に記載しなかったところで、数字を見ればばれちゃいますしね・・・!笑)
https://www.marketenterprise.co.jp/ir/upload_file/tdnrelease/3135_20201111421793_P01_.pdf
株式会社ピアズ(証券コード:7066)
働き方改革に伴うコンサルティング事業を展開するピアズの決算説明資料です。
ピアズの資料では、グラフや表を右3分の2に、そのサマリ文章を左3分の1に表示していました。資料のサイズが4:3から16:9が増えてきた最近、このようなレイアウトの資料が増えてきた気がします。16:9の場合は、グラフや表をスライドいっぱいにすると横に間延びしてしまう場合が多いので、そんな際の手段として有効な方法だなと思いました!
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120201112423461.pdf
株式会社ジモティー(証券コード:7082)
地元の掲示板でおなじみのジモティーの決算説明資料です。
ジモティーの資料には、「ジモティーを知っているが使わない理由」の調査結果と、その理由に対してのアプローチ方法が掲載されていました。
このように、ネガティブな情報である使わない理由に対してアプローチ方法を添えると、とてもポジティブな情報になるんだないう発見がありました。課題点をしっかり把握していて、それに対するアクションを取れていることもアピールできるのも良いですよね。取り入れてみたい手法です!
https://jmty.co.jp/wp-content/uploads/2020/11/20201113_002.pdf
今週の紹介は以上です!
今回は、たまたまですがネガティブ情報をうまく表現している企業を多く紹介した気がします。ネガティブ情報を隠さずにうまく伝えられるのるって、大事な技術ですよね…!👀