相談担当者が陥りやすい落とし穴①
真剣に何とかしようと思うからこそ、アドバイスをしたくなるかもしれません。ただし、アドバイスする際には注意が必要です。
ケース1:先にアドバイスしてしまう
・「職場で性的な冗談を言う人がいて、仕事をやる気が亡くなってしまって困る。」という相談に、「聞きたくない話なのでやめてほしいと言ってみたらどうでしょう?」と言ってしまう。
・セクハラに限らず、話を聞いている中で「こうしたらいいんじゃないか?」と思いついたことを先に言ってしまう。
まずは相手の気持ちに寄り添って話を聴く
これはカウンセラーにもよくあることですが、相談者としてなんとかしてあげたい、解決してあげたいと思うのは当然ですし、その気持ちは大切です。相談者へのアドバイスが必要なことはありますが、そのタイミングには慎重にならなければなりません。
ハラスメント相談に限らず、何か相談をしたい人にとってはアドバイスも大事ですが、まずは自分の話を誰かに聞いてもらいたい、理解してもらいたいという思いがあります。他の人には相談できずにひとりで抱えていたことについて、まずは外に吐き出してその状況を理解してもらったり、共感してもらって初めてアドバイスを受け容れられるものです。
事実関係とその奥に隠れる背景を聴くのも相談担当者の役割
事実関係と問題の億にある背景を見極めるのも、相談者担当者の重要な役割です。まずは、相談者の気持ちに寄り添って、その話に耳を傾ける。相談者が故意に事実ではないことを相談するかもしれないということではなく、事実関係を客観的に把握するのは大切です。事実関係を見極めて、問題がどこにあるのか、何が問題なのかをしっかりと把握しなければ、正しいアドバイスや対処もできません。
また、相談者からしてみればまず話を聞いてもらいたいと思っているのに、話をよく聞かないうちにアドバイスされたとしたら、どう感じるでしょうか。日ごろから自分の意見をあまり言えずに我慢していたような相談者であれば、それがたとえ良かれと思ったアドバイスだとしても、命令や指示のように受け取ってしまうこともあるかもしれません。相談の際、アドバイスしたくなった時には、一度冷静になってみてください。
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