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ラ-ニングセンタ-建設中in山のスラム
山のスラムにてラ-ニングセンタ-が順調に建設開始しております!
この山のエリアのコミュニティには、”スラムを焼け出されたひとたち”が住んでいます。
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セブ島最大の街のスラム「パシルエリア」
数年前、ここで大規模な火災が起こりました。
多くの人たちが焼け出され、そのなかでも、家を再建できた人たちとそれすら叶わなかったひとたちにわかれました。
後者の人たちは立ち退きを迫られ、追われるようにして、山岳地帯に居を移らざるをえなかったのです。
つまり、現在ここに暮らす人びとは「スラムすら追い出された人びと」です。
現在この村落では、2つのコミュニティ、75ハウス、総勢400名の人たちが肩を寄せ合うようにして暮らしています。
(ちなみに、一軒の家に2~3家族、10名以上がひとつ屋根の下に暮らす家も…)
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これまで街でしか暮らしたことのなかった人たち。
突然生活環境が変わり、体調を崩すひとが続出。
街にいたころは、隣の大きな市場で働けていたひとが多かったため、仕事を失ったひとも多く出ました。
山ではもちろんお米も野菜も育ちません。
自給できるとしたらわずかな野草だけ…。
それらをほそぼそと育てながら、なんとか食いつないでいるような状況にあります。
▼置いてきぼりの子どもたち
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①学ぶチャンスがない
このような状況の中でもっともしわ寄せを受けているのが、子どもたち。
学校は1年半以上にわたってほぼ閉鎖状態、
課題のプリントに取り組もうにも家庭に教育力がなく、それどころか、お母さんたちは副業探しに必死な状況ー
教育機会を得られないまま時間だけがむなしく過ぎていきます。
②デジタル・デバイド
政府や教育省がインターネットによる講義の展開を、と取り組んでいますが、インターネットどころか電気など基本的なインフラの整わないスラムコミュニティでは、その恩恵にもあずかれずにいます。
インターネットが使えない、ということは授業に追いつけないだけでなく、得るべき情報にも手が届かない、ということでもあります。
情報弱者になってしまい、リテラシーは落ちていくばかりです。
③”こころのロックダウン”
フィリピンという国は「ファミリーファースト」。
家族の絆を非常に大切にするお国柄。
辛いことも、これで乗り越えてきた人々が多いのです。
だから、ロックダウンがもたらしたダメージはとても大きい…。
親戚や遠くに住む家族に会えるチャンスは減り、笑顔とエネルギーを交換しあえる機会が非常に限られてしまいました。
この山のコミュニティでも、みんなが集えるような場はまったくなく、人と人との交流から得られる「元気」というリソースさえ、得ることが難しくなっているのです。
▼スラムにこそ「学べる場」を!
フィリピンは国際的な学力テストでは残念なことに、非常に低い位置にあります。
特に理数系の科目ではほとんど最下位。
けれど、決して、なまけものだから、とかやる気がないから、ではないのです。
先生の数が足りない、学校自体がない、といった教育インフラの不足によるところもとても大きいのです。
実際に、7000以上ある離島の中には小学校までしかない島も多く、施設や学用品の不足はそのまま子どもたちの学力や学ぶ意欲の低下につながっています。
でも、私は経験として知っています。
絵本を届けたときの、子どもたちのうれしそうな笑顔。
読み聞かせをしたときの、輝く瞳。
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学ぶ気持ちがないのではないのです。
ただただ、チャンスに恵まれていないだけ。
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背中を押してくれる誰かの存在があれば…
状況は必ず変わっていきます。
その思いをもとに、子どもたちと、その成長を支えるべきコミュニティに、「学べる場」を創り出します。
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みなさまもどのようなラ-ニングセンタ-が建設されるのか、、、
お楽しみにしててくださいね!